卒中とは[卒然として邪風に中る]:(そつぜんとしてじゃふうにあたる)
つまり、「突然、悪い風にあたって倒れる」という意味です。
・脳卒中による死亡者は年間14万人にのぼり、ガン、心臓病についで第3位をしめています。
・入院患者数、約17万人、外来患者数、約13万人で年々増加しているのが現状です。
・寝たきりのお年寄りの約4割が脳卒中患者というから驚きです。
心臓の血管に異常が生じればそれは、心筋梗塞などと呼ばれることになります。
つまり、脳卒中や心筋梗塞の予防には、危険因子を取り除くことはもちろんですが、
さらに、血管の保護・修復・機能維持を心がけることが重要になってきます。
血管の異常とは、血管内に異物(血栓)などが詰まってしまう場合。
また、血管が破けてしまう場合があります。
こうなると末端まで血液が供給されなくなり脳神経細胞への酸素とブドウ糖などの補給が滞ることになります。
流れ出した血液により、脳神経組織が圧迫されても障害が発生します。
また、一度詰まった血管が再び流れ出すときには、こんどは虚血・再潅流傷害(Reperfusion Injury)というやっかいな現象が発生し、これにより取り返しのつかない脳障害が発生することがあります。
脳卒中とは、脳血管障害ともよばれますが、以下のものがあります。
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脳の細い毛細血管が破れて出血し、脳内血腫と呼ばれる固まりができる。
高血圧が続いていると、脳の細い血管壁がだんだん脆くなり、血管壊死という状態になります。
最終的には簡単に破裂して脳内に出血をおこします。
「クモ膜」とは、頭蓋骨のすぐ内側には硬膜があり、その硬膜の内側に張り付いている膜のことです。脳の動脈にこぶ(動脈瘤)ができ、それが破裂すると大出血となりこの血液がクモ膜と硬膜の間(くも膜下腔)に流れ出て、脳を圧迫することによってさまざまな障害を引き起こすことになります。
比較的小さな血栓の場合、脳の血管に詰まってもすぐに溶かされるため、一時的にしびれ、脱力感、言葉が出ないなどの症状が現れますが、すぐに消えてしまったり、15分程度のものが大部分です。ときには数時間に及ぶこともあります。
深刻な脳卒中の危険が迫っている、というひとつのサインでもあるわけです。
比較的、脳の深部で起きるもので、梗塞巣の範囲も狭く発見しづらい。
脳血管の細い動脈がつまりその先の脳細胞が壊死してしまいます。
日本人にもっとも多く発生しているタイプです。
アテローム性動脈硬化が原因で、血管の内壁が狭くなり、そこに血栓ができて詰まってしまいます。
頸動脈などでできて血栓が脳の血管へ流れてきて詰まることもあります。
心房細動やリウマチ性心臓病(弁膜症)、心筋梗塞などがあると心臓内で血液が滞留しやすいため
血栓ができやすくなります。
これが原因でできた血栓がはがれて、脳の血管を詰まらせてしまいます。
どの場合も脳細胞への血管が塞がってしまうためにおこる症状で、事態も深刻です。
これらの脳卒中は、突然におこることが多いのですが、「そういえば....。」というような「前ぶれ」のような症状を経験される場合も多いようです。一過性脳虚血発作はこの前ぶれ症状です。
手足・顔面に運動麻痺が表れたり、言葉のもつれ、物がダブって見えるなどの異変に気が付いたときは、即刻専門医を訪れることが大切です。
一過性だからと放っておくと約1/3は脳梗塞に移行してしまうようです。
以下、チェック項目と危険因子についてです。
1・常に血圧が高い 2・定期健康診断で血糖値が高いといわれた 3・肥満である 4・一瞬、手足がしびれたり舌がもつれたことがある 5・過労であり、ストレスがたまっている 6・たばこを吸っている 7・毎晩、日本酒に換算して1合以上のお酒を飲む 8・味の濃い料理が好き 9・甘いもの、脂っこい料理が好き 10・ほとんど運動しない |
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60才以上である | |
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男性である | |
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家族に脳卒中の経験者がいる | |
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高血圧と診断された | |
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糖尿病と診断された | |
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高脂血症であると診断された | |
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たばこをすう | |
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お酒が好きでよく飲む | |
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何かとストレスを感じる | |
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不整脈がある |
1・高血圧
2・糖尿病
3・高脂血症(コレステロール)
こういった症状のある方は、特に「夏」と「冬」の朝方に、脳卒中の発症が多くみられるようです。
夏は、とくに水分の補給を心がけることが大切です。
血管が収縮しやすい冬は、温度変化対して気を付ける必要があります。
1・減塩 2・糖尿病予防 3・禁煙 4・節酒 5・コレステロール対策 6・良質タンパク質の摂取 7・標準体重維持 8・運動 9・精神安定 |
...危険因子を取り除くという意味ではこれで良いのかもしれませんが、肝心の活性酸素対策が盛り込まれていないのは残念でなりません。
また、具体的な栄養素の指摘が皆無なのも残念です。
コレステロールが悪さをするのも活性酸素の仕業です。
コレステロールは本来人体に無くてはならない大切な栄養素なのです。
血管にキズなどの障害が無ければ、多少コレステロール値が高くとも問題は発生しないのです。
それどころか、ある程度コレステロール値が高い方が「ガン」の発生率が低下することが判明しています。
糖尿病はミネラル不足の典型的なものであると思います。
以下、最新の栄養学的に見た場合は....、
1・減塩
減塩も大切ですが、塩分過多による高血圧は全体から見れば少ないようです。
この場合、塩分過多を気にするなら、カリウムの摂取も心がけることが必要です。
カリウムは余計な塩分の排泄を促します。
干し柿、トマト、アボガド、サツマイモ、インゲン豆、大豆、山芋、ひじき、カツオなどに多く含まれます。
2・糖尿病予防
では、いったいどうやって糖尿病を予防するのでしょうか?
