これは、1998年、古澤太香子先生による正常分子栄養学の講演内容を録音したテープから入力したものです。
(この講演記録内容をリンク、引用される方は、必ず「健康が一番!」横山、までご一報ください。)
ミネラルというのは宝物という意味です。
先ほど活性酸素除去酵素の話をしましたが、活性酸素除去酵素を作るためには色々な栄養が必要です。
タンパク質が絶対必要です。
それからビタミンAとB群が必要です。
C、Eもスカベンジャーと呼ばれていて絶対必要です。
それとミネラルが必要です。
活性酸素は発生したことをキャッチしないと叩けませんが、この身体のシグナルをキャッチするにはカルシウム、マグネシウムが必要です。
よく病気を早期発見する人がいますが、そういう人は結構カルシウム、マグネシウムを摂っている人なんです。
これがあると身体がシグナルをキャッチ出来ます。
痛いのも気づかずに死んでしまう人がいますが、こういう鈍感死をする人はカルシウム、マグネシウムの不足している人です。
これは二つを一緒に摂らないとうまく働きません。 カルシウムは小魚だとか牛乳に入っていますね。
ただ牛乳を摂りすぎるとカルシウム不足になります。
マグネシウムは濃い緑の野菜に多いのです。
カルシウムは日本では600ミリなどと言われていますが、それでは全然不足しています。
どうしてかと言うとストレスがかかっただけでカルシウムを大量に消耗してしまいます。
その他に砂糖や油物を摂ったりしますとカルシウムはどんどん消耗します。
例えばこれが血液で、これが骨で、これが細胞だとします。
そうすると細胞にあるカルシウムの量を1とすると、血液の中には大体千倍〜一万倍ぐらい入っています。
そして骨の中にはこれの一万倍ぐらい入っているんです。
ところが甘い物を食べればカルシウムは消耗しますし、ポークハムとかソーセージなどの添加物に一杯入っているリンというのがありますが、それは身体の中に入って消化する時に、必ず燐酸カルシウムという形でカルシウムを連れ出して行くんです。
それだけでカルシウムは大量に不足します。
ストレスでも不足しますね。
女性の場合には生理が止まるとホルモンの関係でカルシウムが垂れ流し状態になります。
そんな関係でだんだん血液の中からカルシウムが不足してきます。
すると骨を削ってカルシウムとして使われるのです。
それが骨粗鬆症の原因になるわけですね。
よく石が貯まるといいますね。
「カルシウムを摂りすぎると石が貯まりませんか?」と言う人がいますが、逆なんです。
カルシウムが不足して骨を溶かして使ったカルシウムがそういう石の原因になるのです。
ですから一日600ミリではなくて、1200ミリぐらい必要なんです。
それから激しい運動をする人は筋肉を動かすだけでもカルシウムはどんどん消耗しますから1500ミリぐらいは必要です。
おっぱいをあげているお母さんだったら1000ミリぐらい摂る必要があります。
ただミネラルは過剰症がありますから、それ以上は摂らない方がいいですね。
先ほど生理があがるとカルシウムが垂れ流し状態になると言いましたが、その垂れ流し状態をくい止めるのがボロンというミネラルなんです。
ボロンはりんごの中に入っています。
ですから1日一個ぐらいのりんごを食べる習慣をつけるといいですね。
こうやってカルシウムを1日1000ミリ摂ったらマグネシウムは1日500ミリぐらい、つまり2対1の割合で摂るようにしてください。
濃い緑の野菜とかいちじくとかにマグネシウムは多いです。
次にカリウム、ナトリウムに行きます。
カリウムは癌がすごく嫌うミネラルなんです。
ゲルソン病院の食事を見ると、カリウムだらけです。
主食が焼いたジャガイモです。
ジャガイモにはすごくカリウムが多いんです。
(ジャガイモはポテトですが、カリウムは「ポタシウム」と言います。)
生野菜や果物にも多いです。
生野菜や果物をうんと食べるべきです。
ナトリウムは逆にガン細胞が好みます。
ですから癌の方は無塩にした方がいいのです。
ただ普通の方は塩分過剰ということを気にしない方が良いのです。
高血圧の人が塩分過剰を気にします。
そういう人は塩もちょっと、果物も殆ど食べないでいて塩分過剰なんです。
塩もうんと摂るけれども果物、生野菜をばりばり食べる人は塩分過剰にならないのです。
ポイントはバランス良く食べることが必要です。
塩の量を減らすということを考えるよりも、果物、生野菜の量を増やす方がいいですね。
塩は際限なく摂取出来ません。
砂糖は際限なく摂れますが、コーヒーに塩を入れる人はいませんから・・・・・
それから“むくむ”という人がいますが、細胞の中は真ん中がカリウム、外側がナトリウムなわけです。
