あの'うつくしま福島'でのワンステップライブ以来、四人囃子の活動はドンドン加速を続けています。
結局ツアーとなった2002年春のスモーキーとの'ROCK
LEGENDS'はTV放送もされ、そして夏にはフジロックに参加、ここでは若い観客を前に堂々たる演奏を行い、観客を魅了したそうです。
今年年末には全てのアルバムと春のライブ音源が紙ジャケ仕様で発売と、BOXセットの発売をきっかけに商業的にも注目されているのです。
(多分、ハガクレの他社をも巻き込んだ再発シリーズの目玉は、囃子と村八分だと筆者は思うのですけど....ちなみにBOXセットの方は市場についに5000番以上のものも出てきました)
そんな四人囃子が、再びテレ朝主催の'ROCK LEGENDS Vol.2'に出演する事となりました。
しかも今回の対バンは頭脳警察です。
そう、あの伝説ともなり、そして音源も発掘された'73年10月20日/日比谷野音の'聖ロック祭'が再現されるかもしれないのです。
今回は、'ROCK LEGENDS Vol.2 四人囃子 VS 頭脳警察'をレポートしましょう。
正直今回のライブ、開場時間がかなり早く、なんと開場18:00、開演18:30と来ました。
筆者、仕事の関係でこりゃ間に合わないな??と思い、何とか早退して開場となった新宿厚生年金大ホールに駆けつけますと、やはり観客も年齢層が高いからか、未だ人出はぼちぼちと言ったところでしょうか??
会場入り口脇で四人囃子TRBの面々と出会います。
話を聞いていると、一日前(10月24日)に行われた早川義夫氏のライブにも参戦したそうです。
そちらのライブでも佐久間さんがギターで参加されていたのは、皆様ご存じのとおり。
で、演奏、早川氏のボーカル共に素晴らしかったとの事。
うーん、時間があれば行ったのに....
(実は筆者、冗談抜きで今回のライブ、見に行けるかどうか危なかったのです^^)
さて、そんなこんなしていると既に陽も落ちた新宿に、観客が集まってきました。
それでも、先日のような混みかたでは無いので、ボチボチ会場に入っていきますと、それでも入り口の狭いところでグッズ売りしてるんで、ちょっと入るのに苦労します。
一応、筆者も囃子の新デザインのTシャツなんか買って来ましたが(^^)。
会場内ではそのほか先にも話した紙ジャケ再発の予約(山野楽器さんでしたね??)、それと年末のオールナイトライブのチケット(囃子関連もモリさんと大二さんが出ます)の販売なんかもしてました。
さて、会場内に入ると、今回のライブはステージに薄い緞帳が下ろされています。
出演順は、既に確認済みですが、知らない方にはちょっと期待させる演出にもなりますね??
会場をブラブラしていると、例によって四人囃子オフィシャルサイト主宰/aoさんと出会います。
二人で緞帳に写された頭脳警察のファーストアルバムのジャケット(有名な三億円事件モンタージュ)を眺めているとなんとそのスライドの下は四人囃子のファースト'一触即発'のジャケットも映し出されている事に気づきます。
挨拶の後、会場を歩いていると囃子ファンと当然のごとく出会います。
お互いに声をかけながら、自分の席に戻ります。
館内放送も響き、いよいよステージの幕が上がるのです。
トップは??
会場の照明も落ち、緞帳の向こうからギターやベースの音が聞こえます。
会場にZappaの'Brain Police'が流れ、当然トップは頭脳警察から。
ベースのリフが鳴り響き、ドラム、そしてトシさんのコンガが会場に響き渡ります。
まずは'銃を取れ'から。
ちょっとボーカルが聞き取りにくいですけど、PAは何とか踏ん張っております。
この後'歴史から飛び出せ'、'ふざけるんじゃねえよ'の三曲まではとにかくパワフルな演奏。
パンタのボーカル、トシのパーカッション、とにかくかっこよい。
特にトシさんのキメのポーズは何とも気合い十分です。
その後、新曲、古い曲、ちょっと前の曲(セットリストはこちらをどうぞ)を織り交ぜて演奏が続いたのですけど、ここでパンタ、何故かPAミキサーにボリュームを上げろのサインが....
もしかしたら、モニターの返しの指示かと思ったのですけど、このサインの後、ボリュームは極端に上がり、正直音が会場をぐるぐる回り始めました。
なんと、ステージというかPAの音が会場後ろに反射して帰ってきます。
まさか後ろにスピーカが??なんて、思わず振り返ってしまいました。
完全に団子になったような音は暴力的に会場を支配していきます。
実は演奏自体は凄く良かったので、これはちょっと残念でしたけど、これも頭脳警察の狙いだったのでしょうか??
