乱れ撃ちディスク・レヴュー"Classic Edition"
…ってただ昔書いたやつだけどね
<96年その1>
CORNELIUS "69/96"
「96年はヘヴィメタだ!」今回もまた、確信犯的な音をつくってまいりました。思えば自分が中学生の頃って、アイアン・メイデンとかクワイエット・ライオットなんかが流行っていた。小山田圭吾とは同年代であるので、すごく面白かった。他にもイエスの曲("Owner
of Lonely Heart"!!)がサンプリングされていたり、と内容盛り沢山、96曲目(!!)まで思う存分楽しめます。それにしても、カヒミ・カリィって、イイっすねぇ。(96.1.28)
→カヒミ・カリィも結構な歳だと知ったのは後のことだった…
ROD STEWART "The Mercury Anthology"
まだ "I'm Sexy?"も "Sailing"もない時代のロッドのベスト盤である。最近では大変渋い姿をCMで披露しているが、ジャケ写は当然若い、細い。しかし、このひとの声は本当に変わらない。そして何といっても、バックの演奏が滅茶苦茶格好良い。曲も有名なのは
"Maggie May"くらいであるが、これぞロックンロールといった、佳曲揃いである。それにしても、ストーンズの「中居正広」ことロン・ウッドがこんなに上手いギタリストとは知らなかった。しかもロンは、ロッドとは対照的に、まるで今と変わらない風貌をしているのだ。すごい。(96.2.4)
→最近はロッド何しているんだろうね?
LUSH "Lovelife"
まだいたのか、この連中は。そんな感じのラッシュ(そういやRの方のラッシュもどうしているのやら)だが、ブラーやオアシスの快進撃に少しは感化されたのか、先行シングルとなった曲は彼等にしては「ブリット・ポップ」なナンバーで、いままでで一番の出来である。他にもすっ かり有名人となった、パルプのジャーヴィス・コッカーが参加した曲が良い。しかし、後半はまた従来のホワホワ脱力サウンドだった。 (96.2.18)
→メンバーの一人(男)が亡くなってしまいましたね。
HERBIE HANCOCK "The New Standard"
ロックイット・バンドなんてあったっスね。ジャズのアルバムは初めて買ったのだが、ピーガブ、ビートルズ、そしてプリンス、ニルヴァーナ(!)といったナンバーをカヴァーしているので手に取って見たわけである。しかしどの曲も完璧なジャズであった。たまにはこういったものも良いもので、夜ディスプレイに向かいながら流すにはピッタリである。 (96.2.25)
→最近になってよく聴くようになりました。歳のせいか?
GOO GOO DOLLS "A Boy Named Goo"
最近のアメリカのチャートというのは、TLCだのボーイズメンといったブラック勢と、このバンドの如く典型的なアメリカン・ロックが混在している状況である。勿論僕は後者が好きなのだが、あまりに保守的に過ぎてどのバンドも同じに聞こえてしまいがちである。現在チャートの上位におり、日本のFMでもよくオンエアされている「ネイム」が初ヒットであるグー・グー・ドールズもこうした危険性を内包している。まあ、良質のロック以上でも以下でもない、という感じか。 (96.3.10)
→最近映画絡みで大ヒットを出しましたな。
LISA LOEB & NINE STORIES "Tails"
普段コンタクトを装着している女の子がたまに眼鏡をかけているのを見ると、妙に刺激的だったりする。そうした子が「ワタシに眼鏡は似合わない。」と思い込んでいるのは明らかで、それが更にソソるわけである。その逆というのは所謂優等生メガネの子がそれを外すと思いがけなく美人だった、という場合であるが、残念ながらこちらの体験はない。リサ・ローブと云えばあの変な眼鏡であるが、彼女のケースは一体どちらなのだろうか。 (96.3.10)
→結局内容については何も書いてないな。しっかしオタクっぽい意見だこと。
PATTI ROTHBERG "Between The 1 and 9"
これは大変な新人が現われた。気の早い話しだが、グラミーは何か必ず取れるだろう。女性ヴォーカリストの場合には特にその存在感が重要になってくる、と僕は思っているのだが、まさに彼女は圧倒的なものを持っている。シェリル・クロウとアラニス・モリセットを足して2を掛けたような、そんな物凄さ、これは買いだ。 (96.4.21)
