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 私、村上がメーカー、排気量、新旧など車種にこだわらず一般の人よりたくさんのバイクに乗れる立場を利用して、私なりの試乗インプレッシヨンを、語らせていただきます。皆さんのバイク選びの御役に立てればうれしいです。

 当店の試乗車として、新しく加わりました、GILERA NEXUS500 SUPER SPORTS の長期レポートです。
ピアジオが、04年度一番の目玉として新たに発売を開始した、注目の一台です。

GILERA NEXUS 500 SUPER SPORTS
4サイクル水冷単気筒460cc
\875,000(税込)



メーターはセンターにタコ、左がスピード。一番右の四角い窓は、水温、燃料残量、時計などのほかに、最高速度、トリップ、オド、平均速度なども表示の多機能液晶パネル。ハンドル右前部スイッチからモード切替もできます。



ホイール系は前15、後ろ14の大径、スカブー650と同じサイズです。ミシュランパイロットスポーツラジアル標準装着。
前ダブル、後シングルのブレンボ装着と、こちらもやる気満々。ネクサスに装備のインテグラルと呼ばれるコンビブレーキは、今日ではホンダのオハコみたいに言われておりますが、実はヨーロッパでは、はるか昔に採用されております。確か、20年以上前のグッチに付いていた記憶があります。



下の青いロッドをグリグリ回すと15段階に車高が調整できます。シート下に寝ているサスは7段階とセッティングの幅は大きく、調整次第で全く違うバイクの乗り味に変更可能です。

最も基本と思われるのが、シートを一番
”上げた”状態。下がその状態の写真です。ライダー身長165cmでつま先ツンツン。




イモビ付きキーがリモコンシートオープナーにもなっております。トランクスペースはヘルメット一個とちょっと。


ポケットは左にタバコ入れ程度。同じ形の右側を開けるとラジエターリザーバータンクのフタが出てきました。
スクリーンは3段階の一番低いところでセットしてみました。傷は付きにくそうです。厚みも充分。


ファーストインプレッション 7/27
まだナンバー付けてから、少ししか乗っていませんが、第一印象という形でお伝えします。

まず最初に常連の皆さんと乗り始めたら、ちょっとびっくりでした。ほとんどの皆さんが想像しているのは”ランナーのようにヒラヒラで、峠をガンガン攻め込む姿”だと思います。皆でその辺を一回りしてから顔を見合わせて、異口同音に出たのは
「曲がんねーじゃんコレ」でした。ドッコイショ、と気合を入れないと曲がらない位、直進性重視のハンドリングに皆で「????」。

しかし、曲がらない理由が、箱から出してそのまま乗り出し、車高調整をしていないためと判り、一安心。説明書にもちゃんと、そう書いてありました。車高を下げた状態は、高速を二人乗りで荷物を積んだ時に使うのだと思います。普段、一般的な日本人が使うには
”シートを目いっぱい上げて、キャスター角を立てた状態”が、標準と思われます。サスは最弱からでも充分硬めなので、おそらくそのままでずっと行けてしまいそうです。

さて、それでは”標準の状態”にしてからの、乗り味はどうかといいますと、それでもまだ、ステアリングダンパーが、ちょっと効いたような感じです。ヒラヒラ感とまではいきません。まあ、この位は個性というレベルで片付けて良いと思いますが、シートに対し低い位置のハンドルもあいまって、やる気充分と受け止めれば良いのでしょうか。
エンジンは「タッタッタッタ」というリーダーエンジンに似た振動、音とともに加速していきます。ダッシュはそれほど効きませんが、それでも500ccです。まだ、100kmも走っていない、慣らし運転中のバイクですが、いつの間にか140km/hオーバー出していました。誰が出したか判りませんが、液晶パネルに証拠が残るように出来てます。
ブレーキもまだ、あたりが出ていないせいか、強く握らないと効きません。もしかしたら、マスターも含めて、前後のブレンボは握力を要求する特性なのかもしれませんが。

少し長く乗ってみると、アクセルを「開けて、開けて」峠を攻め込む姿が想像できるようになりました。乗り手にもある程度の”やる気”を要求するタイプのバイクだと思います。アプリリアのSRやランナーを初めて乗られたお客様の中には、その振動、サスの硬さ、シートの高さなどで、全く受け付けなかった人も何人かいらっしゃいましたが、今現在ランナーに乗っている人でも、このネクサスを受付けない人がいらっしゃるかもしれません。万人向けのバイクではないと言えます。私は、早く峠に持ち込んでみたい部類に入りますが。

8/21 テールボックスを付けてみました。


純正オプションの同色テ−ルボックス、GT用よりちょっと小さめです。税込み¥53、000。








簡単装着でスタイルもそんなに悪くありません。ツーリングなどにはとても便利そうです。展示用の見本として、しばらくこのままにしておこうと思います。
でも、普段乗るときは取り付けないと思います。なんといってもネクサスは、
「スポーツバイク」ですから。「伊達者」を気取って乗りたいですね。


