ウィーン旅行記  98年5月7日

バスがこねえぞぉ

 この日は朝から一日、日本語のガイドもつく定期観光バスに乗ってザルツカンマーグート&ザルツブルクに行くことになっていました。ザルツブルクはともかく、ザルツカンマーグートに行くのは面倒だったので、観光バスにしたのです。

 バスは7:15にホテルでピックアップの予定でした。だから、朝早く起きて(時差ボケもあったので全然辛くはなかった)ホテルの朝食が始まる6:30にカフェに降りて朝食を取ることにしました。朝食はブッフェになっていて、いろいろな種類が選べるのですが、さすがにANAホテル。ご飯やみそ汁といった日本食も置いていました。(ですが、私たちは一度も食べませんでしたけど)この日は朝からケーキまで食べてちょっと食べ過ぎでした。(笑)

 一度部屋に戻って、急いでロビーに降りようとしたら、「自分が準備できたからと言ってせかすな。」とくろちゃんに顰蹙をかってしまいました。ロビーに降りてバスを待ちますが、7:15を過ぎてもお迎えは来ませんでした。7:30を過ぎて、そろそろ旅行会社に電話でもしようかと考え始めたころに、ようやくおじさんがやってきました。ホテルの前を見てもバスは止っていません。あれ?

 おじさんが「ついてこい」って言うので、一緒についていくと、オペラ座の前にバスが停めてありました。おじさんはここから歩いていろいろなホテルへピックアップしているようです。

 バスに入ると日本人は私たちだけでした。さっきピックアップにきたおじさんはガイドさんだったみたいです。このガイドさんは、数カ国語しゃべれるらしく、同じ内容のガイドを英語とフランス語とスペイン語でしゃべっていました。あれだけしゃべると、疲れるでしょう。残念なことに日本語はまだマスターしていないそうです。私たちは、とりあえず英語を聞いていました。

ザルツカンマーグートはキレイなところ

 ウィーンからザルツブルクまで約300kmほど離れています。往復600km ですから、アウトバーンを走ると言っても日帰りでは結構な強行軍になります。ザルツブルク以外はほとんどバスの中になるので、お尻が痛くなるのが心配でした。

 ウィーンを少し離れると、まさに「世界の車窓から」の様なのどかな風景が目の前に広がってきました。菜の花だかタンポポだか黄色い花畑があちこちにあって、とても綺麗です。ぽつんぽつんと散在する街には近代的なビルとかはほとんど無く、街並みが美しく見えました。いい情景が続くのでここだと思ってビデオを出して撮影しようとすると、なぜかガードや並木が邪魔されてしまいます。だからといって、ずっとビデオを持っているのも重いので、ちょっといらいらしちゃいました。

 そうこうしているうちに、休憩所のドライブインにつきました。ガイドさんは、「昼ご飯までかなり時間があるので、出来ればここで軽く食事をしておいてください。」と言っていましたが、私たちは朝食をたらふく食べていたので、今ここで食事する気にはなれませんでした。後でお腹が空くのも困るので、とりあえず売店でお菓子を買うことにしました。くろちゃんは、チョコが主食なので、チョコを選ぶ目は真剣でちょっと怖かった…。

 休憩所を出て程なくすると、ザルツカンマーグートについたようです。ザルツカンマーグートは、ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」に出てくる湖水地帯です。アルプスの山々が湖に写りこんで大変綺麗でした。ザルツカンマーグートと言うのは、岩塩を採掘するための御料地という意味だそうで、昔はハプスブルク家の保養地になっていたそうです。

 バスは基本的には車内観光だったのですが、オペレッタ「白馬亭にて」で有名なホテル白馬亭が美しく見えるザンクト・ウォルフガングゼー湖の対岸で休憩しました。ここからの眺めは、白馬亭が湖に映って最高でした。ほんとなら滞在して、湖で遊んだり登山列車になったりすると楽しいのだろうけど、今回はまぁしょうがないですね。

ザルツブルクでお土産を買う

 ザルツブルクに着くと、日本人のガイドさんが待っていました。ザルツブルクでは、前半ガイドさんがいろいろ街の中を説明してくれて、後半は自由時間で食事したり気に入った場所をもう一度見たり、お土産を買ったりするようになっています。ザルツブルクはこじんまりとした街で徒歩でもかなり見て歩けます。

 まず、ミラベル宮殿の庭園に行きました。この庭は本当に丁寧に整備されていて、大変美しかったです。ガイドさんによると「サウンド・オブ・ミュージック」でドレミの歌を歌っていたのが、この庭だそうです。この庭の奥から、山の上にあるザルツブルク城を望む風景は素晴らしかった。(天気がとてもよかったのもラッキーでしたけど。)