演奏が終了し、会場からは拍手も飛びますが、頭脳警察はアンコールにも応えるそぶりもなく会場を後にします。
すぐに機材の入れ替えが始まり、なんか拍子抜けしたような感じもしますが、これがオーラスのセットの前振りだったのでしょう。
ただ、正直あの音にはやられまして、会場を出て一服して、ようやく落ち着いたというか、自分の耳が未だおかしくなっていない事を確認した次第です。
囃子登場!!
機材の入れ替えはドラムの入れ替え、そしてキーボードブースの準備等、順調に進んで行きます。
モリさんの立ち位置には今回も譜面台が....またあの曲、やるのかな??と思っていたら、譜面台は横に移動、床に大きなカンペが貼り付けられます。
はは、譜面台だと見えないのかな??等と思っていますと、譜面台にもなにか譜面らしきものも置かれています。
機材の入れ替えが終わり、いつものように四人囃子のコーリングシグナルが会場に響きます。
メンバーが足早に登場しますが、それを見つけた観客が拍手を送ります。
所定の位置にメンバーが付き、BGMが終了、今回はクロスフェードではありませんでした。
曲は珍しく'なすちゃ'から。
当然佐久間さんリコーダを吹きます。
頭のところは忘れていたのか大急ぎでリコーダに手を伸ばしたのを見逃さない筆者でありました(^^)。
ちょっとリコーダ、オフ気味でした。
ちなみに筆者の席はモリサンよりの前から五列目だったんで、こりゃモリさんの音しか聞こえないかな??と思っていたら、一応鍵盤の音も聞き分けられたので一安心。
何せ、頭脳警察みたいになったら耳が持たない??
ただ、中間の静かなパートでは相変わらず佐久間さんのあるポジションの音だけが思いっきり響いてしまいます。
これって、以前は佐久間さんのベースのせい??と思っていたのですけど、こりゃもしかしたら佐久間さんのベースのあるポジションでのヒットとエフェクターを通した音の周波数がPA側でうまくフィルタされていないのか、他の楽器を優先すると、この周波数帯の佐久間さんの音を強調してしまうのかのどちらかのようですね??
(さすがに佐久間さんも、この件は気づいていると思うんですよ)
そんなこんなで曲が終わり、お次は'ネッシー'。
今回はワンステップのようにテーマ付きのバージョンです。
ただ、現在の囃子としては完全に中間部のアレンジは固まったようです。
と思っていたら、何故か'ラッパララ'のコミカルパートカットという非常に珍しいバージョンでの演奏だったのにはちとびっくり。
曲はモリさんがギターできっかけを作りつつ、大二さんのドラムが先導する形で'カーニバル'へ。
かなりタイトな演奏は見事だったんすけど、途中のギターチョーク引き延ばしから曲に戻るところで大二さん、思いっきし外しちゃいました。
まあそれでも曲がちゃんと成立するのはプロの証??
終了後、佐久間さんのMCで今回のライブのゲスト、初代ベースプレイヤー中村真一氏が登場、佐久間さんに代わってベースを担当するのです。
(使用したベースは、何とaoさん所有のベースだった!!!)
もう一人ゲスト登場、何と金子マリさんです!!
で、この面子って事は曲は'空と雲'。
ふむふむ、前回の'Rock Legends'でスモーキーに'空と雲'を演奏された事への意趣返しってところでしょうか??
まあ、この曲、中村さん作の曲でもあるのですが。
リードはモリさんが取りますが、途中のハモリや追っかけはマリさん、そして中村さんが担当。
考えてみれば、初期の四人囃子って中村さんも良く唄っていたんですよね??
先日のTRBライブ、そして二人羽織のライブで大二さん、モリさんと競演しているんで中村さんのベースも良い感じです。
曲が終わり、マリさんがステージを去ります(なんか、殆ど普段着に思えたのは筆者だけ??)。
続いての曲は何と懐かしのPROCOL HARUMのナンバーから'Shine On Brightly'!!!
ちなみに、先に書いたカンペは、ここで使用されておりました(^^)。
モリさん、かなり危うい歌い方も所々あったのはご愛敬。
それでも、先日の'シンバライン'と言い、なかなかのサービスであります。
特に、中村さんを加えて、PROCOL HARUMを演奏したってとこに意味がありますね、これ??
モリさんのMCで佐久間さん、再び登場。
ここでは中村さんがベース弾いてますんで、佐久間さんギターを持ってます。
ここで再び驚きが、モリさんのMCで曲は何と'DANCE'から'眠い月'。
さすがにこの曲では佐久間さんがギター弾かないわけには行かないですね??
