7.Do It Yourself!


 このコーナーでは自作、実験を積極的に行っていこう、というものである。これまでスワンa、D-105と長岡式のスピーカーは作ってきたが、それ以外のものは自作したことはない。とは言え、電気関係の知識が絡むものは出来ないので例えばアンプの様なものは作れないだろう。その他、アクセサリー的なものを作ってみようというものだ。また、実験というのはそれらを使った比較試聴や、購買レポートなど。今まで別のコーナーでやっていたが今回からはこちらのコーナーに集約する。


1.スピーカーケーブル十番勝負(99.11.20)


 別に十本も試すつもりは無いけれども…いつかはそれくらいになるだろうか。
 さて、今回はスピーカーケーブルだが、現在D-105で使っているのはモンスターケーブルZ1Rという、¥2000/mのものである。これといって不満はないが、実験として比較してみるのは普通の電線である。使用したのはホームセンターで売っている、¥220/mのビニールキャブタイヤコードだ。3.5スケアで太さはZ1Rとほぼ同じ。値段はほぼ一桁違う。確かにZ1Rはかなり凝った造りで、中身の銅線の太さがまちまちになっていたり、線材の中心には樹脂の線が一本通っていたり、と詳しくは知らないが音質向上のための措置が多く採られている。さあ試してみよう。
 試聴に使用したのはUAのニューアルバム「TURBO」。1曲目の「プライヴェート・サーファー」を聴く。キャブタイヤの方は、音が素直に「スパーン」と出てくる感じだ。低音もかなり低いほうまで出ている。高音の切れも良い。対してZ1Rの方はというと、低音の量感はこちらの方が上だな、と感じた。ただそれ程低い方までは出ていないような気もする。高音は繊細できれいな音。この曲は下手をするとシャキシャキの音になってしまいがちだが、それをうまく抑えている。
 「勝負」と題したからには決着を一応は着けねばなるまいが、コストパフォーマンスの面で圧倒的にキャブタイヤが上回るのでこちらの勝ちとする。何せ安い。スピーカーケーブルにお金をかけるのが馬鹿馬鹿しくなる値段である。確かに専用ケーブルは様々な工夫が凝らしてあり、音も上品なものだが、それは細かく音をチューニングするためのもの、と言ったほうが正しい使い方だろう。
 とにかく、しばらくはエージングの意味もあってこのキャブタイヤを使っていこうと思う。高音ももっと滑らかになってくるはずだ。しかし、Z1Rも繋ぎ直すときに端末を処理し直したため、音が良くなっていた。勝負はこれからかもしれない。次回は専用ケーブルのリベンジなるか?



2.遂に使用!「あの」液体(99.12.4)


 「アクセサリー」というのは世の中色々ある。
 長岡先生曰く、「アクセサリとは無くても困らないもの」なので自分もあまり使っていない。ファッションでのアクセサリも同様。時計(スウォッチ)意外あまり興味が無い。ファッションでもオーディオでも「何でこんなにするの?」というものがあまりにも多過ぎる。
 しかし、あまりにも話題になっているので意を決して使うことにしたのだった。それが「SETTEN No.1」。あの、カーボン・ダイヤトニックというやつだ。これを接点にホンのちょこっと塗るだけで音が劇的に変わるらしい。しかし本当なのか?確かに原理は納得できなくもないが…
 本当かどうかは使ってみなくては分かるまい。さほど高価でもないし。
 というわけで購入。レコード針の洗浄液のような瓶を開けるとやはりフタの先には細い刷毛が。しかし中身は真っ黒。これがなかなか不気味で良い。「ほんのちょっと」との事なので、瓶の口で刷毛を何度もぬぐってCDプレーヤーのピンコードの先と、スピーカーターミナルに薄く塗る。そして再び接続。今回のソフトは山崎まさよしの新作の中から「Passage」。アコースティックギターの音色がどうなるか…
 結果。ギターの響きは良くなり、低いほうの弦は太く、それでいて繊細だ。高いほうの音は見事の一言に尽きる…というのはかなり誇張。実際それ程の違いはない、というのが感想。確かに変わったことは変わった。良くはなったと思う。しかし接点をゴシゴシ乾拭きしたってこれくらいには鳴るんじゃなかろうか?まあ、もっと様々な部分に塗ってはみるつもりだが…とりあえずは請う御期待かな。
 やはり「イワシの頭」なのか、自分の耳が節穴(それは目だろ)なのか?何せ「音」は主観的な世界なだけに答えは出そうにない。しかし宣伝通りならおれの耳でも分かるはずだけどな。



