2002年のGOLDEN PICNICS PART-I
ROCK LEGENDS '四人囃子 VS スモーキー・メディスソ(2002.05.03
2002.05.25訂正)

 2002年のゴールデンウィークも後半戦に入り、みなさん、いかがお過ごしでしょうか??
さて、昨年末の四人囃子TRBライブで情報がオープンになり、その後今年に入って何とチケピの電話販売が15分完売を記録した'ROCK LEGENDS 四人囃子 VS スモーキー・メディスソ'ツアーが、5.2渋谷公会堂公演をもって終了しました。
既にお知らせしているようにネタばらし無しを信条に当サイトではライブレポート掲載を見送っていました。
(と言っても各所でネタばれが随分ありましたので、それも無駄だった??)
そこで、ツアー終了を記念して、当サイト版'ROCK LEGENDS 四人囃子 VS スモーキー・メディスソ'コンサートレポートをお送りします。
んでは(^^)/。


 今回のライブは、昨年のジミヘン・トリビュートを主催し、後日TV放映したTV朝日さんの主催/企画の公演でした。
当然、TVテーピングを前提としており、当初は4.27新宿厚生年金会館大ホールの一公演が予定されていました。
しかし、その後スモーキー側が他都市での公演を予定していたからかどうかまでは判りかねますけど、大阪厚生年金芸術ホールでの公演が決まり、そして先にも書いたように電話販売15分完売という事態から、追加公演として5.2の渋谷公会堂公演の計三公演のツアーとなった次第です。
当初は、4.27新宿公演の抑えのためのTVテーピングが渋谷公会堂でも予定されていましたが、結局、テーピングは4.27新宿のみとなりました。
当然、筆者も追っかけとして三公演全てに参加する予定だったのですけど、仕事の都合がつかず、残念ながら大阪公演参加はなりませんでした。
ですんで、今回のコンサートレポートは4.27新宿と5.2渋谷の二公演をメインに、書き始めたら量がありそうなんで、二回に分けていくことにしませう。


4.27 新宿、旧友再び.....

 久しぶりの新宿厚生年金会館大ホールでのライブ、最後に厚生年金に来たのは7年前の'Steve Hackett & Friends'だったかな??ってくらい久々でした。
しかし、前々から書いているように囃子のライブがある日ってのは絶対に晴れるんですね??今回も花曇りの空ではありますが、雨の心配なんざ必要ないでしょう。
会場に早めに着きまして、さてどうやって時間をつぶそうかな??とウロウロしていますと、会場脇にテレ朝さんの中継車が二台来ていました。
'あ、そうかTVテーピングするんだもんな...'などと見ておりますとSGIのモービルユニットも止まっております。
すると、かすかに演奏らしきものが....
最初はCDかなんかでチェックしてるのかな??と思って聞いていると、どうも変??ありゃ、これリハの音じゃん!!
ちょうど、'一触即発'のボーカルパートが聞こえてきます。
ふーん、なんかリハ聞き放題の日比谷野音状態...そこで時計に目をやると開場予定の30分くらい前....えー、てことは囃子が先にやるの???(リハは逆取りで行われますから...)なんて思っていると、どこかで聞き覚えのある曲も聞こえてきます。
そう、先日発売されたBOXセットにも納められていた、あのPink Floydナンバーです。
えー、これアンコールでやんの???などと思っていたら、時間はまもなく開場時間。
会場入り口に行ってみますと、旧TRBメンバーのそーげんさん発見、挨拶をしてしばし雑談....すると現TRBメンバー浅野井さん登場、金子マリさんのフライヤーを配っております。
段々入場口付近も人だかりが増え、昨年のワンステップで知り合った、津田さん、Bosscatさん等々、そんで旧TRBメンバーの灘井氏、今井嬢、その他取り巻き連中がどんどん、やってきます。
ようやく開場、そーげんさん達と入場しますけど、新宿厚生年金って入り口とロビーが狭いんすよね??しかも入ってすぐのところのグッズ売場は黒山の人だかり状態、人をかき分けて会場に入り、自分の席を確認します。
(今回は四人囃子オフィシャルホームページaoさんのご配慮で前目の席を確保して頂きました。この場を借りて、お礼を申し上げます)


開演前の静けさ??

 ステージを見やるとやはり囃子のセットが先だと言うことが確認出来ます。
舞台左手にモリサンのブース、中央に大二さんのドラムキット、その横に佐久間さんのベースアンプ、そして舞台右手は坂下さんのキーボードブース。
四人囃子オフィシャルホームページ既報のゲネプロの模様でも確認していましたけど、坂下さんのキーボードは昨年のワンステップ同様にハモンドとその上のノードリード、KORGのピアノタイプ鍵盤とその上にやはりKORGのシンセという陣容。
大二さんのドラムキットは小さめのバスドラでツータム、シンバルが三枚という極めてシンプルなもの。
モリさんのギターはラックに5本、お得意のブッダのアンプ、何とその上には往年の名機、ROLANDのテープエコー(RE301??)まで乗っております。
佐久間さんは最近ご愛用の赤のジャズベタイプと、昔から使っている白のジャズベ(昨年、福島でお聞きしたところ、さすがに年代ものなんで機嫌を見ながらしか使えないとか....)。
そんなこんなを確認していると客入れのBGMを聞いて、ちょっとわらっちゃいました。
なにせ、Floydの'アーノルド・レイン'、BOWIEの'スペース・オデッセイ'、おまけにZappaと来ました。
この選曲、誰だー??(大二さん、絡んでる??)


