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数年前からその姿はショーモデルとして目にしてきたADIVAのスリホイール、AD-treの最終試作機に試乗。

3月のモーターサイクルショーにも出品予定のアディバの新型AD-treのプロトタイプがようやく日本上陸、国内走行テストに使われている一台に乗る機会をいただきました。


ADIVA AD-tre

水冷4サイクル200cc
価格未定



最大の特徴であるフロントまわり。ピアジオMP3のように独立懸架ではなくダブルウイッシュボーンタイプを採用。どちらもバイクというよりは4輪の発想ですね。
数年前のショーモデルではアルミ削りだしのパーツだった中心部も金型成型部品に変更され、量産間近をうかがい知るところ。




大きくサイドへ回り込んだフロントシールドとビルトインウインカー仕様のミラーが近代的。メーターは現行AD200と同じようです。



ラゲッジスペースはフロントのグローブボックスとAD200から継承の大きなリアトランク。シート下は書類とウエス程度。営業氏が実地テストで乗り回しているのでちょっと汚れているのがご愛嬌。




実際に乗ってみました
量産には追加されるかもしれないスイングロック機構はこのモデルには付いていない。サイドスタンドで止めておけるくらい安定していることににまず驚き。MP3では問題にした人も多かったシート高も普通の国産車と変わらない足べたべた状態。なんと平らなところではシートにまたがったまま足を離しても倒れないのです。ただし、その安定性ゆえに低速走行時のハンドリングは独特。スピードが乗らない徐行レベルではバイクよりもトライクのように「ハンドルで曲がる」作業を強いられる。先の信号が赤になってスピードが落ち、ノロノロになった時は、ステアリングダンパーが強く働いている2輪に乗ってるような感じ。しかしそれ以上で走るときはまったくの「バイク」感覚なので、少し慣れれば何の問題も無いでしょう。エンジンはキムコダウンタウン200用のエンジンをアレンジ。さすがにMP3の250ccエンジンよりパワー感は無いものの、必要にして十分なレベル。MP3に大型スクリーンを付けてもまったくハンドリングに影響を受けなかった時のように、フロント2輪構成から受ける恩恵はコイツも同じで、サイドまで大きく回りこんで、真冬に半キャップで乗っても全く寒くない大きなスクリーンと、屋根などの重量にも振られることなく、安定感は抜群。

 
価格はピアジオよりも10〜20万円ほど安くなりそうだそうです。登録も軽二輪側車付きとなるので、維持費も安上がり。ただし、皆さんもうひとつ注目点、「どの免許で乗れるの?」という部分ですが、そこだけは相変わらずのグレイゾーンと言わざるを得ない。はっきりしないのです。現行の警視庁見解からすればMP3よりタイヤ幅を取っているので普通免許ということになりますが、乗り味はやっぱりトライクとは違うので、その時は乗れたとしてもMP3の時と同じようにいずれは法改正となりかねない。それ以前に交番の前を通るたびに止められるかも知れません。現行の「対MP3道交法」はあくまでも1車種狙い打ちなのですが、また同じことの繰り返しになってもおかしくない状況ですね。

個人的見解ですが、乗り味はバイクでも安全性の点から言えば2輪の比では無いので、普通免許の人に乗らせても良いのではないでしょうか。特に今度のモデルは大型スクリーンと屋根まで付いているので仕事や通勤にはもってこいのバイク。都市型移動手段としては政府の好きな「エコ」という理念にも合致していると思うのです。ただし、ヘルメットは被ってほしいですね、バイクですから。とりあえず2輪免許を持っている人であれば問題なく乗れるので、スーツで乗れる全天候型バイクとしてはお勧めの一台になりそうです。秋くらいには仕上がってくるかな?




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