ちょいと、更新が出来ない日々が続いておりましたが、さすがに今回登場した、この音源と映像には一言言わずにはおれません。
そう、あの1974年、夏の郡山で行われた、あの一週間の記録、ONE STEP FESTIVALの音と映像が公式に陽の目を見たのです。
CD四枚組、そしてDVD一枚に収められた記録は、どんなものなのでしょう??
それでわ、早速いきませう。
んでわ(^^)/。
さて、ここのところ、CD、DVDとも入手が難しくなっているなんて話を聞きます。
四人囃子のオフィシャルホームページでも仲介を行うなんて話が載っておりました。
筆者は、DISK UNIONさんの通販で予約したところ、CDの方は発売延期なんて事もありましたが、一応発売日前にブツも届き、UNIONさんお得意の先行予約グッズ(今回はCDはTシャツ、DVDは何故かマグカップ...)も手元に届いた次第です。
(ちなみに、本日現在もDISK UNIONさんのサイトを確認すると、在庫ありだそうです)
さー、実際にこの音源ですが、随分前から当時PAを担当していたギンガムにて卓送りの音源が存在するらしいことは聞いておりました。
ですので、今回発売されたのは不思議ではないのですけど、ただ発売までは紆余曲折あったようです。
特に、演奏者側との権利関係の確認に非常に手間取った模様で、そのことはブックレットの最後の頁にも記されております。
まー、そんだけ色んなミュージシャンが集ったという証拠でもありますが、実際権利関係の問題でキャロル、シュガー・ベイブなんかの収録が見送られておりますし、加えて元々チェック用の(多分、卓ミックスの2chテープでしょう)音源なので、音質や演奏的な問題、そんでテープ交換の音切れなんかもあるようで、収録された曲が全てそのミュージシャンの代表的なナンバーというわけでもないようです。
さて、それでは収録された音を幾つか紹介すると.....
Disk-1
一枚目のトップで収録されているのは何と、後に子供ばんどに参加する湯川トーベン氏が参加している神無月。
音はポップ且つカントリー風というかPOCOなんかに近い感じ....(トーベンさん、真一さんを誘ったの、このバンドじゃないっすよね^^)
続くは、このフェスでブレークしたバンドの一つ、サンハウス!!鮎川氏のギターがかっこよい!!曲は名曲'レモンティ'も収録されております。
そしてやはりこのフェスで評判の高かったイエロー、さすがに四文字言葉合戦は収録されておりませんが(この時はやらなかった??)ウェストロード・ブルース・バンドと続き、この一枚目の白眉の音源は、やっぱしトランザムでありましょう。
ハプニングス・フォー+1の主要メンバーに、石間秀機、後藤次利によるトランザム、インストナンバーは無茶苦茶聴き応えがあります。
様々なシーンでバッキングをこなしてきたこのバンドの強者ぶりを堪能しましょう(^^)。
そんで、その後がデビュー直後のダウンタウン・ブギウギ・バンド、'網走番外地'も収録!!
その後はつのだ☆ひろ&スペース・バンド、まー、さすがに演奏のうまさが光りますな....
で、この一枚目の一番の注目はフェス初日のトリを飾った、ラストに三曲収録された沢田研二&井上尭之バンドでありましょう。
PIGでのスタンス的な失敗(完全にロックのスタンスに立った事)を見事にリカバーし、ツアーと演奏はロック、パブリシティーは歌謡曲という立ち位置がこの当時の沢田研二を成功に導いたと言えましょう。
何せバックは井上尭之バンド、うまいなんてもんじゃありません。
特に凄いのは、'追憶'を完全にライブではロックとして堂々と演奏しているところ。
また尭之氏のギターも勿論、大野氏の鍵盤ワザも注目ものでして、エレピ、ハモンド(多分L型)だけでなく、何と夏の野外にメロトロンまで持ち込んでいるのです。
いやー、ある意味、勇気ありますよね(^^)。
で、卓送りライン音源なんで、ノイズマイクが無いので歓声は殆ど入っていないのですが、さすがはジュリー、演奏を拾うマイクにちゃんと観客の声が載っていたのでありました....