3.ピンケーブル七番勝負!(99.12.25)


 別に十番でも七番でもいいんだけど。まあ、新人レスラーみたいでいいかな、と。
 それはともかく、今回は「衝動買い」の範疇の話。出張先でふらりと入った「ジョ○○ン」でカゴ売りされていたものに「つい」手を出してしまったわけである。
 それは「スペース&タイム」の「プリズム55」というピンケーブル。要するに型落ち品で、現行品は全て8Nを使用しているが、これは6Nだ。現在使用しているのはテクニカのやつで、どちらかというと柔らかめの音を出す。悪く言えば少し眠い音なので、もう少し目を覚まさせたかったのだ。
 ケーブルというのは組み合わせ次第なので、雑誌などの評価は話半分くらいの方がいいのだが、このプリズム、「透明感のある音」との事だ。なるほど、ケースにはアメリカのブランドなので全て英語で、「Clean,Clear and Natural」とある。なかなか目の覚めた表現ではないか。
 まず現行の音を聞いてから接続することにする。今回は前日買ってきたシェリル・クロウのライヴアルバム。繋ぎ替えるとき、このプリズム、随分きつい端子を使っている。これはしっかり接続するためだろう。間違えて外すとき苦労してしまった。思いきり引っ張ると、勢い余って手の甲を壁にしたたか打ち付けてしまった。壁に裏拳である。痛い。
 そして聴いてみる。…うん、確かに英語で書いてあった通りの音だ。音がかなり澄んできた。眠さは取れ、はっきりしたものを感じる。切れ込みもすこぶる良い。だからといって決して「冷たい」音ではなく、癖の少ない、とにかく「きれい」な音だ。後は実際には「汚れた」感じの音も好きな自分の好みおよびソースにどれだけ答えられるか、だ。でもこういう澄んだ音も好きなので特にボリュームを上げて聴きたいとき良いだろう。しばらく色々鳴らしてみたい。
 このコーナーはもう少し「自作」もしてみたいと思ってはいる。本当はピンケーブルもいつかは自作するつもりだ。そうしたらまた、これと「対決」させてみたい。何せ定価はかなりするケーブルと、長岡式なキャブタイヤケーブルの対決だ。「エリートv.s.雑草」みたいで楽しみだ。



4.BS-89T 完成!(99.12.31)

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5.エージングの彼方に(2000.1.8)


  千年紀最後のスピーカー(?)、BS-89Tはエージングさせまくりである。何せ出掛けるときも鳴らしっぱなしだ。とは言え、あまり大きな音は立てられないが。これで大分こなれてきたのは確かで、音の雑っぽさがかなり無くなってきた。うまく育っていると思う。
  ただ、高音のシャリシャリ感はやはり無くなってはいない。「setten No.1」で濁りはなくなった、と前には書いたが、D-105と比較すればまだかなりの開きがある。やはり変えられるのはスピーカーケーブルだけである。
  そこで、「なるべくキャブタイヤのやつで、太すぎず、値段もリーズナブル」なモノを探したところ、ありました。名古屋は大須アメ横の線材屋で一応は「スピーカー用」というものだ。「カナレ」というメーカー(おそらく電線では知られているところだったのでは…?)の「905」というケーブルで、¥280/mであった。これは4芯で、最初面倒臭そうだな、と思ったが、一度は使ってみようと思い、購入した。
  端末処理をしてみると、意外とうまくいった。構造はなかなかに凝っていて、4芯の周囲にはタコ糸が通っており、さらに紙が巻かれていた。リーズナブルな割には対策が施されているのだ。色の似ている同士をより合わせて(近似色同士はタコ糸により離れている)、接続。
  出てくる音を聴いて、期待以上の結果に驚いた。高音のシャリ感が無くなった!低音はもりもり出てくる!これは大正解である。まさかこれほどとは…こういう性格のケーブルだったのだろうか。ベルデンに近い、高音は大人しく、低音を響かせるような。見事にそれが一致したのだろうか。もしかするとスピーカー自体のエージングが進んでくると高音が大人しくなり過ぎるのかもしれないが、現状はこれがベストだ。
  それにしても、今までバックロードばかりを聴いてきて、こういうオーソドックスなバスレフは久しぶりだったが、これはこれでかなり良い。高品位のソフトを聴くには適さないが、普通のポップスやロックを聴くなら十分かもしれない。特に録音が程々のソフトにはこちらがベターだろう。自分の持っているもので例えれば、NIRVANAの「Nevermind」などはスワンや105で聴くとやけにしょぼい音になってしまうが、89Tからの音はロックらしい、パワフルな演奏を聴くことが出来る。そういった違いがオーディオの面白さをまた一つ学んだような気にさせてくれるのだ。