9/19 皆さんとツーリングに行ってきました。



ツーリングレポートにも少し書きましたが、皆さんと日光へ初ツーリングに行ってきました。本格的に長い距離を乗るのは初めてです。


ツーリングに使ってみての印象は想像以上の好結果でした。

一般道
まったく普通です。何の心配もなく使えます。通勤にも問題なしです。 実は、ツーリングの1週間ほど前から通勤に使ってみました。最近GTばかり乗ってるので、少しネクサスにもなれておきたかったからです。
しばらく使ってみると、当初感じていた癖のあるハンドリングもいつの間にか忘れていました。ステアリングの重さをまったく感じなくなり、渋滞のすり抜けや低速走行でもヒラヒラです。車体がスリムなので、通勤は結構楽です。スーパーの買出しに向かない硬派さは以前として健在ですが。

高速道
思った以上の速さです。タッタッタッという独特の音とともに加速し、最高速は180km/hまで出して見ました。もっと出そうでしたが、にわか雨で路面が濡れていたので今回はここまでにしました。メーターに証拠がキッチリ残るのでおまわりさんには見せられません。
しかし、あれ?ちょっと待てよ?TMAXは長〜い下りで歯を食いしばってやっと175km/h超えるくらいだったよね?ということはTMAXより速いの?しかもその域に達するまでの不安感がほとんど無い。さすがに170km/hを越すとちょっとふらつく感じでしたが、シートを目いっぱい上げてサスを最弱にしたままなので、こっちをセッティングしてやればもっとイケルってことでしょうか?150km/h以上のレーンチェンジも不安感無く走れるので、高速2人乗りも楽々こなせそうです。ちょっとびっくり。

ワインディング
日光いろは坂の登りは結構整備されていて、Rも大きめ、割とペースが上がります。ネクサスは車体剛性の不安もなく、大径ホイールの恩恵もあり、良いペースで走れます。この状態ですとエンジンのトルク感が無く、登り坂ではさすがにリッターバイクには付いていけませんが、いわゆる”スクーター”のレベルでないのはTMAXと同じか、それ以上です。

*いろは坂を登り切る寸前、渋滞で身動きが取れなくなり、それまでのハイペースもたたって、クーラントが噴出してしまいました。華厳の滝でお昼休憩を取った後はすぐに正常に戻り、何の異常もありませんでしたが、スリル満点。

いろは坂も下りになると、様子が一変。昔ながらのタイトで登りほど整備されていないコーナーの連続です。このようなパターンですと、ネクサスの
独壇場。切り返しの重さなど微塵も感じさせず、パワーが余ってしまうリッターバイク軍団を、よその団体も含めてブッチギリでした。バンク角も十分。たまにスタンドが「チャリン」と鳴くくらいです。アタリの出てきたブレーキも十分な制動力で、下りの突っ込みでフロントタイヤが跳ねて、キュッキュッと鳴く位攻めてもコントロールしやすいです。エンジンブレーキも良く効くのでその点でも安心です。

総評

ネクサスの存在する意義は何ぞや?と考えると。一言で言ってしまえば、「TMAXに勝てる部分を持っているかどうか」というところだとおもいます。平均点で100%勝つのは絶対無理なので、たとえ勝てなくても、それと同等レベルの部分が存在するか否かで、市場にとって必要かどうかも決まると思います。正直言って、出かける前はちょっと不安があったのですが、ツーリングから帰ってきてからは、うれしい誤算にちょっと興奮気味です。

はっきり言ってネクサスがこんなに走るとは思いませんでした。文句なく
楽しいバイクです。万人向けでないのは相変わらずですが、当初感じていた違和感はすっかりどこかへ飛んでいってしまいました。

このバイクと付き合っていく上で一番必要なのは「イタリア半島に向かってこぶしを振り上げる」ほどの気合では無く、単に「慣れ」なのだと悟りました。私も最初、面食らった位なので、ちょこっとの試乗ではなかなか判りにくいのが歯がゆいところです。
ある程度乗り手を選ぶとは思いますが、スタイルが気に入り、予算が許せば、そんなに深く考えずに買っても、絶対に楽しめるバイクです。

最近の会話
「今度は碓氷峠の旧道下りで勝負しよう。」と言ったら、みんな横を向いてしまったので、「じゃあ、バイパスの方でいいよ、しょうがねーなー。ターンパイクの下りでも良いよ。」「下りだけかよ!!」



'05 4/17
マフラー変えてみました。
マフラーをレオビンチにしてみました。ツーリングに使ってみましたが、まあまあかなといった感じです。「そのまま」では音量はノーマルとほとんど同じで、タッ、タッ、タッという、単気筒らしい部分がちょっと強調された音色です。低速のピックアップが向上。立ち上がりのモタツキが減った感じがします。マフラー全体がスリムなので、出っ張りがなくなって車体全体がすっきりした点も良いところです。ステンレスなのでツーリングから帰ってきたら「こんがり狐色」に色が付いていました。
ノーマルより熱くなるところだけは気をつけないとヤケドしますので、ご注意を。マイナス面と言えばこの点だけかもしれません。


※今回はっきりしたことをお伝えします。
「ネクサスはやはり180km/hリミッターが付いているようです。」その域になりますと電気的な間引きをしているようで、それ以上伸びません。
冷静に考えれば460cc単気筒がここまでスピードが出るだけでも驚異的です。ヤマハSR500の最高速がどのくらいかを考えれば、いかにこのエンジンがリーダー200と同じく、「ハイチューン」なのかが想像できます。今回も、よそのチームの
CB1300と最高速付近で遊んでしまいました。


バックナンバー
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