ただ、残念だったのは佐久間さんのギターの音が聞き取りにくかった事。
テーマ部分を弾いているのに、何故かオフ気味なのです。
逆にバッキングをしているモリさんのオブリやリフの方が大きい始末。
ちょっとPAが怪しくなってきました。
それと、ラストがちょっとこぼれたのが残念....
('DANCE'の中で数少ない囃子らしい曲なんですけどね...)
モリさんのMCに送られ、中村さん退場、再び佐久間さんがベースに戻ります。
この曲前では無いのですけど、モリさんの'いつも同じ曲ばかりなんで順番変えました'って言っていましたが、その言葉どうり曲は'円盤'へ。
ここで、PAかなり危なくなって来て、正直バランスがガタついて来ました。'円盤'が終わると、モリさんのフィードバックギターから'一触即発'へ。
冒頭のギターソロはモリさん、スライドで通します。
かなりフリーキーな演奏で、坂下さんのシンセメロの入りにちょっとかぶりましたが、ちゃんと盛り返します。
ただ、相変わらず、PAが坂下さんのシンセメロのセカンドパートをきちんと拾ってません。
ここは坂下さんの見せ場なのに....
それとPAなんですけど、この曲当たりから音が会場を回り始めました。
特に後半のオルガンソロなんか、オルガンが聞こえませんで低音がグワングワン言ってます。
ちょっと耳につらい??
ちなみに、ここではモリさんがかなりギターでおもしろい事をしているんですが(いつもの'On The Run'状態では無いのです)、それもPAが完調では無いのでツライ....
演奏の出来はかなり良いのにな....
佐久間さんのベースもいつもの五度リフだけではなく、かなり色んなオカズを入れています。
後半のギターソロもかなりフリーキー。
春のセットよりもモリさんの遊び方が過激になってます。
ダブルチョークに戻ってからのパートもかっこよいですし、シンセメロ裏のリフがまた強烈。
そして、囃子のステージが終わります。
メンバーが去った後、当然アンコールの拍手が湧くのですが、ちょっといつもと様子が違います。
29年後の聖ロック祭
観客の拍手の中、ステージにギターアンプ、コンガがセッティングされていきます。
そうです、29年ぶりに'73年10月に行われた日比谷野音'聖ロック祭'の頭脳囃子が再現されようとしているのです。
しかも、ベースに中村さんを迎えてですので、まさに頭脳囃子そのものです。
パンタが中央でギターを手に挨拶をします。
佐久間さんは再びギターを手にしています。
演奏は、'無冠の帝王'でスタート。
トシさんのコンガが大二さんのドラムと絡み、中村さんのベースが土台を固めます。
モリさんはスライドでプレイ、佐久間さんがオブリを入れますが、ここで問題。
PAが相変わらず佐久間さんのギターをちゃんと拾っていない!!!
途中まで佐久間さん、エアーギター状態!!!
後でちゃんと音が聞こえて何とかなりましたが....
それとやっぱパンタが登場するとPAのボリュームが三目盛りくらい上がりまして....まー、もうしょーがねーか???
曲は頭脳警察の中でもインプロパートとトシのホイッスルが強烈な'前衛劇団モータープール'へ。
でも、この曲を聴くと頭脳警察って名前をZappaの'Brain Police'から付けた訳も少し判る気も....
この後、パンタの'四人囃子が四曲やる間に頭脳警察は20曲出来るぞ!!、しかも演奏時間はもっと短いぞ'のMC。
そして最後は坂下さんのオルガンの響きが素敵な'さようなら世界婦人よ'
パンタのそれまでの絶叫型の唄い方が変わって、パンタのこの曲に対する姿勢が伺える気がします。
演奏が終了し、メンバーが思い思いに観客に答え、会場を後にしていきます。
たった三曲でしたが、非常に貴重な三曲で'29年後の聖ロック祭'は幕を閉じたのでした....
一部で言われているように、正直今回のPAにはまいりました。
まあ、パンタの煽りもあったのでしょうが、ボリュームが上げすぎだっただけではなく、ソロを取る楽器の音をきちんと拾っていなかったり、バランスもかなり危うかったのも事実です。
それでも、頭脳警察の最初の三曲のレベルが保てていれば、評価も変わったのですけど....
それと、頭脳囃子が見れたのはうれしかったのですけど、それならトシのコンガ付きで'おまつり'が聴ければなと思ったのは多分筆者だけでは無いでしょう??
さて、四人囃子の次回の登場は11月の'佐久間サミット'、ただ、さすがにGLAYとか出るんでチケットの入手は難しそうです。
(すでに前売りは2分で完売したとか...)
さすがに無理そうですね??筆者の次回参戦は....