6.世代交代?(00.1.13)


  現在使っているカセットデッキはもう10年になる。最近は劣化なのか自分の耳が肥えてきたのか、ソースとの違いが気になってしまっていた。とは言え、新しいのを買う気も起こらなかったのだ。やはり買うならMDか、CD-Rだろうと。
  MDは小さくて便利だが、そうすると車も必要になる。大体音質は大丈夫なんだろうか。それに大してCD-Rは今までのCDで聴けるし、車も大丈夫だ。しかしまだ録音が面倒だし、失敗したらディスクが無駄になってしまう。それにハード・メディアともにMDに比べ高価だ。それぞれ一長一短。さてどうしようか?と考えてばかりで年を越した。
  自分を知る人は言う。「CDをバカバカ買って、聴いてるんだから、録音なんて必要ないんじゃないか?」と。
  それもある意味正しい。
  しかし、今までのレンタルなどの録音とは違うもう一つの役目があった。それは増えすぎたCDの整理だ。あまり聴かないもの、それ程思い入れのないもの、音質に拘らないものならば録音して処分すればよい。と言うことは、だ。自然と選択肢は一つになる。CD-Rではスペース的に同じになってしまうではないか。
  と、言うわけでMDの購入が決定した。後は機種である。それ程高額なものである必要はない。定価で¥49800くらいが適当だ。他のハードと不釣り合いかもしれないが、何せ初物。リスクは冒せないのだ。
  色々迷った末、パイオニアの「MJ-D5」にする。CDからの録音はデジタルで接続するつもりだが、わが「CDX-10000」にはオプティカル(光)端子はないのである。MJ-D5ならばこのクラスでも同軸端子がある。最近のローコスト機やミニコン用のモデルは殆どオプティカルしかないのだ。店員の勧めもあり、これに決定する。
  さて現物だがこれがもの凄く軽い。3.5kgだそうな。こんな軽くて大丈夫なのか。叩けば「カーン」と威勢よく音が鳴る。うーん。かなり振動対策とかしないと駄目かな。…しかしその録音された音を聴いて驚かされることになる。
  何と。変わらないではないか。少なくとも自分がいつも聴く音量では殆ど違いはない。強いて挙げれば多少オリジナルより大人しいかな、という程度。それでもブラインドテストをして正確に聞き分ける自信はない。いや、驚いた。ポップスの録音ならば本当に何の問題もない。今回は色々録音してオリジナルと比較試聴!などと思っていたのだが、全くそんな気は失せた。こりゃかなり神経を集中させないと比較できそうにないし、第一そんな重箱の隅をつつくような真似をしても疲れるだけである。それは全く性に合わない。と、言うわけで今回はただ単に「驚いた」と…



7.コンセント!(00.2.5)


 電源廻りがオーディオ界で注目されているわけだが、確かに一般家庭の壁コンセントはかなりグラグラだ。これでは気分的にもあまりいい音がしそうにないことは明らかというものだ。
 そこで交換、ということだが、オーディオショップにはたくさんの種類のコンセントが並んでいるし、雑誌にも多く紹介されている。中には「オーディオグレード」として一万を超える値段を付けているモノまである。まあ、オーディオは「違いを楽しむ」ことが面白いので他人のことは言わないが、あまりにも便乗商品臭さが匂ってきてしまう。高いものを買って満足するのも自由なのでいいのだが。
 さて私が選んだのが明工社の「ML1229」というやつで、¥1110で購入した。「ホスピタルグレード」という規格で、つまり医療用だ。病院ではいきなり抜けたり、接触不良があってはならないのでプラグがしっかりと安定し、グラグラしないのだ。        
今まではこれが必要だった。

 そしてこれらのコンセントは3口だ。これまで「3P⇒2P変換」を使ってコンセントに差していたのだが、これでは接点が増えてしまい、せっかくのキャメロットのコードが勿体無かったわけだ。つまりこれでキャメロットが実力を発揮出来るのである。
 そして交換。出てきた音は期待を裏切らなかった。
もう直に差せる!