4.27 新宿決戦??前半戦

 なんて言いながら開演を待っておりますと、昨年のワンステップの時にも使われたオープニングが流れてきます。
いよいよ、囃子の登場、会場から大きな拍手が飛び、モリさんを先頭にメンバーが自分のポジションに着きます。
BGMとクロスする形でシンバルの静かな刻みから、'おまつり'がスタート。
前回のワンステップではPAに苦しみましたが、今回はどうかと言うと、まあとりあえず無難な感じ...
モリさんの艶やかなギター、そしてボーカルパート、声出るかな???うん、大丈夫そう。
中間部のハモンドのソロも、ワンステップではオルガンのトラブルに泣かされましたが、今回は問題無し、坂下さんの素晴らしいソロが繰り広げられます。
ただ、中間のリフからの戻しのところがブレイク無しで流れていったところでチトびっくり。
(アレンジ変えたんじゃなくて、結局雪崩れ込んだみたい...)
'おまつり'の後は、すぐに'円盤'がスタート。
ただここでアクシデント、突然照明が全部落ちちゃって、真っ暗になっちゃいました。
残念ながら、この日の照明は昨年のワンステップと比べると、ちょっと苦しい感じでした。
'円盤'は前半のテーマでモリさんがちょっと遅めの弾き出しだったんで、どうなるかな??と思っていましたが、そこはプロです。
ちゃんと持ち直しました。
'円盤'の後、メンバーが個々にノイズ的なインプロを弾き始めます。
照明もサイケな感じに....そう'ネッシー'のスタートです。
今回の'ネッシー'は、昨年末に発売されたBOXセットに納められていたバージョン、つまり'ゴールデンピクニックス'バージョンのテーマ部分が無い形での演奏となりました。
坂下さんも、ピアノ系の音を中心としてプレイ、シンセのソロもBOXセットスタイルでした。
中間部のブレイクと個々のソロパートも、昨年よりもこなれた感じに仕上がっていますが、このパート終了後に、うれしい仕掛けがありました。
ドラムがリズムを刻み、ベースが乗り、そしてギターのハーモニクス...そう、'ネッシー'の中間部になんと'カーニバル'が挟まれたのです。
モリさん、'カーニバル'唄うの、何年ぶりだろうね????後半の歌詞、ちょいと間違えちゃいましたけど、粋な構成ではありませんか??
(すみませぬ....モリさん、歌詞間違えていませんでした。筆者の思い違い??でした。この場を借りてお詫びいたしますです....2002.05.25 訂正)
'カーニバル'終了後、'ネッシー'の後半部分、例のコーラス部分に戻ります。
ただ、残念だったのは、ここで'パーラー...'のボーカルが付かなかった事、全部演奏で通しちゃいました。
マイクはメンバー分、ちゃんと立ててあったのに....
でも、'ネッシー'後半のモリサンのボーカルは素敵でありました....


