〃劇場へ行こう!〃の巻

まさ(以下M)「あきさん、今度ニュー・ ヨークへ行くんですけ ど何かお薦めの 芝居ありませんかね。」

あき(以下A)「これ見てご覧なさい。」

M「シアター・ガイド?」

A「そうそう。東京の劇場案内の他に ニュー・ヨークやロンドン の劇場案内も書いてあって、旅行するときにとても便利なのよ。」

M「へ〜。どれどれ。すごく詳しく載っているんですね。」

A「これ一冊あれば芝居の内容や、出演者も分るし、鬼に金棒よ。」

M「でも、これだけじゃあんまりわからないんですけど。」

A「そうなの?ん〜。そう言えばまさ君さあ、この前TVでトニー賞の発表 あったじゃない。あれを参考にして行ったらいいんじゃないの。」

M「そう言えば録画したと思うんですけど、もう一度確認しなきゃ。」

A「でも毎年思うけど、アメリカのショー番組の作り方って本当 に素晴らしわよね。」

M「ほんと。今年のオープニングは何だったっけ?」

A「やだ、もう忘れちゃったの?今、リバイバルしている〃アニー よ銃をとれ〃から〃ショーほど素敵な商売はない〃だったじゃない。」

M「そうだ、そうだ。トム・ウォーパットとバーナデット・ピータース の二人でしたよね。」

A「それに続いてプレゼンターの紹介があってさ。とても豪華なメンバー だったわよね。」

M「コンビの作り方も面白かったよ。」

A「そうね。ドキドキしちゃう組もあったわよね。」

M「僕なんか、映画に出てくる人がかなりいたんでビックリしちゃって。」

A「そうでしょ。舞台出身の人も多いのよね。だから演技がしっかりし てるのよね。」

M「ミュージカルの紹介コーナーも良いですよ。得した気分に なっちゃってさ。何だか全部観ちゃったみたいだったな。」

A「やだ、まさ君、これからいくんでしょ。(笑い)あら、 トモ(以下T)いらっしゃい。」

T「ブランデーの水割下さい。」

A「あいよっ」

T「あきちゃん、トニー賞見ました?」

A「今その話ししてたのよ。」

T「俺ね、ウィリアム・ハートとチタ・リヴェラの〃蜘蛛女のキス〃 コンビで舞台観たくなっちゃった。」

A「分るわ。アッシもジュリー・アンドリュースとキャロル・バーネット のスペシャル・ショーを観たくなったわよ。アンジェラ・ ランズベリーとビー・アーサーの〃メイム〃もね。」

M「ジェシカおばさんの人ですか?」

A「そうよ。」

M「じゃ、それにしよう。」

A「何言ってるの?もう30年以上前に演ってたのよ。」

T「まさ君。ニューヨークかどっか行くの?いいな。英語とか解るんだ。 知らなかった。すごいんだね。」

M「解るわけないじゃん。ただ芝居が好きなだけさ。」

T「そうだろうね。そんあ気がしたけどね、やっぱり。」

M「どうせ、僕なんかさ、、、、、、」

T「ゴメン、ゴメン。そんなつもりで言ったんじゃ〜。」

A「まあ、まあ。気をとりなおしてさ。そんなまさ君には、 今年トニー賞の作品賞を獲った、〃フォッシー〃なんか良いんじゃない?」

T「あれは良いと思うよ。ダンスだけだし、有名な曲ばっかりだし。」

M「じゃあ、それとアカデミー賞も獲得したジュディー・デンチの出てる 〃エイミズ・ヴュー〃にしよう。」

T「でも、それ会話劇でしょ。止めといいた方がいいんあないの?」

A「そうね、ストレート・プレイが観たかったら、これも今年の作品賞 (プレイ部門)を獲った、〃サイドマン〃が良いと思うけど。」

T「どうして?」

A「これね、ジャズのビック・バンドのサイドマンを扱った芝居なのよ。 だから、全編に音楽が流れるわけ。」

T「じゃあ、まさ君でも大丈夫だね。」

M「何かひっかかるんだよな、その言い方。」

T「ゴメン、ゴメン。そんなつもりじゃないんだって。」

A「いい加減にしたら?ひねくれるの。それより、 オフ・ブロード・ウェイで良かったら、オープンしたばっかりの 〃イフ・ラブ・ワー・オール〃が良いんじゃない。アッシらの世代 には懐かしいツイギーが出てるミュージカルなのよ。」

M「それも良いな。」

T「ところでさ、何時行くんだい?ニュー・ヨークは。」

M「今年の暮れなんだけど。」

A「え〜?そんなに先なの?それじゃあんた、もう演ってない芝居もあるわよ。 もっと近くになってから聞いてよね、まったくやんなっちゃうわ。でも、 それじゃ英語の勉強、できるじゃないの。頑張りなさい、今からでも 遅くないわよ。」

T「そうだ、そうだ。」

M「そうですよね。頑張ろうっっと。じゃあ、あきちゃん、お代り下さい モスコ・ミュール。」

A「あいよっ!」

T「それでさ、行くまでの間こっちでいろんな芝居観ればいいじゃん。そ うですよね、あきちゃん。」

A「そうね。トニー賞の最後でジュリー・アンドリュースが言ってたじゃ ないの。Go To The Show! ってね。」

M「そうか。」

A「そうよ。なにか得る物がきっとあるはずよ。さあ、みんな、劇場へ行 こう!!」(終り)

*登場人物は全て架空です。



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#7 "戦争はおそろしいよね"の巻
#6 "あんたも漫画がすきなのね"の巻
#5 "あんたの涙は.....?"の巻
#4 "安心が一番"の巻
#3 "本当に生はいいんだから"の巻
#2 "小さいことはいいことだ"の巻
#1 アキのニューヨークお芝居観て歩記