 まず低域だが、さらに分解能が上がった。つまりただ低いところまで出てくるというだけでなく、鮮明さが向上したのだ。高域ではシャープさが加わり、それでいて耳障りには決してならないすがすがしさを感じる。全体的には透明度の高い音になった。「ピュア&クリア」というわけだ。まだ替えたばかりでおそらくエージングもあるだろうから、これで全てを評価するわけには行かないが、ローコストでの音質向上には抜群の効果があることは間違いない。今やコンセント交換は基本かもしれない。


 
※コンセントの交換は素人が施工してはいけません。



8.苦渋の選択?(00.2.11)


 などとタイトルに書いたが、パソコンに向っているときは「BS-89T」で音楽を聴く。アンプにはスピーカーを1系統しか繋げないので仕方なくラックスのセレクターを使っていることは以前書いたことがある。しかし、これが接点を増やしてしまって良くないわけだ。ダイレクトにケーブルをアンプに繋いだときの迫力を忘れられず、何とかならないものか…と考えていたのだ。高いセレクターは5万位する。アンプがもう1台買えてしまうではないか。
 
 いっそのこと安いアンプをハードオフ辺りで買ってくるか。ポータブルCDならあるし。
 
 それとも、
セレクターを自作するか
 
 このラックスのセレクターを開けてみると、随分しょぼいものだった。配線など糸のようだ。一層「これではいかん」という思いは募る。
 
 揺れる思いを巡らしながら、ハードオフへ向う。2万円弱であった。とりあえずチェックはしておいて、大須へと車を走らせる。アメ横第二ビルのパーツ屋さんに入って適当なものはないかとスイッチやら色々なものを物色する。ナイフスイッチはしっかりと噛むので接点としてはしっかりしている、聞いたことがあったので、見てみるがただオン⇔オフの切替だ。これでは使いづらい。しかしその隣にあるごっつい切替器が目に留まった。「
切替安全開閉器」というやつで松下電工のものだ。店員にこれをセレクターとして使えないか訊いてみる。親切な店員さんのお陰で2つ使えばスピーカーセレクターになることが分かった。
 
 「ご覧の通り武骨な形だから箱か何かを作ってやったほうが良いかもね」
 
 と言われたくらい、確かにこの形は部屋に置くものとしてはある意味かなり
ヘヴィーだ。しかし、見ようによってはなかなか愛嬌があるとも言えなくはない。レバーやその下の土台は重く、安定感抜群だ。これは期待できるぞ。
 
 家に帰り、とりあえず繋いでみる。(図参照)
 

 しっかりしたネジとガッチリしたレバー。アンティークとも言えるデザイン。ロゴも昔のナショナルだ。


 ねじもしっかりしていて、締めつけるとびくともしない。片チャンネルだけ繋いで切り替えつつ鳴らしてみる。
 
 鳴った!大成功!
 
 それを確認してもう片方も繋ぎ、フタをねじで留めて簡易タイプではあるがセレクターになった。本当はターミナルを使ってそれなりに箱など作って小奇麗にまとめるつもりだったが
止めにした。そんなに内部配線やらターミナルやらで接点を増やしても仕方がない。ねじ留めは最高のターミナルなはずだ。また劣化させてしまっては勿体無いではないか。まあ、そこに板でも付けようとは思うが。
 

 ただ繋ぎっぱなし。ピンクのケーブルがアンプから。黒とグレーのがそれぞれのスピーカーへ。


 さらに、これを通した音もなかなか良いのだ。音が適度に「
汚れ」たのだ。自分の好きな音楽を聴くには、あまりに澄みきった音より「熱さ」があって良い。前回コンセントを交換して透明度やパワー感が向上したが、透明度は若干ダウンしたが、パワーがそのまま残った、そんな感じだ。いやあ、思わぬ効果も生んで大満足。



 9.切断、そして変身(00.2.17)


 名機「CDX-10000」は電源ケーブル直出し、交換は普通では出来ない。しかし直出しならではのメリット(余計な接点が無い)もあるので無理に交換することもない。しかも、かなり太めのケーブルなので、それ自体は良さそうだ。しかし、プラグ部分はごく普通のものであり、古いせいか歯の部分もくすんでおり、磨いても余りきれいにならない。
 
 「プラグだけ替えれば良いではないか」
 
 私は以前買っておいた(衝動買いとも言う)Hubbellのホスピタルグレードのプラグ「HBL8215CT」を使うときが来た、と感じた。スケルトンなプラグでなかなか恰好良い。見た目も重要である。
 
 問題は10000の方の古いプラグだ。最初はカッターとマイナスドライバーでこじ開けようとしたが意外と硬く、白い方の線がアース側に繋がっていることを確認してあきらめ、ニッパーでプラグ部分以下を切り取った。そしてスピーカーケーブル同様先端の処理をし(何センチくらい線を出すのか、パッケージの裏に書いてあった、親切)、Hubbellを付ける。ねじ留めで簡単、ハンダも要らないので音質に悪い影響を与えない。
 