カリウムが不足してくると、ここにナトリウムが入ってくるんです。
ナトリウムというのは、非常に水を抱きやすく、細部がぶわっと膨らんで、“むくむ”という現象が起こるんです。
そういう人は塩を控えるのではなくて果物、生野菜で、カリウムを多めに摂ることです。
それからリンというのは添加物で摂りすぎるぐらいです。
ミネラルというのは過剰症が問題なんです。
ですからリンがたくさん身体に入るのは問題です。
リン、硫黄はタンパク質を充分に摂っていったら問題なく摂れます。
硫黄は肌を作るミネラルです。
それから鉄です。
鉄だけは他のミネラルと違います。
摂っただけ吸収はされません。
タンパク質、ビタミンC、銅イオンが充分にあることが必要です。
これらが無いと鉄が身体に入っても吸収されません。
ところが貧血になって病院に行くと鉄剤をくれます。
あれは殆ど吸収されません。
鉄剤を出す時にお医者さんが「黒い便が出ますよ」と言います。
黒い便が出るということは、鉄剤を飲んでも、それらが胃を通って、腸を通ってそのまま出てきたということなんです。
それが黒い便なんです。
「殆ど吸収されませんよ」と言いながら鉄剤を出すのはおかしいのですが、これが現状です。
鉄はこういうタンパク質や、ビタミンCや銅イオンが無いと吸収されないんです。
銅というのは青身の魚とか魚介類に入っています。
ビタミンCは果物、生野菜に入っています。
それからタンパク質が充分に無いと鉄は吸収されないです。
次に亜鉛です。
亜鉛はすごく重要なミネラルです。
男性の前立腺癌が猛烈に増えていますが、亜鉛が不足すると必ず前立腺癌とか前立腺肥大になります。
又亜鉛が不足すると動脈硬化や、脳卒中とかそういう関係の病気にもなります。
活性酸素除去酵素は当然作れません。
その他に糖尿病にもなりやすいです。
インシュリンホルモンを作るには亜鉛が必要なんです。
又亜鉛が不足すると頭が良くなりません。
亜鉛はセックスミネラルと呼ばれています。
亜鉛は男性の精液の中に出ていきます。
一回の射精に約4ミリぐらい出るのですが、1ミリぐらいが亜鉛だそうです。
亜鉛が多い食べ物はニシンとかショーガ等です。
ショーガの摂り方も冷や奴の上にぽんと飾り付けのように置いてある程度ではだめなんです。
ショーガの中に冷や奴があるぐらいでないと亜鉛は摂れません。
その他に生牡蠣(なまがき)です。
これはフライにしてしまうとダメです。
亜鉛が無いとビタミンAが思うように働きません。
そうすると粘膜が思うように作れないんです。
花粉症は粘膜が弱い人が罹ります。
亜鉛やベーターカロチンが不足すると花粉症になるのは当たり前です。
毎年NHKで花粉情報を流していますが、馬鹿げています。
花粉がたくさん飛んでいるから花粉症が増えたような言い方をしますが、花粉は昔から飛んでいます。
スモッグなどで化学変化が起きるのかもしれませんが、花粉症は罹る人と罹らない人がいます。
この差は何かを考える必要があります。
粘膜が強ければ花粉症には絶対罹りません。
次にクロムです。
クロムもインシュリンホルモンを作るのに欠かせないミネラルの一つです。
さつまいもとか魚介類に豊富です。
マンガンは鞘(さや)の豆類に多いんです。
コバルト。
これはビタミンB12の基になるものです。
レバーに入っています。
セレニウム。
セレニウムは強力な制癌効果があります。
その他に若さを保つには絶対欠かせないミネラルです。
タマネギとかニンニクとかマッシュルームに多いんです。
ゲルソン病院でも毎回生のニンニクが山のように出ました。
それをぎゅーと絞ってスープに入れたりして食べるんです。
ニンニクを1〜2かけらぐらいは毎日食べるようにすると良いですね。
韓国ではすごくニンニクが食べられています。
ですから免疫力が高いんです。
最近は増えてきたそうですが、癌などは少ない方なんです。
臭いのを気にする人がいますが、臭いのはまわりであって、自分は大丈夫ですから(笑い)気にしなくてもいいです。
次にモリブデン。
これも鞘の豆類に多いのです。
それから塩素。
これは微妙に必要なんです。
臭素。
これらは微量ミネラルですから気にしなくても摂れます。
フッ素。
これはゼラチンなどに多いのです。
珪素。
ホウ素。
ホウ素というのはボロンと言いましてりんごに入っています。
ヨウ素。
これは痩せるミネラルでヨードとも言います。
海草の中に豊富にあります。
甲状腺ホルモンを作るには絶対に欠かせないミネラルの一つです。
ひじきとかワカメとかを毎日食べるといいですね。
しかし24時間しかもちません。
