この日は午前中はお土産など残りの買物をして、午後からウィーンの森を散策する予定です。ウィーンに来る前からもしできればウィーンの名窯アウガルデン(ハプスブルク家のご用達だった。)の物を是非買いたいとおもっていました。しかし前日にWMFでかなり高価な食器を買ってしまったので、残念ながらあきらめるしかありません。しかし、最後にもう一度だけ売り場を除いてみることにしました。
前にアウガルデンを見たときに天使の置物が気に入っていたのですが、改めてみるとやはり美しくてよい物です。何度見てもこれはどうしても欲しいと思えてきます。日本では手に入らないものだし、もし入ったとしてもこれより遥かに高い値が付くことは間違いありません。もの凄く悩みましたが、一生物だしカップとかだと割れちゃう可能性が高いけど置物ならそれほどでもないので、思い切って買ってしまいました。我ながら凄まじい散財だとあきれました。
アウガルデンを後にしていつものようにカフェ・モーツアルトに行きました。くろちゃんは、念願のアイスチョコレーデを頼みました。アイスチョコレーデとは、棒状のチョコレートを溶かして冷やしたものの上にアイスと生クリームを載せたもので、日本だとココアフロートの様なものです。このように書くと如何にも甘そうだと思いますが、チョコレートはさして甘くなく、また生クリームも砂糖が入っていないので、甘さを感じるのはアイスクリームだけです。飲んだ感じは濃厚ですがたいして甘くなくおしゃれな飲み物です。日本でもこのような飲み物を出せば結構人気を持ちそうですが、あまり見たことないですね。くろちゃんはとても気に入ってもっと前から飲んでいればよかったとちょっと後悔していました。
ホテルに荷物置いていよいよウィーンの森に出かけることにしました。コースは地下鉄4号線の終点ハイリゲンシュタットからバスでカーレンベルクの丘まで登り、そこから山を下りつつ森を散策する予定です。バスに乗って山に登る途中、木々の切れ間からウィーンの街がキレイに見ることが出来ます。たまにちらちらと見えるのでストレスがたまりますが、丘の上から見たらどんな風景になるのか楽しみでした。
車の中でガイドブックを見ていると、隣のおばあさんが親切に色々教えてくれました。ただしドイツ語なので内容は全然わかりませんでしたが…。丘に着いてとりあえずトイレに向かいつつ看板の地図を見ていると、今度は別のおばさんがやって来て「英語わかる?」と聞いた後で、展望台はあっちで森を下るのはその横からおりていけばいいとか色々教えてくれました。トイレは展望台とは反対方向で、トイレに行こうとするとまたおばさんに色々言われるだろうから、一度展望台に向かうことにしました。うかつに地図とか見ていると、いろいろ親切に教えてくれるので、それ以降はなるべく人前では地図は見ないようにしました。
カーレンベルクの丘から見えるウィーンの街並とドナウの流れは、予想通り絶景でした。この日はとても天気が良く、ガイドブックによるとこういう日には遠くにハンガリーが見えると書いてありましたが、あいにくどれがハンガリーだかはわかりませんでした。その後おばさんに言われた通りに山をおりることにしました。新緑の中を歩くのはとても気持ちが良いです。しばらく歩くとブドウ畑が広がっていて、さらにおりていくとベートーベンが「田園」を着想したと言われる小川がありました。この川は本当に小さな川でしたが、実に爽やかでした。
小川沿いに歩いていくとベートーベンが散歩したという散歩道に出て、さらに行くとベートーベンが遺書を書いたというハイリゲンシュタット遺書の家がありました。中に入ってみると、なんと日本人ばかりで驚きました。ウィーンの森では日本人は見ることはなかったのですが。日本人はベートーベンが好きだと良く言われますが、確かにその通りだと思いました。(私個人としてはベートーベンはそれほど好きではないのですが…。)
途中何度か休憩を取りながら、今度はグリンツィングに向かうことにしました。ここには「ホイリゲ」と呼ばれるワインを飲ませるこの地方独特の居酒屋があるのです。グリンツィングに着いたのですが、まだ開店までには時間があるので、近くのスーパーに入って時間を潰すことにしました。スーパーは日本にはないものとか、キッコーマンの醤油とかあってなかなか面白いです。お菓子売り場では、小奇麗でお土産になりそうなチョコが売っていたので、これをばらまき用に買うことにしました。ウィーンのお土産屋さんで買うよりも全然安くてお買い得です。
スーパーを出るとガイドブックに乗っていたホイリゲが開いていたので、すかさずそこに入ってみることにしました。ホイリゲでは、ワインはウェイターに注文して、料理はビュッフェコーナーで別会計で頼むようになっています。この辺りは白ワインがメインなので、白ワインを頼むことにしました。250cc で 28シリングですから、日本円で大体300円位です。秋にホイリゲに来ると、その年出来たばかりのワインを飲ませてくれるそうです。(とても美味しいらしい。)
出てきた白ワインは辛口で、微発泡性の爽やかな味でした。ビュッフェで出てくるおつまみもリーズナブルなわりに美味しくて、しかもワインに良くあいました。なんといってもビュッフェのおばさん達が親切で気持ちいいです。しばらくすると、ギターとアコーディオンの演奏も始まりました。晴天の中、中庭で音楽を聴きながらワインを飲むなんて、なかなかの贅沢です。調子に乗りすぎて、ついつい飲みすぎて酔っ払ってしまいました。
少しふらふらしながら、なんとかホテルに着いたのは6:30頃でした。今から寝て夜中に起きれば時差調整もちょうどいいので、そのまま寝ることにしました。