 すっかり変身した10000の電源ケーブル、これを元通りタップに接続、音を出してみる。試聴盤はローリン・ヒル。
 
 音の方も変身(ちょっと大げさ)した。これは成功だ。今までのプラグとその接点が劣化していたせいもあるのだろう。低音の力強さがアップ、透明感アップ、躍動感アップ、音量も上がったように感じる。いやはや、細かいことで音質向上させている今日この頃だが、まだまだ改善できるところはたくさんあるのだなあ、と実感する。



10.出張用システムの構築(00.2.24)


 なーんて大仰に銘打ってしまったが、聴きたかったのだ、オアシスの新作を早く。

 帰ってから聴こうと思ったのだが、耐えきれなかった。ラジカセ(ライトバン用)はカセット専用機、するとiBookだが、聴くことは出来る。小さなヘッドホン(イヤホン)もある。しかしどうもインナーイヤー式のイヤホンは耳が痛くなってくるのであまり好きではないのだ。するとやはり「スピーカー」か?そこでたまたま近くにあった無印良品に入って、段ボール組み立て式のスピーカーを購入する。¥2500也。たしかパソコンショップなどではスケルトン素材で売っているやつだが、こいつはベージュの段ボールでエンクロージャーは出来ている。聴くときだけ組み立てればいいので普段はパソコン用のバッグに入れておけばよい。

 ホテルにチェックインして我が愛機iBookを取り出し、スピーカーを組み立てる。というか、箱形にする、というわけだが。アンプは内蔵していないので軽いが、音の方はそれほど期待は出来ない。ヘッドホンを外して聴くようなものだろう。

 そして待ちに待ったオアシスの新作を聴く。…まあ、やはり予想の範囲内の音だ。仕方があるまい。スカスカシャカシャカだが、まあ聴くに堪えないほどではない。ユニットの口径は5〜6Cmといったところか。箱の中はがらんどうなので何か吸音材を入れてやるといいかも…というわけで取りあえずトイレットペーパーを入れてみた(この辺が出張らしいでしょ)。多少は聴きやすくなった。まあそれにしても低音は全く聞こえない。ヘッドホンの方が当然高音質だが、やはり耳に余計なものが無い方が気分が良い。段ボールのベージュ色はタンジェリンのiBookとカラー的にもマッチしてよい。ただ、段ボールだから組み立てたり分解したりを繰り返すうちにへたってくるのは明らかだ。そうしたらこのユニットを限界まで引きだすような箱を作ってやりたいものだ。
 

 ※しまったな、デジカメ持って行けばよかった…



11.「雑草」VS「エリート」(00.2.27)


 「グレードアップ!(中級者編)」で紹介した、キャメロットテクノロジー「パワーマスター500」をずっとリファレンスの電源ケーブルとして使用しているが、遂に自作も試してみることになった。まあ、作ろうと思えばいつでも出来ることだったんだけど。

 使用したのはスピーカーケーブルと同じ、3.5スケアのキャブタイヤ。コネクタは最近自作派の間では定番となったフルテックの「FI-15」。かなり大柄でガッチリした作りはいかにも信頼できそうだ。プラグの方は前にHubbellを使ってしまっていたので、もう一つあった明工社のホスピタルグレードを使う。ただし外見はHubbellとそれ程変わらない。歯の部分のメッキが違う程度だ。それで1000円台は安い。本当はFLチューブ(ウロコ)もケーブルに被せたかったのだが、無念の買い忘れ。まあいいや。

 製作は簡単。ハンダ付けなどは一切不要。ニッパーとドライバーがあればOK。CD一枚聴いている間に出来ます。そうして出来上がった電源ケーブルを早速キャメロットと交換してみる。

 簡単に音質の傾向を述べると、キャメロットに比べて「滑らか、まろやか」な感じになった。聴き疲れしない、優しい音だ。個人的にはソリッドな、どちらかというと刺激的な音(耳障りという意味では当然無い)が好みなので、ちょっと物足りなく感じた。それで結局キャメロットに戻すことになったが、こうしたまろやかな音を好む人は多いだろう。それにコストパフォーマンスは圧倒的に高い。巷に溢れる超高価なケーブルは一体何なのだろう、という気にさせられる。買い忘れたチューブを被せることで本当に音が変わるかという課題も残しつつ、今回はこの辺で…



12.折れ線グラフ!? (00.3.5)

これは一体…???とにかくClick!



