3台目の4駆ワゴン

 JAGUAR X-type ESTATE 2.5 AWD : @2006

 SN 014 >>> Driven 2020 - NOW


稀有なブリティッシュ・ワゴン、、そして、、4WDの全天候クルーザー!

、、、&、、、

カリフォルニアカリブに続く3台目の4駆ワゴン

雨や雪でも安全に山荘に通うためのツアラーとして我が家にやってきた!

、、銘銘は、”山猫・じゃ〜子”、かな?!


  ・ ・ ・ X ノ コ ト

     >>> # 全天候クルーザー!

     >>> # トルク・スプリットAWD

     >>> # 全天候性能・強化

     >>> # ぶりてぃっしゅ!

     >>> # 21世紀のクルマ!

     >>> # トヨタ・ナビ!

     >>> # 意外に壊れない?

     >>> # ついにアレが来た!

     >>> # マツダのエンジン?

     >>> # 3台目の4駆・ワゴン




 # 全天候クルーザー! 

 富士山麓に山荘を購入し、週末はそこに通うようになって3年、、、
 ずっとローバーで頑張ってきたけれど、、25歳の旧車には新東名の巡行が辛くなってきた、、

 新東名は山間部を通るルートが多く、強風やゲリラ雨に遭遇することが頻繁にある
 更に山荘近くでは冬季の降雪もあるため
FFのローバーでは少々苦労した

   

 クーペには大荷物が乗らないこともあって、、4駆で高速性のいいワゴンを買うことを決意!

 真っ先に考えたのが定番・レガシーなんだけど、なんとなく”らしくない”ように思えて却下!
 ローバー75・ツアラーに4駆があったらよかったのに、、などと思っていた時、ふと思い出した?!

 そのようなクルマ、、英国製で、、ワゴンで、、4WD → Xタイプ・エステートがあったことを!

  ”でも、ジャガーだよ!、、故障祭りだよ!?”

  過去の旧車トラブルが頭をよぎる、、、が!

  ”ここで退いたらなんか負けた気がする、、もう少しだけ頑張ってみよう!”

 と覚悟を決めて探してみると、売っているのはFF車ばかり!(FF車 ← 中身はモンデオ!)

 半年探してやっと”強化仕様:シルバー・レール”の4WDモデルを購入した!

   

 シルバー・レール
 大掛かりな不具合対策モデル(06年春のMC以降のJ51XB)はレールが銀色!
 対策前モデルはレールが黒、特に4WD車は駆動機構がデバッグされており重要!

 XA→XBは建前はマイナー・チェンジということになってるけれど、、
 実際はメーカーがモデルの型式を変えるほどの変更がされていてXAとXBは別物!
 (因みに08年のBigーMCは外装の変更のみ)




 # トルク・スプリットAWD 

 Xタイプの4WDシステムはフロント:40、リア:60!の配分で常時トルク駆動されている!
 因みにコレはジャガーのオリジナルで、フォード(ボルボ)のは後述のスタンバイ式!

   
   4WDモデルは左右の2本出し(FFは下向きの1本 ←モンデオのマフラー)

 最近の多くの4WD車では、通常は前輪のみがトルク駆動されていて
 後輪はトルク無しで供回りしている → スタンバイ式4WD:通称:”ファミリー4駆”

 コレは前輪が空転するとCデフが作動(差動)して後輪にトルクが伝わり4輪駆動となる方式
 要は、前輪の空転が4輪駆動の発動条件となっていて、初動の瞬間は前輪はグリップ喪失している

 走破性の向上が目的であれば駆動輪の瞬間的なグリップ喪失は問題にならないのだけれど、、、
 高速走行をしている場合であればコレは命取りになりかねない!、、、
 だからアウディやスバルなどの”スポーツ4駆”は常時トルク駆動が主流!

 圧倒的にスタビリティに優れる常時トルク駆動だけれど、、バーターで燃費が悪くなる!
 Xタイプもカタログ燃費で7.9k/L と非常に燃費がわるいクルマになっている

 只、、ネット上の”クチコミ”にもあるように高速走行ではカタログ値以上の燃費が出るようで、、
 うちに来た”X”も高速メインの走行で9k/Lと検討してくれている
 15歳の2.5Lの4駆のクルマが9k/Lなら上出来!(カタログスペック超えてるし!)

