ホテルでしばし休憩した後、着替えてフォルクスオーパーに向かいました。この日はタキシードで行きましたが、フォルクスオーパーで確保した席はそれほど良い席でもなかったし、見た感じではスーツでも充分でした。
フォルクスオーパーに着くと、おじいさんの係員にチケットを見せました。すると、日本語で「まず、クロークで荷物を預けなさい」というので、くろちゃんのコートを預けて、おじいさんの前に戻ってくると、丁寧に席まで案内してくれました。プログラムは28シリングで、30シリングを渡し2シリングをチップにするととても喜んでくれて、こっちも気持ちが良かったです。
今日の演目は「魔笛」(ストーリーはここにあります。)ということで、客層としては子供が多かったです。また日本人もかなりいて驚きました。特に一番前の良い席は日本人のおじさんおばさんだらけでした。オペラ座はともかくフォルクスオーパーにまで、こんなに日本人がいるとは驚きです。それにしても、あの日本人の人達は一体いくらでチケットを買ったのかが気になりました。今日の最高の席は650シリング(約6500円)なのですが、たぶん一万円以上は取られているのでは?
ところで、フォルクスオーパーは思ったよりも狭くこじんまりとしたホールでした。私たちの席は平土間でしたが、ちょうどリンク(二階席)の下にかかっていて、反響があまりよくなく、オーケストラの音が直接聞こえてきて音響的にはもう一つでした。ただステージはよく見えました。
いよいよ、序曲が終わって第一幕が上がります。パンフレットにあった今日の配役はこんな感じです。
作曲 :Wolfgang Amadeus Mozart
音楽監督 :Bertrand de Billy
演出 :Je'ro^me Savary
舞台 :Michel Lebois
衣装 :Michel Dussarrant
振り付け :Kim Duddy
合唱指導 :William Spauldingザラストロ : Maxim Michailow a. G.
夜の女王 :Brigitta Karwautz
パミーナ :Simina lvan
夜の女王の侍女:Althea-Maria Papoulias
Heidi Brunner
Jutta Geister
タミーノ :Jo:rg Du:rmu:ller
第一の弁者 :Janusz Monarcha
第二の弁者 :Roland Winkler
三人の童子 :Amadeus Knabenchor Wien
パパゲーノ :Josef Luftensteiner
パパゲーナ :Ute Gfrerer
モノスタトス :Ernst-Dieter Suttheimer
武装した男 :Alois Aichhorn
Bjarni Thor Kristinsson
ムーア人 :Die Herren des Corps de ballet開始早々、大蛇が出るのですが、このへびさんがちゃっちくて学芸会のようでした。(あいかわらずへびさんはすぐ死んじゃうし。←ストーリー上あたりまえ。)夜の女王の三人の侍女達は、最初から声も良く出ていて重唱も美しかったです。そうこうしているうちにパパゲーノが登場。やはりどこでもパパゲーノは大人気で、登場のアリアが終わると大拍手でした。
この他の出演者では、ザラストロは、高音部はとても伸びがあるのだけど低音が今ひとつでした。この役は最低音が太く響かないと決まらないです。タミーノは可もなく不可もなくあまり印象がありません。パミーナはとても良い出来でした。童子たちは…、いやできれば痩せた子を使いましょう…。イメージがあるから。(笑)
しかし、なんと言っても気になるのは夜の女王です。私は魔笛では夜の女王の二幕のアリア(確かホンダのCMに使われている)が一番のお気に入りなのです。一幕のアリアの出来が悪くて、二幕のアリアはどきどきして聴きましたが、調子が出てきたのか、このアリアはちゃんと声があたっていてよかったです。大体夜の女王って役は、二回のアリアがどちらも大変難しいのに、登場していきなり歌わなきゃいけないのでかなりしんどい役回りです。
演出は子供を意識して作ったと思われますが、安定していて誰でも楽しめるものだったと思います。舞台で一番盛り上がったのは、やはりパパゲーノとパパゲーナの重唱のところです。特に子供のパパゲーノやパパゲーナはかわいかったです。カーテンコールでもパパゲーノが一番拍手を貰っていました。当然ですね。とても良かったですから。
そういうわけで、初めてのウィーンでのオペラも終わりました。とても楽しく、なにかあっという間でした。終了したのは10:05で、その後食事をしたので部屋に戻ったのは、11:30頃でした。