撮影:後藤 健治氏
岡山市街中心部に近い住宅地での建替え工事です。 比較的ゆとりのある敷地で、西側に幅のある用水路と道があり、その他3方はアパートや住宅に囲まれています。
周囲の建物からの目線等の影響に対応しながら、内部空間と外部との連続性を活かす事、かつての日本家屋の部屋と庭の流動する関係性のようなものを、市街地で実現できないものかと考えました。
北側は最小限のサービススペースを残して建物配置、南に残った外部空間を2列の層状空間としています。
南隣地沿いをセミプライベートな玄関へのアプローチゾーンとし、茶室への路地空間のような心理的距離感、奥行き感のための空間としています。
建物とアプローチゾーンにはさまれる中央のゾーンは、さらにプライベートな屋外空間とするため、1層分の高さのFRP格子のスクリーンで囲い、室内との視覚的、空間的な連続性を高めています。
街は多くの人が集っての共同生活の場、街との関係を拒絶しては(完全に閉ざしてしまっては)本末転倒になってしまうかもしれません。
人の気配や夜の明かりも、人や家族のありかを示す情報です。
住む人と道行く人、近隣との情報の交流をいろいろなレベルで可能にしながら、家族のプライバシーも確保したい・・・そんなしなやかな住いであってほしいと考えています。
内部は木と土(火山灰塗)と紙やタタミの自然素材。
居間の上部ロフトと一体となった空間を中心に、いつも互いの気配を感じ合えることで家族がよりいっそう絆を深めていただけるような住いとなる事を願っています。
建築種別 | 住宅 |
建築用途 | 専用住宅 |
構造・規模 | 木造 2階建て |
その他 |
南東 アプローチ側 外観
居間・食堂 上部の小窓は子供室
居間・食堂
食堂
和室から居間・コート
1階トイレ 窓はなくてもせめて自然光を!
浴室から光庭
南東 アプローチ側 夜景