Disk-2
二枚目は、当時、かの地ではかなり注目を集めていたそうなGrape Jam、あのボウイの高橋まこと氏が参加したバンドです。
その後は便宜上でしょう、ゴールデン・カップスの名称を使用した(と言っても加部さんも居るのですが)デイブ平尾氏。
曲はDoobieのカバー、そして営業用のお約束'長い髪の少女'。
続いては後に囃子のモリさんのプロデュースでデビューする横須賀のジュリエット。
で、そんでもって、パワートリオ時代のあんぜんBAND、相沢にーさんの切れの良いダイナミックなギターをフューチャーして'けだるい'、'いくらまっても'を披露。
エディさんはオリエントエキスプレスを率いての登場、当時日本で数少ないブラスロックスタイルを披露、特に'エキスプレス・シャッフル'は絶品です。
その後は、当時このONE STEP FESでプロデューサ的な立場だった内田裕也氏がプッシュしていたクリエイション。
ブルースを主体にしたツインギターによるハードロックスタイル時代の演奏です。
この二枚目のラストを飾るのは二日目のトリを飾り、このステージがまさに伝説となった四人囃子の'泳ぐなネッシー'であります。
この音源だけ、あのボックスセットに収録されたオーディエンス録音のものが使用されていまして、既にお聞きの方も多いでしょうな。
はっきりと大二さんに聞いたわけではありませぬが、多分卓送りの録音が無かったのかもしれません。
(もしあれば、ボックスセット発売前に大二さん、あんなにワンステップの音源を探さなかったと思う....)
まー、もう一つの可能性として、卓送り音源が物足りなかったのかも??
Disk-3
三枚目は実は、筆者の一番のお気に入りのディスクであります。
何せ、あの宿屋の飯盛、んで南無、センチにはちみつぱいが収録されているのです。
トップは宿屋の飯盛、バンドの名称に反してというか、演奏はちょっと泥臭い面もありますが、雰囲気的には所謂シスコ系、Jefferson
Airplane系と言えましょうか??
お次は、大橋純子がゲストで参加した北海道のソウルパワー、異邦人と続き、お経のSE(フミオさんか??あ、楽屋落ちのギャグだ^^)から南無の演奏が始まります。
これがまたSteppenwolfとIron Butterflyを足してVanilla Fudgeのフレーバーを足したと言いますか、非常に強力な演奏であります。
オルガン(多分、GT7)をメインにかなりハードな演奏を繰り広げます。
さて、この後登場するのが、当時の会場にも親衛隊が乗り込んだ外道。
まー、これはあんましコメントせんでも良いでしょう。
当日(フェス三日目)は、この後にシュガーベイブが登場したってのが凄い話かも(^^)。
そんで、名古屋の勇、センチメンタル・シティ・ロマンス、これがホンワカした演奏で、意外とはまってしまうのです。
で、はちみつぱい、これがまた非常に貴重な音源であります。
曲は、'こうもり'と同じような演奏時間調整向けの'夕日のプレリュード'と、'月夜のドライブ'、慶一さんのシャクリアゲ唱法を繋いで'酔いどれダンスミュージック'!!!
三枚目ラストはアイ高野氏をフューチャーしたミッキー吉野グループ。
はっきり言って、演奏、無茶苦茶旨い上に、サービスたっぷりのアイ高野氏のボーカルが聞きどころ。
Disk-
四枚目はこれが渋目のVSOP、そして寺田十三夫と信天翁と続き、そしてやはりこのフェスで大ブレークした上田正樹&サウス・トゥ・サウス、ソウルショウスタイルの演奏で、当然、お約束の'Try
A Little Tenderness'で締めてくれます。
この後、オリジナル・デュラン(これも渋いよなー^^)を挟んで、かまやつひろし登場。
当時のバックバンド、オレンジをバックに'バン・バン・バン'、'どうにかなるさ'が収録されております。
さーその次も大変、あの宮下フミオ氏が登場、ちょうどファーイースト・ファミリー・バンド結成前の頃の演奏で、伊藤ふみあき氏も参加していますんで、雰囲気としてはファーイーストにかなり近いです。
曲の方はなんか初期Renaissanceっぽいですよね??
