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 私、村上がメーカー、排気量、新旧など車種にこだわらず一般の人よりたくさんのバイクに乗れる立場を利用して、私なりの試乗インプレッシヨンを、語らせていただきます。皆さんのバイク選びの御役に立てればうれしいです。

 今回は、モデルチェンジされた'04TMAXと初代'01TMAX、そして皆さん注目のGILERA NEXUS。 注目のスポーツメガスクーター3車の比較をしてみました。
お分かりとは思いますが赤いのが最新型’04モデルです。黄色い方はスクリーンだけショートにした旧型。まずはTMAXの新旧比較です。


’04TMAX 500
4サイクル水冷2気筒500cc
\849,450

なぜかエンブレムから消えた500の文字。まさかシルバーウイングみたいにまったく同じに見える400cc版を発売なんてことありませんよね?


大型免許取得と同時に新型を手に入れ、ご機嫌の「じゃいあん松崎」氏。
普段はとても温和な人ですが、怒って変身したら、もう大変。「巨大化した彼は東京湾から上陸。まず、フジテレビとレインボーブリッジを破壊。そのまま海岸通りを北上しつつ、新橋あたりで新幹線を咥えて振り回し、中央通りをさらに前進。銀座4丁目の和光と三越を半分壊したところで、やっと自衛隊出動…。」




新型はタコメーターとデジタルのフュエールメーターを装備し、絢爛豪華になりました。イモビ付きなのもうれしい装備です。


インチアップしたホイールは前輪がダブルディスクに変更。後輪には、便利なパーキングブレーキも装備されました。下り坂でも駐車できます。
 



フロントフォークは41mmに拡大。足回りの剛性が格段にアップしました。シートパッドもロゴが入りました。


細かいエクステリアの違いはさておき、一番気になる乗り味の違いをお伝えしたいおもいます。オーナー松崎氏と交代で乗り比べてみました。

街乗り

新型は、乗り出してすぐにフレームと足回りが剛性アップしているのがわかります。レーンチェンジなどもしやすく、ヒラヒラ感もアップしました。その反面、ゴツゴツ感も増えているといった感じなので、乗り心地が悪いと思う人もいるかもしれません。
エンジンはインジェクションに変更になり、低中速の付きは抜群。ただ、実際にヨーイドンしてみましたが、思ったほどには差が出ませんでした。というのも、松崎氏の体重は100kg超級。私と50kg位体重差があります。私も排気量500ccもあればそんなに体重差は関係ないだろうと思っておりましたが、二人で乗り比べると、新旧どちらでも、私の乗っている方が速いのです。速さに関してはさほど差は無いようです。

高速&ツーリング
街中でのゴツゴツ感は高速道での安定感と反比例しますので、ここでは新型の剛性感が光ります。レーンチェンジも楽になりました。また、ブレーキとフォークの剛性アップで、峠のワイディングも旧型より”突っ込める”はずです。ただし、注目の最高速は街乗り同様、そんなには新旧の差が無いようです。170km/hといったところのようです。ちょっと残念。

新旧どちら?
TMAXを選ぶとして、新旧どちらがいいかと聞かれれば、自信を持って「旧型もそんなに悪くない」と答えられます。それは、普段街中やツーリングで、他の人と競ったりせず、マイペースで走るには「こんなにラクチンで楽しい乗り物は無い」からです。新型は豪華装備で良くできていますが、その分車重も20kg増になりました。もちろん新車しかありませんのでお値段もそれなりです。もし、程度の良い中古車があればそれを選ぶのも手だと思います。新型の評判が良く、売れ行きも好調のようですし、来年6月の高速2人乗り解禁とAT免許が導入になれば、旧型の中古車相場が上がるのは必至です。狙っている人は今がチャンスかもしれませんよ?

さて、それでは
ネクサスと比較したらどうなの?にお答えします。

 
乗ってみるとエンジン幅のせいか、ネクサスの方がスリムに感じます。普段使いはどちらもそんなに差がないかもしれません。


私の最近のツーリングはもっぱらネクサス専門です。理由は私には”楽しいから”です。写真右に写っている赤いTシャツの人は通称「人柱3号」氏。チームの中では若手ナンバーワンの”使い手”。CBR929を振り回す御仁です。彼くらいのレベルになりますと「TMAXはカッタルイ、ネクサスのほうが面白い」ということになります。対して、その手前、グレイのTシャツの「ヒロシ」氏は普通のオトナなので、TMAXがお気に入り。


このクラスの世界基準がTMAXであることは疑う余地も無く、各社、TMAXを研究し尽くして、新型を造り上げてくるわけですが、相変わらずTMAXの平均点はとても高いレベルにあると思います。速く、ラクチンで、しかもカッコイイ。新型になり、さらに戦闘力と細かい仕様もレベルアップし、ますます評価が上がるものと思います。まあ、文句のつけようも無いと言ったところです。

それと比較してネクサスの場合はというと、これはある意味「スクーター」という発想をすべて捨て去ってもまったく問題ないでしょう。購入の時に比較検討する対象として、オートマチックの中ではTMAX以外は考えなくても良し。と言い切れます。たとえば、ドカティモンスターやKTMデューク、BMW650GSなどと比較しても良いと思います。
注目すべきはネクサスの動力性能で、スタートダッシュもTMAXと同等か、それ以上。高速道路では170km/h以上で”遊べる”実力です。460ccという大排気量単気筒エンジン、しかもユニットスイングという構成。はっきり言ってこの排気量では”ユニットスイングの限界”とも言える部分であるはずですが、それを、”ユニットスイングの利点”という感覚に変えてしまうほど、見事に調教しきっています。とにかく軽快にいろいろな場面で遊べます。一番驚いたのはワインディング性能で、これは特筆物です。
しかし、ネクサスの方がすべてにおいて勝っているのかというと、そうではありません。ネクサスは乗り手を選びます。TMAXのように「誰が乗っても」という発想は、つくり始めの時点からすでに無かったでしょう。モンスターやビューエルを誰が乗っても楽しめないのと一緒です。

総評
今回の3車を比較した場合、’01TMAX、’04TMAX、ネクサスの順に、難しいバイクであると言えるでしょう。難しいと言っても”使い倒す”という意味あいの上での話です。R-1やCBR1000でも所有している人がすべてそのバイクを使い切っているとはとても思えません。オートマチックの500ccですから、気楽に普段使いもできますし、それほどの気合も必要ありませんが、ボディも大きくなりますし、お値段もそれなりです。良く考えて、選んでいただきたいですね。

近年バイクの世界で250ccまでが、すっかり様子が変わってしまったように、大きな排気量の分野でも、これからはこのスタイルが”標準”になることは確実です。リッタークラスレーサーレプリカと”遊べる”バイクは、もうスクーターと呼ばなくても良いのではないでしょうか。


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