「糖尿病」についてはこちらをご覧ください。
3・禁煙
禁煙は確かに悪い働きが目立ちますが、今のたばこは紙巻きたばこがほとんどです。
この紙が燃える時には当然ですが、漂白されていますのでダイオキシンなどが発生すると思います。
ゴミ焼却所の煙を吸い込んでいるようなものです。
たばこの葉そのものより「紙」の燃焼により発生した煙を吸い込むことによって体内に発生する「活性酸素」が最も悪影響があるようです。
喫煙者のガン発生率の増加が肺に限定されているのではなく、その他の臓器のガン発生率も上昇しているという理由は、やはり「活性酸素」が関係している証拠でもあると言えます。
たばこの害についてはこちらもご覧ください。
4・節酒
飲み過ぎは肝臓に負担がかかりすぎます。
アルコールはアセトアルデヒドになって肝臓で分解されます。
肝臓には、うこんが最適です。
うこん(ターメリック)はカレー粉にも大量に含まれるますが、これに含まれるクルクミンは肝臓で発生する活性酸素の除去に効果的に働くようです。
黒ゴマもまた肝臓には良い食材です。
ビタミンAたっぷりのレバー(レバサシ)もお勧めです。
5・コレステロール対策
これには、良質なタマゴを食べることが大切です。
タマゴはコレステロールのかたまり、といわれ敬遠されてきましたが、これは栄養学上の誤った認識の一つです。
たまごは、プロテインスコア100というすぐれもので、悪玉コレステロールの減少、善玉コレステロールの増加に働きます。
たまごに多く含まれるコリンはアセチルコリン(血管拡張による高血圧予防)やレシチン(血管壁へのコレステロール沈着を防いだり肝臓への脂肪沈着を防ぐ)の材料です。
記憶力も良くなります。
一日1個のゆで卵は健康の見方であるとおもいます。
また、大豆製品やゴマなども大変良い食材です。イカやタコといった食材も効果的です。
食物繊維ももっと積極的に摂取したいものです。
6・良質タンパク質の摂取
血管を丈夫にするためのタンパク質の補給で魚を勧めていますが、タンパク質だけでは血管は丈夫になりません。
タンパク質の他に、ビタミンCや亜鉛などのビタミン、ミネラルがなければコラーゲンの合成はできません。
タンパク質だけを見るのであれば、やはり、たまごが一番です。
多くの魚はEPAなどの脂肪酸の摂取にも貢献しますし、皮の部分も食べると、コラーゲンの補給にもなますし、
内臓まで食べるとミネラルの補給にも良いです。
血管の保護であれば、これはもう「活性酸素対策」に尽きると思います。
リノール酸の過剰摂取もかなり深刻な問題です。
7・標準体重維持
どうやって標準体重を維持するかが問題なのです。
ビタミンやミネラルの摂取不足、でんぷんや炭水化物、脂質の摂取過多、運動不足、いろいろ考えられます。
肥満には、大豆製品も良いようです。食物繊維を摂取することも重要です。
8・運動
水平股上げ運動やダンベル体操など、手軽で効果があるものを、継続することが大切です。
9・精神安定
過度のストレスは、人体に対して計り知れない悪さをします。
血圧の上昇により、弱った血管には危険な状況を与えます。
また、ストレスにより発生するコルチゾールなどのストレスホルモンの影響、活性酸素の影響など、過度のストレスによる影響はことのほか深刻です。(ストレスとガン、ガンのページ参照。)
清涼飲料水の飲み過ぎによる糖分過多。
これによる肥満、またビタミンB群不足による糖分代謝異常からくるカルシウム不足、これにより引き起こされる脳神経細胞の異常(エンセファロバチア症候群)、絶対的なマグネシウムの摂取不足による細胞のイオンポンプ作用不足。不整脈の予防にもマグネシウムは重要です。
その他いろいろと考えられますが、ビタミンB群不足とマグネシウム不足、カルシウム不足は深刻な影響を及ぼします。
「キレる」という言葉ありますが、こちらをご覧ください。
食事(栄養素)との親密な関係があったのです。
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