→予想は外れまくりで全く売れず。そんなこともあるよね。
THE CURE "Wild Mood Swings"
ロバート・スミスはダイエットに成功したようだ。ちょっと前までは白塗をした化け物のように肥大していたのだが、久々に姿を現した彼は随分スリムになっていた。メンバーも一新しての(しかし何度目のチェンジだ?)新作はそんな彼の見た目のスリムさは全く反映されておらず、いつも通りのキュアー・ワールドが展開されている。これでいいのだ。これが彼等を、ブランクが空こうが、メンバーが替わろうが、太ろうが痩せようが、温かく迎えられるバンドにしているのだ。 (96.5.4)
→さすがに最近見かけなくなった。でも新作待ってるっス。
ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS "All This Useless
Beauty"
若いのばかり聴いてきたが、今度は御大の登場である。前作は「昔のコステロが帰ってきた」といった感じなだけで、結局僕の耳には余り印象に残らなかった。今作はアトラクションズを率いてはいるが、今の彼にぴったりの、ミディアム・テンポのポップな曲がずらりと並んだ。アルバム前編通して楽しく聴ける。しかも深い。ミスチルを好きな人にも勧められるけど、それならやっぱり古い作品がいいかなあ。 (96.5.19)
→当時ミスチルがコステロっぽい曲をやっていたんだね。
MANIC STREET PREACHERS "Everything Must Go"
行方不明になって早一年以上のリッチー 抜きで仕上げられた最新作。正直なところそうしたゴシップ的な興味で聴いたのだが、これが大変良かった。実はデビューアルバムしか今まで聴いていなかったので、この成長ぶりに驚いてしまったのだ。叙情的なサウンドは大変良く練り上げられているし、売れそうな曲もある。これでシーンに返り咲けばリッチーも浮かばれるんじゃあないだろうか。まだ死んでなきゃいいんだけど。 (96.5.26)
→いやあ、本当に売れてよかった。今やイギリス国民的バンド。
METALLICA "Load"
裏ジャケを見ると、メンバー一同髪をばっさり切って以前のむさくるしいイメージはなくなっている。もっともそれはそれで恐いが。それに伴ってかどうか知らないが、音の方もかなり前作までと違っている。何せメタリカと言うくらいのバンドなのだから、スピード・スラッシュ・メタル界の大王的な存在だったのだが、同時にまた全米ロックの大王でもあったのだ。現に前作はいまだにチャートに居座っているお化けアルバムなのである。それにしても今作はもうメタルを完全に超越し、ニルヴァーナやパール・ジャムにも負けない素晴らしいロックに仕上げてくれた。もう「メタル」というものが絶滅しかかっている今、また今作もバカ売れするだろう。そう言えばヴァン・ヘイレンのエディも髪を切っていたが、音は全く昔のままだったっけ。まあ彼の場合はただ単に「暑いから」切ったんだろうけど。 (96.6.8)
→あとに買った"Reroad"はいまいちだった。
BECK "Odelay"
一曲目が流れてきたとき、「ラヴロケ?」と思ったが、あの大ヒット「ルーザー」から二年を経ての新作登場だ。はっきり言ってこれは傑作。前作は「おいらはろくでなしぃ、はよ殺さんか〜い」と言うメッセージ(?)もあってヒットしたわけだが、今作はそんなせりふなど関係なしに曲が素晴らしい。ジャンルで括りづらいタイプの音だが、やはりロック。現代ロックにおける一つの在り方を提示していると言える。 (96.8.7)
→今や「もっとも新作が待たれるアーティスト」の一人。突き抜けた存在だね。
ASWAD "Greatest Hits"
夏はレゲエっす、というわけで、このベスト盤はお勧めだ。ここ数年夏の定番となった感のあるこのジャンルだが、CJルイスやシャインヘッドといった連中と共に彼らも毎年ヒットを出している。やっぱりこれを聴くならビーチへ向かう車の中でしょう。これ一枚でも「夏のオムニバス」のようなお得盤。助手席には、助手席には....今年も夏は容赦なく終わりを告げようとしている。海なんて、レゲエなんて嫌いっす。
(96.8.18)
→3年前の夏もこんなでしたか…