 13.小ネタも少々。(00.3.19)


 対策、ということでは思いついては色々しているのだが、何せ思いつきなので大層な能書きも無いようなことも多い。それを今回はちょっと紹介。「けっ、くだらねえ」などとおっしゃらずに…

 まず、隣の部屋への音漏れを気にする小心者のちょっとした対策。ドアが振動板のように鳴ることがわかったので、それを吸収しようとして、こじゃれた小物屋で厚手のクロスを買ってきて、無造作に画鋲でドアに貼り付けた。そして音楽を鳴らしたまま部屋を出てみる。効果は…まるで意味なし!まさかこれほど変わらないとは…一応、ドア枠には防音用のすき間テープを貼ってある。これはないよりマシ、という程度に効いていたのだが…やっぱりこの程度では駄目か。

 ホームセンターで鉛インゴットを見つけたので4本買ってきた。一本づつD-105の足の部分に乗せ、低音の締めを狙った。結果は…よくわからない!つまり、変わらなかった。やはりたった1.2キロを2本乗せただけでは駄目なのだろう。片方にもう2〜3本乗せれば少しは変わるだろうか…

 他には本棚のガラス部分はブチルゴムを隅に貼り付け、共振の防止を狙っている。叩くと明らかに音が違うので、これは効き目があると思われる。もう少し目立たないようにできればいいのだが…

 コルク板もちょっと厚めのやつを買ってきた。まだ使ってはいないが、これまでの反省を踏まえて使えば、こいつはきっと…

 さていかがでしたでしょうか。失敗は成功の母です。何事も「トライ&エラー」です。頑張りましょう。(…って、おれがだろ)




 14.電線マニア格闘記(00.3.26)


 本当にこうして電線関係ばかりいじっていたら「電線マニア」のようだが、「ハード」方面のマニアになったら金がいくらあっても足りない。限られた収入で、それに見合った出資で色々面白いことが出来ればいいではないか!

 …というわけで、前回3.5スケアのキャブタイヤで電源ケーブルを作ったが、今回はケーブルを交換して作ってみた。よって両端のコネクタとプラグは前回と同様。そしてケーブルだが、人からの勧めもあり、ベルデンのものを使ってみた。¥1700/m也。失敗しても許せる範囲だ。今回は3芯構造になっているので3P全て使うことになる。

 もう手慣れてきたものですぐに完成、早速付け替えて試聴だ。

 …ふむ、なかなか自分好みの音だ。まず音が前に前に出てくる感じが強い。低音はスピード感があってカチッと締まっている。それでいて腹に応えるパワーもある。耳障りにならないざらつき感も良好だ。これはいいぞ。

 もう一度キャメロットにしてみる。低音は少しぼやけて聞こえる。ただ、雰囲気というか、ふわりと余韻を漂わせるのはこちらの方が得意だ。透明感も上だ。つまりは甲乙つけ難いものがある。

 ただ、もうしばらくベルデンを使ってみよう。エージングも必要だろうし。とにかく、このパンチ力は魅力的だ。自分の音楽の嗜好からもこちらの方ではなかろうか。



 15.ピラミッド・パワー(00.4.16)


 遂にオカルト方面へ向かったか…などとおっしゃらぬように。これは本当のことなのだ。神秘だが確かに音は良くなる…なーんて、いつまでやらせるのだ、誰か止めなって。大体今の若いもんは知らないって、ピラミッド・パワーなんて。

 と、いった一人ボケ&ツッコミはさておき、ホームセンターで見つけたのは四角錐の木片。これについ、ピーンと来るものを感じてしまい、6個購入。当然、三点支持×2、である。何の木かはもはや忘れてしまったが、結構丈夫そうだ。

 さて、D-105(ブックエンド)からテクニカのコイン型インシュレーターを外し、このピラミッドを設置。それにしても、位置に印でもつけておく必要がある、と感じた。こんな先の尖ったものに置くのは難しい。それでも置いてみると意外にしっかりしているので一安心。あとは音だ。

 早速音を出してみる。本来の目論みは低音の床への振動軽減である。だが意外に、それはごく僅かな低減でしかなく、むしろ高域が変わった。これまで若干控えめだった中高音〜高音が強調されてきたのだ。明るく散乱するようになり、ソースによっては元気が出ているし、逆にヴォーカルの「サ行」がきつく感じるものもあった。それでも激変、と言えるものではないが、明らかに変わったことは確かだ。 床とのすき間が大きくなったのを利用して、下にコルクシートを敷いてみた。これまたごくごく僅かではあるが振動を止めている。道のりは長そうだが。またテクニカに替えてもう一度確かめたいところだが、結構面倒でもあるのでしばらくこのままでやってみよう。






 16.2ウェイへの誘い(00.5.7)

←お、これは…??早速クリック!