 高速で強風や大雨の中を走ってもとても安定していて安心して運転できる!



 # 全天候性能・強化 

 地形追随レーダーと暗視装置を装備した!、、ではなくオールシーズン・タイヤを装着した

 山荘の手前1kmまでは幹線道路で除雪もされていて滅多にチェーンの出番はないけれど、
 最後の1kmは私道の登坂で残雪が多いとFF車ではチェーン無しでは登れなかった
 チェーンは常備していたけれど、、あと少し!というところで装着するのが面倒だった!

   

 4WDのXなら多分登れるだろうけど、万全を期してオール・シーズン・タイヤを履くことにした
 高速道路での走行性能を重視してドライ性能に優れる
ミシュランのCROSSCLIMATEをチョイス

   

 直前に履いていたピレリの CINTURATO と較べても遜色ない剛性で高速走行でもしっかりしている
 (同時期にローバーに履いた”ダンロップ・ルマンX”よりもよほどコシがある)

 独特なパターンなのでパターン・ノイズを心配したけれど、意外に静かで乗り心地も悪くない
 なにより雪上でしっかりグリップする!のに感心した → 昔のスタッドレスよりイイかも!?

 おかげで最後の1kmを華麗にスルー出来るようになった
 突然の悪天候でも動揺せずに運転できるので精神的にも余裕ができて〇



 # ぶりてぃっしゅ! 

 昔は”ポルシェ乗り”(※)だったのだけど、縁あって乗ったローバーが気に入って3台も乗った
(※カッコつけて”
空冷のMTに10年、水冷のティップに5年乗ってた!”と言う ←嘘ではない!)

 思えばローバーは英国のチョットだけ高級な大衆車としてジャガー等の雰囲気を拝借していたクルマ
 ジャガーはそうした雰囲気のオリジナルであり、自分の嗜好にも違和感なくマッチした!

 フル・レザーの内装と本物のウッド・パネルの内装は”ノーブル”そのもの!
 昔はオジサンぐるまと思っていたけど、年取るとこういうシックなのが落ち着く

   

 昨今は英国製 → ブリティッシュを名乗れるクルマも少なくなってしまった、、
 (”MINI”はなんだかんだいっても独逸製(BMW)だし、、)

 もし宝くじが当たったら、、自分はフェラーリじゃなくてアストンを買いたい!



 # 21世紀のクルマ  

 文字通り、初めて所有する2000年以降に生産されたクルマ! → 2006年式
 それまでは1995年製のローバー・クーペが最も年式の新しい(!)クルマだった!

 最新モデルから見れば、”25年遅れ”だった状況が”15年遅れ”になっただけなんだけど、、
 自分にとっては10年分の技術進歩を一気に体感できる!
 前述のトルク分配式の4WDシステムを筆頭にいろいろな技術の進歩を体感できる
 デスビの無いエンジン(ダイレクト・イグニッション)もXが初めて( ← 自分の車では)

 その中で思いのほかありがたく感じたのはATが1速多い5速になったこと
 エンジンが静かなV6になったこともあって高速での巡行が非常に快適!

   
 因みに、この5速AT( JF506E )はジャトコという日本のメーカー製

 4WDモデルは市街地では5速OFFの4速(Jゲート左側)で走行した方が燃費が良かったりする!



 # トヨタ・ナビ!  

 ”X乗り”の間では常識となっている話なのだけど、、

 Xタイプの純正ナビはデンソー製(!)で、トヨタのDVD・ROMが使用できる

 Xタイプは最終販売モデルが2008年なので、ジャガー製の地図ROMは07年が最終!
 うちに来たXに装備されていたROMは05年のモノ(↓)だった ← 新東名がない

   

 そこでトヨタのDVD・ROMを入手して地図データを更新!
 とりあえず格安だった14年春版のROM(A1M:↓)を入手 ← 一応新東名に対応してる

   

 プレミアになっていた最終版:15年秋版(A1Q:↓)が安くなってきたので再取得!
 トヨタでもDVD・ROMの更新はコレが最後なのでこれ以上は更新できない

   

 最新ではないけれど新東名に対応できているし、05年版よりは遥かにマシ!
 (同じルートしか走らないから、VICCSで工事や渋滞情報が取れればよい)

     
   ※ ジャガーに適合するのは、"A1*" のROMだけ!(A2*のはNG)

 因みにXはナビだけではなくエンジンCPUやその他の電装も全てデンソー製
 電気系統は日本のメーカー製のがやっぱり信頼できる
 (初期型のXAではいろいろあったらしいけど、、、)



 # 意外に壊れない?  

 相当の覚悟をして購入した”X”なのだけど、、、意外に壊れない!