ですから毎日、毎日摂る必要があります。
リチウム。
犯罪を犯した人の毛髪検査をするとリチウムがおおいに不足しています。
これは海草に入っています。
リチウムと犯罪行動は密接な関係があります。
以上21種類がミネラルです。(この他ゲルマニウムも重要です。)
(ミネラルはもっとたくさんの種類の重要性がわかってきています。)
ビタミンの18種類とタンパク質の8種類の合計47種類が『命の鎖』と呼ばれています。
これらを毎日欠かすことなく食生活の中に取り入れていくと太い生命の鎖が出来てきます。
鎖は一番少ない数値に合わせて出来ます。
ですから何かが欠けると、細い鎖しか出来ません。
それプラス、カロリーが必要なんです。
カロリーを摂る時に気を付けることは、油を摂る時にはオメガの3,6,9のことを考えることです。
炭水化物を摂る時に気を付けることは、精製された物を極力止めることです。
精製された物とは白い小麦粉とか白砂糖等ですが、「絶対摂るな」と言っても無理ですから、極力摂らないようにすることです。
うどんよりソバにするとか、パンよりご飯にしてください。
おやつにはおせんべいは良いですが、チョコレートだとかケーキなどは止めた方が良いです。
よくお子さんに機嫌を取るかのように「はいチョコレート、はいアイスクリーム、はいキャンディー」とあげる人がいますが、自分の手で殺しにかかっていると思った方が良いです。
そういうのは止めておやつは“おいも”、ご主人のお弁当も“おいも”に替えていったらうまく行くかもしれません。
白砂糖も捨ててください。
三温糖も色だけを付けているケースが多いので気休めです。
黒砂糖とか質の良い蜂蜜等をどんどん摂るようにしてください。
調理にも砂糖類は捨てて質の良い蜂蜜を使うようにしてください。
おやつなどは無漂白の小麦粉を使ったり、フルーツを使ったりして、自分で作たら良いと思います。
時間がありますから血糖値のことを言っておきますが、糖尿病が非常に多くなっています。
蜂蜜がとても良いのはインシュリンホルモンの助け無しに消化出来る糖だからなんです。
果糖とか蜂蜜がとても良いのです。
肝臓の病気がすごく多いので言いますが、肝臓というのは水素と酸素と窒素と硫黄から出来ています。
これが肝臓を作るタンパク質の化学式なんです。
朝も食べない、昼はおそばだけで夜ビールを飲むなどという空腹が長く続く人がいますね。
普通、糖質のものを摂ると、それはブドウ糖としてグリコーゲンというところに蓄えられていて、大体3〜4時間するとエネルギーに変わっていくんです。
エネルギーに変わっていくんですが、空腹が長く続いたりすると全然カロリーになるものが入ってこないですね。
その時、肝臓のタンパク質をぶち壊して糖にして、これを使ってエネルギーに変えていくんです。
ですからすごく肝臓にダメージがあります。
肝臓がやられて、窒素と硫黄が余り、それが尿酸となります。
尿酸が貯まってくるとひどい肩こりになります。
そしてもっと貯まると痛風になります。
ですから質の良いタンパク質を摂ることと、3〜4時間に一回エネルギーを入れるようにすることです。
特にアトピーや喘息の人はこの糖新生(とうしんせい)がうまくいかないんです。
チューブ入りの蜂蜜とか花粉とかがありますが、そういう人は3時間ぐらいおきに定期的にそれらを食べて血糖を上げると良いのです。
アトピーや喘息の人は殆ど低血糖状態ですから絶対糖尿病になりません。
しかし低血糖状態は大変危険なんです。
ですから3〜4時間に一回質の良い糖を摂ることです。
なおかつ質の良いタンパク質を摂ることです。
以上はアレルギーの人と肝臓をやられている人が多いので気を付けてください。
言い忘れましたがお水を飲んでください。
一日1〜2リットルぐらい飲まないと代謝がうまくいきません。
『水々しい良い女』とは言いますが『お茶お茶しい良い女』とは言いません。
お茶でなくて水を飲んでください。
お茶だとBを消耗してしまいます。
『B足りんは脳足りん』と言うぐらいです。
最後までお話を聞いていただいてありがとうございます。
皆さんに申し上げたいのは、今日何か気づかれたことがあったら、そのことを自分だけのことにしないで欲しいのです。
ここだけにしたら、ここだけの人の健康に終わります。
世の中に貢献をするためには口を開いて誰かの健康に余計なお世話をする人が必要なんです。
誰かが肩をぽんと押してあげないと気を付けない人がたくさんいます。
誰かの命に違いを作るには皆さんが気づかれたことを『良い』と伝えて欲しいのです。
今日は最後まで聞いていただいて本当にありがとうございました。