Reconsidering Mono-ha「もの派−再考」記者発表&内覧会
会場:国立国際美術館 大阪・中之島 会期:2005年10月25日[火]〜12月18日[日]
ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン/Page-1/Page-2


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1.野村 仁(Nomura Hitoshi)「Tardiology」(1968-69)
段ボール 836×316×229cm 本展のために再制作
2.高山 登(Takayama Noboru)「地下動物園(部分)」(1969)
枕木 約310×251×187cm 作家蔵(2003年 再制作)

1.菅 木志雄(Suga Kishio)「表間相(表位相)」(1969)
石膏粉、石 20×200×188cm 本展のために再制作
2.高山 登(Takayama Noboru)「地下動物園(部分)」(1969)
枕木 約310×251×187cm 作家蔵(2003年 再制作)
3.吉田 克朗(Yoshida Katsuro)「赤、カンヴァス・糸など」(1971-74)
アクリル絵具、カンヴァス、糸 各340×90cm(全4枚)埼玉県立近代美術館

1.高山 登(Takayama Noboru)「遊殺」(1973)
枕木 25×250×15cm(30本)東京都現代美術館(1985年再制作)
2.関根 伸夫(Sekine Nobuo)「空相 -油土」(1969/2005)
油土 可変サイズ 本展のために再制作
3.関根 伸夫(Sekine Nobuo)「空相 -立木」(1973)
木 220×130×70cm 宇都宮市美術館

1.関根 伸夫(Sekine Nobuo)「空相 -油土」(1969/2005)
油土 可変サイズ 本展のために再制作
2.榎倉 康二(Enokura Koji)「無題」(1979)
油彩、綿布 200×750cm 世田谷美術館

1.菅 木志雄(Suga Kishio)「中律−地に沿って」(1978)
綿布、ロープ、石 42×480×480cm 作家蔵
2.菅 木志雄(Suga Kishio)「臨界状況」(1972)
金網、木、石 240×500×730cm 本展のために再制作

1.原口 典之(Haraguchi Noriyuki)「無題」(1971)
鉄、ゴム、油土、水、台 92×233×61cm 福岡市美術館
2.李 禹煥(Lee U Fan)「関係項−ふたつの石と二つの鉄」(1978)
鉄、石 220×280×340cm 国立国際美術館(1990年再制作)
外は秋晴れ、美術館まるごと現代美術フェスティバル。
 開催前に大阪で長年、国内外の現代美術のアーティストを中心に良質の作品の発表の場を提供している画廊のオーナーが「国際美術館で非常に素晴らしい展覧会をするね」とポスターのお気に入りの作家名を指差しながら話しかけてきた。「さすが、新館長ね」と現代アートの歴史を直に関わってきただけにその言葉に説得力があった。実際、館内では「もの派−再考」展「瑛九 フォト・デッサン展」、「コレクション展」の3段構えの充実振りで何から見て良いか迷ってしまう。
〈もの派〉とは何かを改めて考える展覧会。
 10月24日の記者発表の席で、建畠館長は「私の着任前に決まっていた企画」と前置きして概略を説明された。〈もの派〉と言われる同時代の思想的に近い作品を展示したこと、美術館スタッフが意欲的に取組んで来て充実した内容に仕上がっている。観て面白い、ビジュアル的になっている。
 そして展覧会担当の中井学芸員は〈もの派〉はそれ迄良いと云われていた作品を否定するような美術運動であった。一般の人には理解してもらえるとは思えないけれど、何故、〈もの派〉が起こったか。〈もの派〉とは何か?を考える展覧会であることを強調された。
 記者の質問には、この企画は現在〈もの派〉言われる作家の作品に出会った学生時代から膨らませて来た感じで、ここ5、6年で担当者として押し進めてきた。また、現在の面白主義、観て快楽を感じるアートが多い中、そうでない時代もあったことを美術を志す人に知って、観て、考えて欲しいという話しが心に残った。
 席の最前列に今展の作者10名が座っていた
(写真上)が、「〈もの派〉のタイトルを付けた展覧会であるが、作者自身は〈もの派〉であると思っている、そう思っていない」という二者択一の質問に対して9名が〈もの派〉であると挙手をされ、1人が〈もの派〉でない方に挙手をされた。
 この難しい質問に館長は「〈もの派的合意〉があるのではないが、〈もの派〉は前衛運動であった。結社でもない、事後的に付けられたもので、誰が付けたのかも分からないし、宣言があったわけではない」と補足的に説明された。

 最後に、エピソードとして野村 仁氏の段ボール作品の再制作中、4段に積み上げられた巨大な段ボールの自壊が危ぶまれ、側で見ていて生命の危険を感じたことや、実際に非日常の質量を持った物と対峙する時に言葉に表せない驚きがあると答えた。(展示品には今回の展覧会のための再制作は8点、他の展覧会で再制作されたものが8点を含む)
時代が生んだ〈もの派〉の作品、今も会場全体にエネルギーを放つ。
会場には、1960年代後半に生きたアーティストが恐らく既存の古い体制を打ち破ろう、既成概念から抜け出そうと悩み苦しみながら新しいアートの創造を試みようとした彼らの思いと情熱の塊が作品という形に表出されていた。時代のエネルギーが今も満々と充ち溢れ、アート光線が観覧する者を射す。広い会場で作品達はのびのびと自己を主張していた。広く見渡せる展示の妙か個々の作品が私の視覚の中で互いに作用して、2005年〈もの派〉の新しいアートシーンが生まれていた。
(取材メモより:Street Artnavi 中田耕志)
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展覧会の詳細は上の画面をクリック。
取材日:2005年10月24日(月) 掲載:2005年10月31日(月)
取材・写真・Webデザイン:ストリート・アートナビ 中田耕志
※上記の説明、写真キャプションは展覧会報道資料、図録、同館学芸員の案内を参考にしました。
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