 17.親亀の背中に…(00.5.28)

 F-168を作り、トゥイーターの音も良いもんだ、と思っていると、フォステクスのホーン・トゥイーター「FT-66H」を偶然借りられることになった。早速D-105に付けてみよう。

 当然そのままでは駄目なことは分かっている。コンデンサーが要るのだ。とは言え、どうなるのか、と思ってそのまま繋いでみる。「…○★△!!!!」ごめんなさい、ごめんなさい。もの凄いシャカシャカ。まさに金属音。見事であった。成る程よーく分かりました。

 さてコンデンサーだが、私はその時聞き違えをしており、本当は「0.22μF」なのに、「2.2μF」と思ってしまっていたのだ。1桁違いの罪は重い。勇んで繋げたコンデンサー。結果は…「○★△!!!」またしても強烈なシャカシャカ音が!スルーよりはマシなものの、これでは音にならない。トーンコントロールで調整するとなかなか良いが、あれ〜?という感じだった。でも、これはこれでいいかな、などと多少ユニットを後ろに下げたりなどして楽しんでいたのだった。お馬鹿な私。

 その後、メールのやり取りなどで聞き違いが発覚。一人赤面した私は「0.22μF」を探す。フォステクスは「0.47μF」からなので、パーツ屋で適当な安いやつを購入。ついでに「0.33μF」も買って実験してみよう。安いし。

 まず、0.22から。また「シャカシャカ」だったらどうしようか、と思ったが、今回はそんなことは無かった。…と言うより音、出てるのか?どうやら接触が悪かったようで、ノイズばかりが出ている。今度はしっかりと繋ぎ、再挑戦。おお、今度は間違いなく出ている。控えめに、爽やかな音が付け加わっている。この場合は本当に控えめで、「味付け」といった印象だ。

 そして、0.33の方を試す。こちらはかなり味が濃くなった。いかにも金属ホーン、といった音が鳴り渡る。シンバルなんか気持ち良く、昔のハードバップがうってつけだ。ソースによってはちょっとトゥイーターが主張しすぎる感もあるが、個性的とも言える。たった0.11の数字でこんなに違いがあるとは思わなかった。トゥイーターのON/OFFは簡単にできるので、ソースによるベストの音色を作ることが出来る、という大変面白い事が可能になったわけだ。色々試してみよう。





 18.スピーカーケーブル十番勝負!再び。(00.6.4)

 久しぶりのスピーカーケーブル。ずっとキャブタイヤで進んできたが、替えてみようではないか、と。きっかけは「F-168」だ。とりあえず以前使っていたベルデンの727を繋いだのだが、どうも今一つなのだ。確かにこいつは低音は太いが逆に高音が寂しい。このハイ落ちの部屋では致命的だ。しかも、導体が少しくすんできている。もう古いからな。

 というわけで物色。ただあまり高額なものはパスしたい。あくまでコストパフォーマンスに拘りたい。そこで選んだのがスペース&タイムの「オムニ-8N(¥1000/m)」とオーディオクラフトの「QLX(¥850/m)」。どちらもCPで評判のいいモデルだ。

 最初にF-168にオムニを接続。なるほど、ベルデンとはかなり音の傾向が違う。低音は締まりが出て、少し後退、しかし高音はシャープに切れ込む。アッテネーターをいじる必要が出てきた。すっきり、くっきり、といった感じだ。しかし少々低音不足かな。

 次にそのオムニはD-105に接続、QLXを168に繋ぐ。まず、168を鳴らす。ふむふむ、今回はいい感じじゃないかな。低音に適度に「粘り」が出てきた。高音の切れ込みはオムニほど透明度は高くないものの、良く伸びている。ジャズ、ロックには良好だ。105の方に切り替える。やはりケーブルの特徴である「シャキーン」とした切れ込みが出てきた。どちらかというとキャブタイヤは柔らかい音だったので、このシャープさは新鮮だ。と言って、「硬い」という程ではないので、しばらくこの組み合わせで行こうと思う。

 ちなみに、現在はアンプ〜スピーカー切替器間はモンスターの「Z1」を使っている。



 19.電源ケーブルの鬼となるのか?(00.7.30)

