*** 自然と季節、家族、人と社会、シンプルな暮らしを楽しむ ***
シンプルにする事、それは、暮し全体の風通しを良くするということです。
・・・・・ あらゆることをシンプルにすると、たくさんの物に囲まれていたときよりもずっと 心が豊になり、幸せな時間が過ごせるようになります。 ・・・・・
シンプルに生きる/ドミニク・ローホー著 原 明子訳 より
玉柏の家/岡山市
商品となってしまった家、豪華さと引き換えに生気を失った生活空間 ・・・
もう一度 人と 人を包む空間(自然)の関係を見直してみませんか。
自然の素材に包まれて、身近な自然と共に生きるシンプルな生活。
素朴さの中に「豊かさ」を発見する暮らしを始めてみませんか!
どんなに上手にデザインされた部屋でも、窓のない部屋には住めません。
質素で小さな部屋でも、空が見え、風にそよぐ木々が見えるだけで、そこは棲める場所になります。
普段にあっても、自然の息吹きや鼓動が身近に感じられる 生活の場でありたいもの。
お互いの様子が見え隠れし、いつも家族と共にあることの連帯感や安心感、気配を感じあえることはとても大切なことですよね 。
お互い の「こころに風がかようような家」にできればと思うのですが・・・
訪れる人、道行く人への思いいやりや心づかい。
道行く人は、もれる灯りに 住む人に想いをはせる。 気持ちやこころをひきつけられる たたずまい。
さりげなく感性が交信できるような住いは、出会えるだけでもうれしいものですよね!
太陽と澄んだ空気、一陣の風に感じる幸せ、 花や緑は、生きる人への最大の恵み。
市街地にあっても工夫しだいで得られる無償の恩恵です。
素朴な自然素材に包まれたインテリア、シンプルな住いの中で 忘れかけていた大切なものを取戻しませんか!
Less is More ― Mies van der Rohe
Less is Bore ― Robert Venturi
上段は近代建築(モダニズム)の巨匠 ミース・ファン・デル・ローエの有名な言葉、ご存じの「レス・イズ・モア」
下段はポスト・モダニズムの理論的なリーダー、「建築の複合と対立」を著したアメリカの建築家 ロバート・ヴェンチューリ の 言葉です。
レス・イズ・ボア・・・要素少なくシンプル建築は退屈だ! と一文字でモダニズムの価値観を逆転させてみせた一言です。
一般的には「レス」:要素を少なくシンプルにすればより豊かな空間となると 、近代建築の考え方が浸透しているようですが、実際に要素を極限まで切り捨てたデザイン、例えば床・壁・天井を真っ白でプレーンな面に仕上た部屋を想像してみていただきたのですが、美術館の芸術品を展示するスペースならばまだしも、チョット住むには無理がありそうですよね!
ヴェンチューリはその辺りを指摘しているのだろうと独断と偏見を交えて解釈しています。
おそらくは、この二つの考え方は、同時にに正しくもあり、またそれだけで割り切れるものではないといった限界があるものと少し離れて考えれば、単純な論理に従っただけではデザインは成り立たないということを例示しているようにも思えます。
そうした論理はさておき、シンプルな「和」の空間構成のような歴史や伝統によって磨かれたデザインや感性を受けつぎながら「シンプルさの中に豊かさを感じられる空間」を目指したいと考えているところです。