 15年落ちのジャガー → 地雷以外の何物でもないはず!

 事前にネットで情報収集して、部品とか診断機とかいろいろと準備していたのに
 2年経ってもなんの不具合もなく国産車のように安定稼働している

 ありがたいことなのだけれど、、何もなさ過ぎて逆に不安になる、、、

 この2年間、チェック・ランプは一度も点灯せず、氷点下で凍っていても一発始動!

   

 これまで多くの車に乗ったけど、乗り出しから2年間何も起きなかったのは初めて!
 (、カローラやサニーでさえ小トラブルは起きたのに、、、)

 アタリなのか!?、、、この子はアタリの子だったのか?!?

 英国車は ”アタリ/ハズレ” がかなりあるようだけど、うちに来た子は超デキル子だった模様!
 (噂:工場のアッセンブル・リーダーが誰だったか!? による差が大きいらしい)

 走行距離も5万Kと少ないし、ずっとディーラー整備だったようなのでそのお陰かもしれない

 或いは、乗るたびに ”壊れないでネ!”と言い聞かせをしている成果かも!?
 (因みに、話しかける際は英語で話しかけている!)

 ずっとこのままイイ子でいてもらいたい!!



 # ついにアレが来た!  

 意外に壊れない!と呟いた途端にチェック・ランプが点灯した!(言霊恐るべし)

 納車から30カ月が過ぎたとある日曜の朝、メーターパネルに例のマークが、、

   
 いつかは来ると思っていたけど、、今日がその日だった!?

 30カ月出番がなかった診断機を引っ張り出してフォルト・コードを調べてみた
 (診断機は車体からの電力で稼働するのがありがたい ← 電池切れにならない)

   

 診断機が読みだしたコードは”P1647”

   ”コレハナンデスカ?”

 うちの診断機は安物なのでコードの内容までは教えてくれない!
 (因みに診断機のモードはジャガーではなくてフォードで作動!)

 Xタイプのフォルト・コード・チャート(↓)を参照してコードの意味を確認すると

   

  P1647 → バンク2の上流側ラムダ・センサーの異常、、とのこと

 V6の各バンクに上流と下流の2個のラムダセンサーが付いていて(合計4個もある)
 今回はバンク2(前側)の上流のセンサが逝ったらしい

 早々、ネットで上流用交換部品(2C27359)を探してみると(※上下は別部品)
 純正品:約4万円 >> 国産社外品:2万円弱 >>>> 中華モノ:5千円!

 もちろん国産社外品(デンソー製↓)を選択 ← 因みに純正品も中身はデンソー製!
 (パルカさん、ありがとう!)

     

 因みにネタとしてアマゾンの中華モノ(↓)も買ってみた!

   

 見た目は意外にしっかりしている!、、付ける気にはならんけど、、
 (☆4の評価があったから、、実際に付けたヒトもいる模様!?)

 早々、デンソーの部品での交換を試みる
 エアクリーナーを外して、センサーへのアプローチを始めたが、、、

   

 むり?、、ムリ!?、、無理・無理・無理!!、、手が入らない!

 腕を擦り剥きながら、辛うじてセンサーに指を届かせたれど、、
 そこから指先の力だけでレンチを回すのは至難の業!(みな如何やって外したんだ?)