 前回、スペース&タイムの「オムニ-8N」にスピーカーケーブルを換え、そのシャープさに気を良くした私、調子に乗って「こいつで電源ケーブルを作ればもっとシャキーンと音が伸びるかな」と考え、決行することにした。心配なのは太さ。ちょっと電源に使用するには細すぎるかな、という不安があったのだ。とりあえず訊いてみて、大丈夫そうだったのでやってみる。まあ、中に余計なもの(糸、紙などが入っているものがスピーカーケーブルには良くある)は無いし、燃えることはあるまい。

 今回アンプ側のプラグに使ったのは、お馴染フルテックだが接点に通常の金メッキではなくロジウムメッキを施したもの。値段もちょっと高いのだ。まあ、どれほどの違いがあるのやら分からないが。そしてコンセント側はナショナルのもの。殆ど明工社と同じだ。しかしマニアはこちらを良く使う(らしい)。

 そしてウキウキしながら交換。そして音出し。まあ、はっきり言ってそれ程の違いはない。しかし、変わったのはやはり持ち味のシャープさが加わったことだ。これまでもこの「電源ケーブルの交換」は特別際立った違いを出してくるわけではなかった。微妙なニュアンスの違いだ。アンプのキャラクターもあるのだろう。またこれもしばらく使って、様子を見ることにしたい。それとも、もっと値段の高いものを使えば変わるのか?いや、今の所そういうリスクは…?




 20.X-1登場!(00.8.12)

 CDX-10000よ、今までありがとう良く働いてくれた。本当に良い音を聴かせてくれた。「高音質」がどんなものか、分からせてくれた存在だったとも言える。そんな長い型番を持つ銘記の後を継いだのは、やけにシンプルな型番のエソテリック「X-1」である。

 定価¥390,000と、ハイエンドに近い価格のプレーヤーだが、音はどうなのか。正直不安だった。何せCDX-10000のダイナミックな音は大好きだったからだ。繊細にして大胆。そんな音だった。X-1の音は店頭では申し分ないものに聞こえたが、自宅では分からないのだ。こればかりは仕方がない。店員の話では「ガッツがあり、高解像度」との事だったので、おそらく自分好みのはずだ。さあ…

 家に持ち帰り、ドキドキしながら接続。やはり聞き慣れたものから、ということでここはローリン・ヒル。VRDSメカ特有の「カチ」という音を立て、スタートする。…おお、これは良い。以前の迫力と変わらない音が出てきた。やはり高解像度を売りにしているだけあって、緻密さも合わせ持っているし、低音のパワーもこちらに向ってくるように「来る」

 UAや綾戸、ビルエヴァンス、レッチリ(ジャンル無茶苦茶)を立て続けにかける。もうこいつを全面的に信頼することにした。素晴らしい。確かに、10000を上回っている、とは決して言わないが、全く遜色はない。良い買い物をしたと思う。違いといえば、高域が少々暴れ気味、これが逆に良いアクセントになっている。残っていたテクニカのインシュレーターを(少々小さいが)足とラックの間に挟むと、暴れは少なくなり、艶の乗った感じになった。少々不格好ということもあり、またインシュレーターについては色々試してみるつもりだ。

 そして店で最後の残りとなっていたスピーカーケーブル、カルダスの「クロスリンク1S」を1mの値段で買ってきたのだが、計ったら1.6mあった。こいつはラッキー。半分にして0.8m。これをアンプ〜スピーカーセレクター間に使うのだ。そうしたら、効果バッチリ。躍動感が出て、ベースの音が「ぶるるん」と前に出る。大成功だ。見事にX-1を生かすことが出来た。作業にたっぷり汗をかいて、かなりラックや機械にを落としてしまったが、その甲斐があったというものだ。

 ところでこのX-1のデザイン、なかなかイカしている。フロントはベージュというのが珍しい。ちょっと前のパソコンっぽい、と言えなくもないが、当然そんな安っぽい仕上げではない。そして何と言っても「ランプ」の存在だ。ON/OFFは前面パネルから出来るのだが、トレイ上部に取り付けられた丸いのぞき窓から明かりに照らされて、ディスクを吸着したVRDSメカが回転しているのが目視することが出来るのである。音質と関係の無い、あるいは悪影響ではないか?と思われる機能がさりげなく付いているところが何とも憎い。

あとはこの傷を何とか…↑

 また、もう一つ気に入った機能に、ディスプレイの切替だ。音質に影響を与える、ということでディスプレイをOFFにする事が可能なのは珍しくも何ともないが、その中間の段階、明るさを少し控えめにすることが出来るのである。これはオシャレだ。ちょっと照明を落として…聴く。うーん、良いねえ。ますます気に入った。これからもよろしく。