ウィーン旅行記  98年5月12日

今日のオペラ ロッシーニ作曲「セビリアの理髪師」オペラ座

 この日のオペラは「セビリアの理髪師」ロッシーニ作曲の超メジャーどころのオペラだけに、非常に混んでいました。昨日とは違って日本人の姿もやたらと目に付きます。彼らはどうやらツアーで来ている感じでした。

 開演までの間、例のごとく二人で散歩をしていると、日本人の若いカップルが近づいてきてチケットを見せて「これは何処の席かわかりますか?」と聞いてきました。もう何度もチケットを見ているのでよく調べれば場所はわかったかもしれませんが、違う場所だったら困るので、「係の人にチケットを見せると案内してくれますよ。」と言いました。私もずっとそうしてきましたから。

 席は三階の中央右寄りのボックス最前列です。このボックスには前列3人、二列目2人、三列目3人の計7人まで入れるようになっています。当然前列は舞台も全部見えるし音響もよいですが、二列目三列目はぐんと環境が悪くなってしまいます。(もちろん値段も全然違います。)

 私たちのボックスは、隣に(たぶん)アメリカ人がいてそれ以外は日本人でちょっと驚きました。後の席はツアーのおばさん達で、開演前に一生懸命あらすじを書いた紙(たぶんツアーで配られたものだと思う)を読んでいました。でも、あの位置だと舞台が全部見えるわけでもないし、今ごろストーリーを洗っている位だとすると曲は聴いたことないだろうし、つまんなかった何も知れないなぁ。ちゃんと楽しめたならいいのですが。キャストは以下の通りです。

 Musik :Gioachino Rossini

 Graf Almaviva :Michael Schade
 Doktor Bartolo :Alfred S^ramek
 Rosina :Jennifer Larmore
 Basilio :Jaakko Ryha:nen
 Berta :Ilonka Szep
 Figaro :Carlos Alvarez
 Fiorello :Istvan Gati
 Ambrogio :Nicholaas van Huyssteen
 

 演奏は序曲から抜群でした。この曲は同じ音形で徐々にクレッシェンドがかかる(いわゆるロッシーニクレッシェンド)部分が多くあるのですが、そのクレッシェンドが背中にぞくぞくするほど絶妙でうれしくなってしまいました。

 一幕のいきなり登場する伯爵は、まだ咽喉が温まっていないのか声が不安定でしたが、そんなことはフィガロが登場したらぶっ飛びました。フィガロの最初のアリアは今回聴いた全てのオペラの中でも最高の出来でした。当然演奏後「ブラヴォ!」の連発で、拍手はなかなかなりやみません。私も手が痛くなりました。(笑)

 このオペラは一幕に美味しいアリアが集中しているのですが、伯爵だけが今一つでしたが、ロジーナもバリトロもみんあよかったです。特にバリトロのコミカルな演技も面白くて、隣のボックスのおじいさんが大受けしていました。もちろん、今まで聴いたオペラの中では断トツです。このチケットは、自力では確保出来なくてそれでもどうしても観たかったので代理店を通して何とか確保しました。(それも希望のランクの席はとれなかった。)手数料もかなりとられてショックも大きかったのですが、この演奏を聴くと苦労して取ってよかったなと思いました。

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