4.27 新宿決戦??後半戦

 曲が終わり、モリさんがギターをテレキャスに交換、次の曲は'レディ・バイオレッタ'。
モリサンのちょっと崩したソロ、大二さん、佐久間さんのリズム隊も安定して、素敵な'レディ・バイオレッタ'がステージに現れました。
後半のフルートソロは坂下さんのシンセソロで....
曲が終わるとようやくモリさんからメンバー紹介が大二さん、佐久間さん、坂下さんの順で...最後、モリさん、自分で挨拶しちゃいましたけど、その後を佐久間さんが再度モリさんをコールします。
この後、大二さんのドラムを合図に'なすちゃ'がスタート。
相変わらず、この複雑な曲を楽々、弾き倒すメンバーに唖然....
それと今回、うれしいプレゼントはなんと'マチネー'以来久々に佐久間さんのリコーダソロが登場した事。
四人囃子オフィシャルホームページのゲネプロレポートで佐久間さんのリコーダ姿を拝見してたので、多分やるとは思っていたんすけど、何せ昔のようにリコーダケースをマイクスタンドに付けて居なかったんで、ホントやるのか??と当日思っちゃったので....
(四人囃子オフィシャルホームページの掲示板には、佐久間さん、'ピーヒャラします'って書いてあったけど....)
今回は、ベースアンプ類のラックの上に置いてありました。
久々のリコーダ付きの'なすちゃ'、やっぱ良いです。
坂下さんには申し訳ないんですけど、やっぱしあの部分はシンセよりも笛ですよ、笛!!!!
この姿を見ながら、何かGentle Giantを思い出したのは、私だけ???
ただ、ここら辺からちょっとベースの音が大きくなった感じで、PAのバランスもちょっと崩れてきたようなのは残念。
さてさて今回、囃子、スモーキー共に演奏時間は70分程度の予定です。
囃子と言えば、一曲が練りに練られたアレンジが施されているからこそ個々の曲の演奏時間が長くなります。
個々の勝手なインプロで曲が長くなっているわけでは無い訳で、当然ここらで最後の曲となってしまう訳です。
ホントは、ワンマンで二時間くらい聞きたいものですが、それは贅沢な望みかも知れません。
最後の曲、'一触即発'が、モリさんのフィードバック、そして大二さんのハイハットカウントでスタートします。
ここでの'一触即発'もモリさんのギターソロはかなりフリーキーでして、雰囲気的にはBOXセットのアルバム'一触即発'リリース前のライブの時の雰囲気です。
また、坂下さんのシンセメロディーが通常のスタイルで弾いた後、スタジオ盤後半の装飾音を絡めたメロディーで弾いたところが筆者には感激ものでした。
ただ、この部分をPAが完全にここを拾いきれていないのが至極残念....
ボーカルパート前には大二さんに何らかのトラブル発生、急遽ローディを呼んでおりました。
(ハイハットか、はたまたベードラのトラブルか????)
後半ボーカル前のリフあたりはちょっとディレイがきつすぎて聞きづらかったのも残念。
で、逆に'だっ....'のエコーが不発....
そしてラストのギターソロも、やっぱしフリーキー、ただステレオセッティングのモリさんのアンプの音が綺麗に拾えていないような気も....
うーん、今回もPAにちと泣かされたんかな.....
演奏は大団円、メンバーが拍手に送られ、ステージを後にします。
そして当然、アンコール。
そう、今回のアンコールはある意味目玉でして、あのBOXセットにも収録されたモリサン曰く'数多い、レパートリーから'、Pink Floydの'シンバライン'!!!
モリサン、完全にギルモア博士状態です。
テープエコーを使用したギター、そして坂下さんもKORGのシンセでファルフィッサ風のオルガンサウンド、大二さんもFloyd風ドラミング。
'70年代にFloydのカバーを完成させた囃子の姿の一端が、この2002年に再現されたわけです。
コーラスパートでは坂下さん、大二さんもコーラスを。
でも、何故か、佐久間さんは唄わない???
(ゲネプロでは唄っていた筈なのに....)
中盤のFloydならテープパートとなる部分は四人のメンバーのサイケデリックなサウンドコラージュ。
佐久間さんもエフェクトボードか、シンセを使用し、往年のサイケサウンドを....
個人的には、ここでの照明が一番良かったかな???
再び、ボーカルパートへ.....
そしてライブが終了します。
会場はやんやの拍手ですが、メンバーは観客に答えながらも何故か個々にステージを去っていきます。
うん、今回のライブ、照明/PAともに、無難と言えば無難なんすけど、今一歩物足りない感じでした。
でも、まだ5.15.2がありますから、尻上がりに調子を上げる事を期待する、筆者なのでした....


4.27 新宿決戦??スモーキーの場合...

 さて、囃子終演後、20分程のステージ入れ替えの後、スモーキー・メディスソの公演がスタートしました。
スモーキーについては、筆者の守備領域外なので、細かい事は書きませんけど、いや、素晴らしい演奏だった事だけを書いておきましょう。
オープニングでは囃子には内緒(だったらしい??)でカバーした'空と雲'を演奏、その後のジョークは色んなところで物議をかもしたようですけど、あれも昔からの友人であるチャー一流のジョークだったのでしょう。
Jeff Beck Groupのカバー等々、演奏も充実していました。
豪快なナルチョのベース(ちょっとCATのプレイをPAが拾いきれて無かったのが残念)、マリさんのボーカルは今でも衰え無し、藤井氏のドラムは後半ちょっと疲れたか??(ツインペダルだったしなー^^)、そしてチャーのギターも相変わらず。
ラストの'Joy To The World'、アンコールのアコースティックセット等々、聞き所も多かったです。
なにせ、この面子でレコードもCDも出していないスモーキー、まさに'最強のアマチュアバンド'なのでした....


 さて、今回は4.27の新宿厚生年金大ホールのライブレポートをお送りしました。
最強のアマチュアバンドであるスモーキー、それに対して四人囃子はPA/照明も含めてパッケージ化したまさにプロの姿勢を持って望んでいるという立場の違いを見ても、おもしろい取り合わせです。
元々、'70年代は同じ事務所に所属していたわけですが、21世紀にこの取り合わせが実現するとは、皆驚き、そして楽しんでいるのかも知れません。
次回は、そんなツアーの最終日5.1渋谷公会堂公演を中心にお送りします。
では、それまでしばしの間(^^)/。

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