華やかな役者絵の世界、
日英交流『大坂歌舞伎展』堂々開幕。 |
前日に阪神タイガースが2年振りにリーグ優勝を決め、まだ興奮に湧いている大阪の大阪歴史博物館(大阪市中央区)で9月30日、大英博物館をはじめ日英の博物館が所蔵する浮世絵の中から、優れた役者絵を一堂に集めた「日英交流 大阪歌舞伎展−上方文化と都市文化−」の開会式が行われ、主催者を代表して、関淳一大阪市長と大英博物館日本美術担当のティモシー・クラーク氏の挨拶があり、その後、来賓と一緒に華やかなテープカットと続き、大阪がいよいよ上昇気運を感じさせる縁起の良い展覧会が開幕しました。 |
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◎主催者挨拶で、関淳一大阪市長は(写真右)
既にロンドンの大英博物館で先行開催された『大坂歌舞伎展』を世界の多くの観光客の中で見て感銘を受けて帰って来た。同じ歌舞伎でも江戸や京都とは違い、大阪では、贔屓筋(ひいきすじ)が舞台に上がった、『何でも楽しくやってしまう』。優勝した阪神タイガースと同じように上方文化は庶民が楽しんでそれを庶民が育んできた。この展覧会も大阪の都市のイメージとして、都市再生の核としてやって行きたい。上方歌舞伎を世界の文化として発信したい。歌舞伎界の中村鴈治郎が坂田藤十郎の名跡を襲名するこの時、一人でも多くの方が見て欲しい。(※阪神タイガースのリーグ優勝の翌日のせいか、関市長は歌舞伎役者のように手振りを交え出席者一人一人に語りかけるような調子で親しく話されたのが印象的だった。) |
◎ティモシー・クラーク氏(大英博物館 日本美術担当)は(写真左)
この展覧会は世界の多くの人々と共有することを目的としている。近世の大都市、大坂が生んだ美術品が故里であるここ大阪に里帰り、歌舞伎で云うならば親子の再会といえる場面です。やっと世界に散在する作品と日本にある作品が再会した。この機会を日英の交流のために、そして近世の大坂が生んだ活気溢れる文化を楽しんで頂きたいと、ユーモアを交え挨拶された。 |
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●大英博物館で先行開催された時の作品を100%出品。 |
本展覧会は、ヨーロッパや日本の優れたコレクションを中心に集めた上方役者絵や関連資料約400点を展示することにより、海外で高い評価を得ている上方役者絵が、日本において再認識される契機になることを期して開催するものです。折しも本年、231年ぶりに上方歌舞伎の名優坂田藤十郎(さかたとうじゅうろう)の名跡が襲名されます。この記念すべき年に、大坂歌舞伎の黄金期だった18世紀後半から19世紀前半の役者絵、役者絵本、摺物(すりもの)などを通じて、上方役者絵の技と粋(すい)、役者と彼らを取り巻く文化人たちの文芸活動、大坂の豊かな創造性を紹介します。 |