   

 ♪ 悔しいけれど、オマエは無理だ!ギャランドゥ ☆彡
 (↑ 敗北感を紛らわすためにワザと陽気に歌ってみる)

 後日、、いつもお世話になっている工場で作業してもらい無事に完治

 とりあえづは治ったけれど、、他の3個の存在が不気味、、
 経年時間は同じなのでそいつらも早晩にダメになるはず
 事前に交換部品を買っておこうかな!?(準備すると壊れないものだし、、)

 今回のチェックランプ点灯は遠出をしている時や高速を走っている時ではなく
 メンテ(オイル廻し)の為に自宅でエンジンを始動した際の点灯でした

 タイミングとしては最良です!、、やっぱりコノ子はデキル子だ!


* * * マニアックな話 * * *


 # マツダのエンジン? 

 ジャガー・Xタイプはフォード・モンデオがベースになっているのは有名な噺!

 当時、フォード資本になったジャガーはフォード車をベースに新モデルを作るように要請される!
 それ故Xタイプはモンデオをベースとしてエンジンや多くのパーツを流用して開発された

   
    ベースの二代目モンデオ → 
イタリアでの事故の時に乗っていたのがコレ

 ここまでは割と有名な話なんだけど、、そのモンデオのV6のルーツを辿っていくと面白い!
 このV6、、実はマツダのエンジンがベースになっていることはあまり知られていない!

 1990年代、フォードとマツダは提携関係にあり、フォードの車をマツダが生産していた時期があった
 当初は完成車(レーザーやテルスター)をOEM供給していたのだけれど、
 フォードはだんだんとマツダのエンジンを搭載した独自車種(プローブとか)を造るようになり
 そのうちにエンジンも自社仕様にモディファイをするようになっていったんだ

 だけど当時のフォードにはまだ燃費の良い小型車用のエンジンを造るノウハウがなかったので
 基本設計やパッケージ構成なんかはまるっとマツダのエンジンをベースにしていた
 CPUが”ボッシュ”じゃなくて”デンソー”なのはそのへんの事情だったりもする

 件のV6についていえば、クロノスに乗っていたKL−ZE:2.5Lエンジンが母体
 その前身はランティスやユーノス500に載っていたKF−ZE:2.0L、
 更にルーツを辿るとアノ(!)プレッソに載っていたK8ーZE:1.8Lエンジン(↓)に行きつくのです!

     
     左:Xタイプ、                右:プレッソ

 自分がV6プレッソに乗っていたのはちょうど2000年の頃、、、
 20年の時を経て、、マツダのV6がジャガーに載っかって帰ってきたよ!
 V6プレッソはもう一度乗りたいと思っていたクルマでもあったので、なんとも感無量!

 エンジンはマツダ、ATはジャトコ、CPUはデンソー、、、なんだ準日本製じゃないかXタイプ!?



 # 3台目の4駆・ワゴン 

 Xエステートは久しぶりに乗る乗用車ベースの4WD
 昔乗っていたカリフォルニアやカリブとの違いをヨイ意味で実感させてくれる

 最初に乗った4WD車のカリフォルニアは1.5Lのサニーがベースで、
 8VのSOHCにシングル・キャブで85PS(グロス)という非力仕様だった

 4WDシステムの負荷(重量増と駆動ロス)で動力性能的には軽自動車と同レベル
 いつもめいっぱいエンジンを回していたし、高速では基本的にトラックの後ろを走っていた、、、

 次に乗った4WD車のカリブは1.6Lのスプリンターがベースで、
 ハイメカツインカム+FEIで110PS(ネット)という仕様だった

 カリフォルニアに較べれば遥かにマシだったけれど動力性能的には1.3Lのヴィッツ程度
 どうにか普通に走れる程度で、決してハイペースで走れる車ではなかった
 高速では走行車線キープで、時折トラックをパスするために追い越し車線に出る程度だった

 3台目の4WD車となったXワゴンは2.5LのXセダン(?)がベース
 バルタイ付のV6エンジンは198PS(ネット)というかなりの強心臓

 この程度になってようやく遠慮なく追い越し車線に出てゆくことができるようになった
 動力性能的には2.0Lのスポーツ・セダンと同等というレベルだと思う

 4WD車は重くてロスの大きな駆動系を引きずって走るのでトルクのあるエンジンじゃないと辛い
(Xは2.1LのFFと2.5LのAWDでは動力性能に大差ないのではないかと想像する)

 非力だった昔の4WD車のことを思いながらXワゴンに乗ると感慨もひとしお!