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冷え性の自己診断


馬場

冷え性とは簡単な言葉ですが、病気には必ず「冷え」が背景にあります。腱鞘炎、花粉症、むくみ、便秘、倦怠感(だるさ)、めまい、頭痛、生理痛、ニキビ、アトピー、不妊症、子宮筋腫、癌(腫瘍性のもの)など、冷え性が背景にある病態は挙げれば切りがないものです。

さて、冷え性を自覚しているうちはいいのですが、冷えの状態が進行してくると、冷えそのものを感じなくなる方も多くいらっしゃいます。

冷え性を単に自覚的に「体が冷える」という感覚だけで捉えていると大変なことに進行していきます。冷え性とは、単に冷えるという自覚症状だけでなく、身体の各所に別の「形ある冷え性としての警告サイン」がありますので、下記の冷え性自己診断項目を参考にして、当てはまるものが多ければ要注意です。

冷え性は子供の頃からのことで、親の遺伝であるとか、体質だからということで、あきらめている方も多いようですが、時間をかけて下記の対策と治療を続ければ徐々に改善の変化が見られるものです。

● 足が冷える:冷えた自覚がある。足の指の色が白黄色い。或いは紫色である。踵(かかと)が角質化して割れている。冬で寒いにもかかわらず、足がほてり布団から出したくなる。冬になると、しもやけができる。更に冷えが高じると、就寝後に体が熱くほてっててきて布団で寝ていられずフローリングなどの冷たい所に背中を当てたくなります。

● 手が冷える:冷えた自覚がある。手の甲に赤切れが出ている。指にささくれがある。指の皮膚が荒れて割れている。爪が割れやすい。爪の生える根っこの皮膚の色が黒ずんでいる。手が冷えているということは既に足も冷えています。

● お小水の回数が多い:夜中にトイレに1回行く。二回以上行く。回数の多いほど身体が冷えているとみます。一晩に5回以上は問題です。

● 関節が痛む:身体の色々な部に関節がありますが、どういう状態の時に痛いかで冷えの度合いが分ります。夜中に痛くなる>日中じっとしていても痛い>動かすと痛い。筋肉が痛いよりもより冷えが深く入っているとみます。

● 心臓に異常を感じる:拍動または脈拍が不均等である自覚、いわゆる不整脈>動悸を感じる>生あくびが出る

● 生理:生理痛が強い。閉経、妊娠を除いて、生理が来ない。

● :頭や顔ばかり汗が出る。外気が暑くても汗をかきにくい。手や足の平が汗で常にぬれている。

● ガス:年齢を加えると胃腸の機能は悪くなるのは自然なことですが、げっぷが出る、おならが多いなどという単純に思われることの中に重要な意味が隠されています。このような空気の排泄はそれぞれ胃や腸など内部の冷えを意味します。このような症状は胃酸過多や便秘・下痢などの症状に発展します。胃や腸がさっぱりしないからといって、冷たいものを過度に摂取していると、初めは気持ちが良くなりますがそのうち冷えが高じ胃腸の機能が悪くなり手足が冷えてきます。げっぷやおならは単なる空気ではなく内臓の入口が冷えてきたということを意味するので早いうちに食い止めなければならないということになります。



冷え性への対策

paul

下記の養生は、血行が良くなり、身体が温まることに通じます。ご自宅でできる最低の養生ですので、出来るところから実践してみて下さい。逆に、下記の養生がなされていないということは、冷えにつながるということを意味します。

運動:使いすぎに伴う乳酸や二酸化炭素などの筋肉内に滞った老廃物は、疲労やコリの原因になります。本来の「運動」の意味するところは、これら老廃物を運動により汗として排泄することであるとします。ただ、日常行っている運動とは違った筋肉を動かすことを目的にします。

入浴:シャワーだけでは保温にならず、むしろ気化熱により冷えにつながりますので、必ず湯船に入ることです。足湯や腰湯は上半身から汗を出すことを目的としますが、汗の出る出ないに拘わらず一日20分以内とし心臓への負担を考えましょう。
このような半身浴によっても汗が出にくいことは、汗腺の開閉が行われていないため熱の発散に異常がでます。その結果、入浴に疲れを感じたり、夏の熱中症などにかかりやすくなります。

睡眠:睡眠の意味は、内臓を休ませることにあります。夜中の1時から4時ごろが体温が一番低下しているため、この時間に起きていることは身体に負荷をかけ、冷えにつながります。

食事:偏った食事は偏った体を作り、便秘などを引き起こします。一日に一回の排便がなされるように食物繊維を多く摂る工夫をしましょう。便秘の方のほとんどは、手足が既に冷えています。手足末端に血液が行き渡っていないことを意味します。基本的に体温に近い食物を摂ることが体の負担を減らすことになります。口が渇き、冷たい飲物や生ものを欲する方の多くは、「のぼせ」状態であり、その背景に冷え性を伴っているため注意が必要です。

ストレス解消:デスクワークなどの精神過労の多い方は、運動不足になります。運動を多くとり入れることでバランスを整えることが出来ます。また、好きな趣味を持つこともストレス解消につながります。 

暖めること・温めること:急な怪我や炎症性の病気については、その患部を温めることは炎症を助長させるため危険です。皮膚上から見て、腫れや赤み等が無いものであれば、患部を温めることは必須です。使い捨てカイロなどを上手に使って症状好転を期待できます。


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