オルガンはヤマハか??それともKORG??
で、その次も貴重な音源と言えましょう、加藤和彦&サディスティック・ミカ・バンド登場。
ベースに小原礼氏、ドラムにユキヒロ氏の超強力リズムセクション時代の演奏でのライブ音源ですからねー??
曲は'塀までひとっとび'と'タイムマシンにお願い'。
ミカさんのボーカルはいつものように危なっかしく、でもそれがこの当時のミカバンドの味なのですよ(^^)。
英国ツアーではミカさん、担当は編み物でしたもんねー(^^)。
で、ラストに収録されているのは、内田裕也&1815ロックンロール・バンド。
クリエイションをバックに、ロックンロールのスタンダードが演奏されております。
最終日はホントは、この後にオノヨーコの演奏があったわけですが、今回は権利関係の問題でしょう、収録されておりません。
さて、問題のDVDです。
当初噂されたワンステップ主催者側で記録として撮っていた映像ではなく、既に既報のとうり、この映像、民放系が制作したドキュメント作品(ちなみに筆者も見たような記憶があるのですが...)基となっています。
(と言っても、クレジットを見ると当時の関係者の名前もありますんで、主催者側も絡んでは居たのでしょう)
一部の映像はNHKのドキュメント(一昨年、NHKアーガイブで再放送されて話題となりました)もおんなじものを使用したように思える部分もあったり(その辺で、映像の権利はワンステップ主催者側にあるのかも??)....
まー、こちらのDVDも権利問題でオープニングやキャロルの演奏のカット等を考えると、一時間半の番組だったようです。
筆者が当時の関係者の方とお話させていただいた時に聞いたのですが、地方局にはこの当時の映像も残っていたそうなのですが(つまり、今回のこの映像の基となるものでしょう...)、その時聞いた話では、そちらは既に視聴に耐えられる状態にないと言っていたので、それが使われたわけではないのは、ちと残念。
で、本作の内容はというと、一番の問題は、画と音がまったく合っていないところでありませうか??
こちらの方、元の映像もそうだったのでしょうかね??
雰囲気的に、前述のギンガムの音源に差し替えたってのも考えたんですけど、音が完全にモノラルなので、その可能性は低そうです。
まー、それでも動く姿が確認出来るだけでもメッケモンか??
でも、夕焼けまつりのDVDは何とか画と音がかろうじて合ってる部分が多かったんで、それを考えると残念??
そんでもう一つ、一部で期待された方も多かった四人囃子ですが、エンドロールでわずかに動く映像を見る事が出来ます。
一応、これまで知られている映像とは違うものなので、それで我慢するかと....
(既に、大二さんにも聞いていたとうりではあったのですが....)
ちなみに、囃子の映像も先の地方局にはあったらしいのですが、既に使用出来る状態にはないと。
でも、せめてCDの方に、'一触即発'が収録出来なかったのかな??エンドロールの演奏、無茶苦茶かっこよいのに....
映像の方は、当時のフェスの様子(ステージへの乱入やら....)が観れるのも面白いと言えば面白いのですが、当時、この会場に居た人達は、改めてこの映像を見て、どう思っているのか、聞いてみたい気もします(^^)。
あ、最後に出てくる'円谷プロダクション'は、あの'円谷プロダクション'のようです(^^)。
さて、ワンステップのCDとDVD、いかがだったでしょう??
色々問題もありますが、それでも貴重な記録であるのは間違いないでしょう。
ちと話は違いますが、1974年当時も雑誌の音楽専科がワンステップにかなりケンカを売っていたのもよく覚えています。
このフェス自体、主催者の佐藤氏と音楽プロデューサ的な立場の内田裕也氏のスタンスは、決して一致していなかったのも事実のようです。
とはいえ、2001年の夏にはうつくしま福島未来博にて2001 ONE STEPが8月30日と8月31日の二日間、開催されたりしてますんで、今後は、収録出来なかったバンドの演奏や収録しなかった曲を加えて、第二弾、第三弾なんてのは期待しちゃいけない??