 ミラベル宮殿から川を渡ると旧市街です。昔この川を使って塩を運んでいたので、この土地がザルツブルクというそうです。旧市街は、新しい建築物はなく、ほぼ300年前の風景のまま残されているとのことです。

 橋を渡ってすぐに、モーツアルトの生家がありました。私たちは音楽に興味があるので、自由時間にモーツアルトの生家とモーツアルトの住んだ家を見学することにしました。両方の共通券だと安上がりなのです。生家の脇を抜けるとザルツブルク大学があり、更に奥に進むとオペラで有名な祝祭劇場がありました。

 祝祭劇場はもっと豪華なつくりかと思っていたのですが、割とシンプルで驚きました。ガイドさんの話では、昔は馬小屋だったらしいです。なるほどぱっとしない訳です。ただ、洞穴をホールとして使っているので、とても音響がよいと言うことです。その後、古いお墓のあるザンクト・ペーター教会を抜けて大聖堂に着きました。大聖堂の天井画は大変素晴らしく、しばし見入っていて首と肩が痛くなりました。

 大聖堂をでてレジデンツのところで、ガイドさんと別れて自由行動になります。早速ガイドさんから聞いたプチポワン(刺繍)のお店に行ってみました。見た感じ物はよさそうだし、安くしてくれたことなので、ブローチなどの女性用のお土産を買い込みました。(かなり買いました。)後でわかったことなのですが、ウィーン等のお土産屋さんよりずいぶん安くてかなりお徳だったです。他人のお土産もかなり買ったのですが、自分たち用のくろちゃんのバックとウィーンのオペラ座の刺繍の絵の方が、お土産たくさんよりも高かったです。(笑)二日目でこんなに買物して、後が大丈夫なのでしょうか…。

 買物も済ませてすっきりしたところで、市がたっている広場に行って屋台のソーセージを食べました。さすがに本場、絶品でした。そのあと、本物のモーツアルトチョコ(偽物が多いのです。)ってのを食べて帰りました。まぁ本物でも偽物でも味はたいして変りませんでした。このあとモーツアルトの生家と家を見学して、バスの集合場所に向かいました。

 バスは、行きと同じように一度休憩所に寄りました。ここで、くろちゃんが水が飲みたいというので、売店に行ってみたら案の定ガス入りしかありませんでした。くろちゃんはガス入りを飲んだことが無いというので、試しに一本買ってみましたが、やはりしょっぱくてまずかったです。

夜のウィーンを歩く

 バスは9時前にウィーンに着きました。ホテルの前まで送ってくれたので、一度ホテルに戻って荷物を置いて食事しに街にでました。この日の夕食は、ガイドブックで見つけたホテルから近い鶏料理の店です。

 この店は大当たり。時間をかけて調理するらしく、オーダーしてから出てくるまでかなり間があきましたが、それだけ時間をかけることはありました。鶏半身をグリルした料理だったのですが、アブラっぽくなくさっぱりしていて飽きが来ない味です。あまりにおいしかったので、くろちゃんが鶏半身分を一人で食べてしまいました。彼女は普段そんなに食べないので(チョコとかはたくさん食べるけど)、結構驚きです。

 お腹一杯になったところで、夜のウィーンの街を歩いてみました。普通外国だったら、夜の街は危険が一杯で緊張するものですが、ウィーンは治安がとてもよくて(東京の新宿とかのほうがよほど危ない)、話しかけてくる人とかもいないし安全です。

 いろいろな店のウィンドウを覗きながら散歩を楽しみました。くろちゃんが出発前から気にしていたアウガルデンというハプスブルク家ご用達だった陶器屋さんのウィンドウを見てみると、おしゃれなティーセットとかが飾られていました。おぅっと思って値段を見ると…、ええ値段も立派でした。

 アウガルデンは、シュテファン大聖堂の前にあるのですが、夜見るシュテファン大聖堂はとっても不気味。とにかく黒くてでっかい建物が薄暗いなか中途半端にライトアップされていて、異様な威圧感がありました。

 小一時間も散歩したでしょうか。この日は早朝からのハードスケジュールだったので、結構疲れていたようです。部屋に帰ってお風呂に入った後の記憶は無くなっていました。しかし、くろちゃんは私が爆睡している間、お風呂で下着を洗っていたらしいです。う〜ん申し訳ない。

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