ウィーン旅行記  98年5月8日

オーストリアの旗は疲れる

 朝、市立公園を散歩しました。この公園には、ヨハン・シュトラウス(子)やシューベルトの像があります。ヨハン・シュトラウスの像は入ってすぐの開けたところにありました。金のメッキが施されていて、それが朝日に反射してまぶしいです。。すぐ近くには花時計なんかもあって、このまわりはやたらと華やかな雰囲気でした。公園には池があって、鴨の親子が隊列を組んで泳いでいてほほ笑ましかったです。この公園は、天気の良い朝散歩するには最高の場所です。

 市立公園を抜けて、リング内の旧市街を散歩することにしました。ウィーンでは、何らかの歴史的な事が起きた場所には、オーストリアの旗とプレートが置かれています。ですから、観光するには旗を目印に見て回るとよいのです。最初は旗を見つけるたびにチェックを入れていたのですが、角を曲がるとまた一つという具合に、旧市街の中は旗だらけとまでは言いませんが、やたらとあちこちにたっているので途中からは旗だけで見に行くことは止めました。

 プレートには説明が書いてあるのですが、ドイツ語で書かれているので、一体何があったのかよくわからないのが残念です。せめて英語で書いてあるとよいのですが…。でも、大抵「何年から何年まで、ここにだれだれが住んでいた。」とかそういう類いのものが多いようでした。

 さて、リンクに入ってまずくろちゃんが見たがっていたアンカー時計を目指しましたが、途中の道が入り組んでいてちょっと迷ってしまいました。迷いつつもなんとかたどり着いてみると、小学生くらいの遠足?の団体がいて先生がいろいろ説明していました。この団体は、この後観光ポイントに着くたびに何度も何度も会うので面白かったです。アンカー時計は、アールヌーボー様式のものでかわいい時計でした。(写真がないとうまく説明できない。)

 その後、ペーター教会に行きました。この教会は見た目はこじんまりとしているのですが、中は思いの外広くそして格調高く印象の強い教会でした。ペーター教会のすぐ近くには、シュテファン大聖堂があるのですが、こちらは見た目からしてドでかいです。シュテファン大聖堂の内部に入ってみると、ここがまた広い…。

 この大聖堂には塔が北塔と南塔の二つあって、南塔は歩いてでないと登れませんが、北塔はエレベータで登れることになっています。それで、北塔に登ろうと思ったのですが、エレベータ口がわかりません。最初外から入るのかと思ってぐるりと外周を歩いてみましたが、どうやらそこには無いようです。外を歩いていると、馬車のおっちゃん達に声かけられてうっとおしいし…。

 もう一度内部に入ってみてやっと入り口を見つけました。登ってみると出口は金網の階段になっていて下が丸見えなので、くろちゃんが怖がっていました。ただ、天気も良かったせいか、ここからの眺めは大変良かったです。

カフェ・モーツアルトはいいとこ一度はおいで、ケーキはうまいしにーちゃんはやさしい

 結局シュテファン大聖堂を出たのは10時40分頃でした。この日は朝からずっと歩いていたので、くろちゃんも疲れている様子です。そこで、前々から目をつけていた「カフェ・モーツアルト」に行くことにしました。

 「カフェ・モーツアルト」はモーツアルト像に近いことから名付けられたそうで、映画「第三の男」にも出てきた有名なカフェだそうです。入るとヒゲのおにいさんが席は何処でも良いというので、天気も良い事だし外の席に座りました。

 コーヒーは今回は最初ということで、ウィナーコーヒーです。ドイツ語ではアインシュペナーというようです。ケーキはこの店の名前を取ったモーツアルトトルテを頼みました。なぜこのケーキにしたかというと、この日は初めてのカフェだったので緊張していたので、他のケーキは見る余裕がなかったというのがほんとのところです。

 ウィナーコーヒーは、生クリームたっぷりでとても濃く、下のコーヒーは熱くてその対比が面白いです。とにかく生クリームが濃くて甘くないのが良いです。明らかに日本で飲むのとは違うコーヒーでした。ウィーンのケーキは甘いと聞いていたのですが、モーツアルトトルテはそれほど甘くなく、甘さに関して言えば日本で食べるものとたいして変りません。でもこのトルテはたぶん芋?が入っていて、それがアクセントになっていてとてもおいしかったです。とにかくこのカフェは店員さんがとても感じが良くて気に入ったので、この後毎日のように通いました。

 カフェを出た後、そろそろ現金が尽きかけていたので、街角に置いてある自動両替機で両替をしました。すると、100シリング札(約1,000円)と小銭がじゃらじゃらと出てきて、私の財布はぱんぱんになってしまいました。でも金額にすると大した額じゃ無いんですけど。(笑)お昼からは、72時間フリーで電車に乗れて、いろいろな場所で割引の効くウィーンカードを買って電車に乗って移動することにしました。行った場所は、応用博物館→フィガロハウス→セセッションです。

 応用博物館は、椅子や食器が多く展示されていて、くろちゃんの観たがっていた博物館です。入ってみると最初にクロークがあって、荷物を預けることになっています。荷物を預けた後、早速カードで割り引いてもらって、中を見学しました。中はとても広く、日本のものを含む外国の展示品もたくさん置いてありました。見学を終えて、クロークに行くと誰もいなくてちょっと困っちゃいました。

 フィガロハウスは、モーツアルトが一時住んでいた家でこの家で「フィガロの結婚」を作曲したという場所です。楽譜とか肖像画のほか音楽も聴けるようになっていました。ここに住んでいたころのモーツアルトは絶頂期だったらしく、なるほどかなり広い場所に住んでいたことがわかります。フィガロハウスまできて、疲れたのでカフェに入って休みました。冷たいデザートを食べたのですが、ここの店員のお姉さんはちょっと怖かったです。(笑)

 くろちゃんは大分疲れていたのですが、ホテルの近くにあるセセッションという近代美術館を見学しました。このセセッションは、ガイドブックで見ると白い建物に金のキャベツが乗っかっている変な建物なのですが、私たちが行ったときにはなんと赤に塗り替えられていて、更にへんちくりんになっていました。中は近代美術ばかりで、訳のわからないものがおおかったのですが、地下にクリムトの「ベートーベンフリーズ」という有名な壁画があってこれが見たかったのです。この壁画はベートーベンの第9をテーマにした絵でさすがに迫力があって良かったです。セセッションを出たのはまだ3時過ぎだったのですが、夜はオペラを見る予定なので、ホテルに帰って休みを取ることにしました。

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