IMPRESSION
私、村上がメーカー、排気量、新旧など車種にこだわらず一般の人よりたくさんのバイクに乗れる立場を利用して、私なりの試乗インプレッシヨンを、語らせていただきます。皆さんのバイク選びの御役に立てればうれしいです。
今回は、フルモデルチェンジされたPIAGGO VESPA GT200L です。試乗車兼通勤スペシャルとして使い、長期使用でのインプレも、そのつどご紹介したいと思います。
PIAGGIO VESPA GT200L
水冷4サイクル単気筒200cc
フルオートマチック
\585,000
同じボディの125もあります
\535,000
最終的に4バルブ水冷200まで拡大された”リーダーエンジン”。パワフルかつスムーズこの上なし。シートを開けて、ネジ止めなしのトランクを上に引っ張るとスッポリ抜けて、エンジンが現れます。整備性はよさそう。
独特の動きを見せるフロントサスは伝統の片持ち。リアは2本です。前後12インチタイヤは安定感抜群。
前後のキャリパーはランナーと同じ物を使用。制動力も問題なし。
シート下のトランクは普通のヘルメットは入りません。普段使っているアライSZを無理やり押し込んでみましたが、フタは出来ません。今流行りのスモールジェットタイプシールド無しですと、2個入ります。ヘルメットフックは2個付。
フロントのボックスはほんのグローブ程度。ランナーのガソリンタンクのように、キーシリンダープッシュで開きます。真ん中のコンビニフック左は電動トランクオープナー。「バッテリーが上がったらどうすんだよ。」と思うでしょ。グローブボックス内左のレバーで手動操作も出来ますのでご安心を。
時計付きの見やすいメーターはイモビランプが48時間点滅します。ヘッドライトはさすがにハロゲンで、安心。
スイッチまわりはごく普通。ヘッドライト付きっ放しで、パッシングは無し。
各所で”絶賛の嵐”の折りたたみ式タンデムステップはアルミメッキ仕上げ。
サイドスタンドは通称”自殺スタンド”と呼ばれるオートリターン式。ご注意を。
これもヨーロッパスタンダードのようです。雨の日用?シートカバー。実際のところはどう使うんでしょう。アプリリアアトランティックや同じピアジオのビバリーなどにも付いてました。
現物を初めて見たときの第一印象は「でけえなこりゃ」でした。写真で見ると丸っこい、かわいらしいデザインは、国産125cc位かと思っておりましたが、ホンダのフリーウエイ250くらいの大きさはあります。実際のサイズも、全長はランナーより少し長いです。シート高はランナーやSRほどではないので大きな問題にはならないかと思います。硬めの広いシートはゆったり快適そのもの。
乗ってみての印象ですが、発進してすぐに、フロントが低速付近で独特の切れ込みを見せます。「これはもしかしてベスパの乗り味?フロントもボトムリンクでフュージョンと同じだし…。」と一抹の不安がよぎりました。
しかし、ちょっとペースが上がって長い距離を乗ると、すぐにそんな不安も吹っ飛んでしまいました。とにかくスムーズで速いんです。信じられませんがマジェより速いんです。メーターが”大サービス?”と思うほどです。実に滑らかな変速と、パワフルなエンジンセッティングには、相当時間を掛けたと思われます。おそらくこれ以上の物を作るのは相当な苦労が必要でしょう。極低速から中速、高速に至るまで、どこでアクセルを開けても同じように変速と加速をしてくれます。注目の最高速は120km/h確実。ちょっと下っていれば130km/h付近まで行きます。まだ、燃費を計るほど乗ってませんが、同じエンジンの車種を例に取れば、20キロ前後は確実に走ると思います。
心配していたフロントサスの収まりもまったく不安がなく、剛性不足もまったく感じません。もちろん、左右のコーナーで挙動が違うようなこともありません。ブレーキも前後ディスクなのでまったく問題なく止まります。何でこれがGTなんでしょう?という疑問はあっさり覆されました。これならツーリングにも充分使えます。
ヘルメットが入らないというだけで「ダメ!!」な人も当然いらっしゃると思います。価格も確かに立派です。しかし、トランクスペースが小さくなっても、モノコックフレームの強度と、デザインを優先させたプライドに「潔し!!」と拍手してる人も少なくないと思います。2,3年で乗り換えるような車ではありません。1回買って乗れば、10年以上乗る人も多いと思います。実際ヨーロッパでは大ヒットモデルですし、その影響で日本導入が遅れたと聞いております。
ナンバー付けて最初の日。正直、こいつは一体何者?と考えてしまいました。今まで経験したことのない乗り物と言って良いかもしれません。こんな感覚はTMAX以来です。恥ずかしながらクラッシックベスパは、修理が上がって”そこら辺を試乗”程度しか乗ったことが無かったのですが、今回こいつに乗ってみて、なんとなくピアジオ社の言いたいことが判るような気がします。自信があるんですね。正にカルチャーショックです。ちょっと大げさに言えば、ヨーロッパに”オトナ”を感じます。乗るほうも”オトナ”に負けない意識が必要かもしれません。あ〜あっ、そんなオトナに早くなりたい。
テールボックス付けてみました。4/11
成川さんに、オマケで貰ったテールボックスを、取り付けてみました。
さすがに純正同色なので全く違和感無し。特大フルフェイスを入れても、まだまだ余裕の内容量です。配線は無し。赤い部分はリフレクター。
付属で付いてくる特大バーエンド。バランスを取るためとか。恐ろしいまでのこだわり。ビス一本で簡単取り付けですが、付いてくる説明書は粗い画像でさっぱり見えません。加えてイタリア語と英語のみの文章なので取り付け方法は、あくまでも「勘が勝負」です。
私村上。正直言いますとテールボックスは好きではありません。スタイルが変わってしまうのと、何より重心が変わってしまって、ハンドリングが悪くなる場合が多々あるからです。特に大型スポーツバイクは大きく操縦性に影響が出ます。GTも撮影が終わって、使い勝手を試したら外してしまおうかと考えておりましたが、あまりの便利さと、お客様の評判がすこぶる良いので、見本としてそのままで行こうとおもいます。普段は空っぽなので、一番重要なハンドリングへの影響も全くありません。
スカラベオ50も並べてみました。おしゃれですね〜。右は知り合いのワークス内。こんな生活は正に夢ですが。
初めて長い距離を走ってみました。 5/2
ゴールデンウイークの初日。地元の群馬に用事があったので、それではついでにと、GTのロング初乗りに挑戦。高速の大渋滞を尻目に、片道約100kmの高崎まで、一般道をトコトコと走ってみました。
国道17号の基点ともいえる文京区本郷。言わずと知れた東大赤門前にて。朝早いので反対向きもやりたい放題?
一般道は普段と全く同じ感覚で、ガラガラの都心から、大宮バイパス、国道17号と快適そのものです。
3時間弱で高崎に到着。その後、伊勢崎にも立ち寄り、帰りは東北道を使って高速も初チャレンジ。っと思いきや、道を間違えてしまい、どこを通ったか羽生インターまで来てしまいました。ここまできてしまったら、全部下道でも良いかなと思いましたが。高速テストもしてみたかったのでそこから高速です。
直進安定性はランナー並といっていいと思います。直立ポジションと風が素通しなので、風圧に耐えるのみ。いつもラクチンなサスは、高速でも全く不安ありません。セッティングもストック状態でリアサスも調整してません。首都高はどうかな?と思っていましたが、全く問題なし。気になる最高速は130km/hもうちょい、位です。
ちょっと違和感のある、高速のサービスエリア。結構注目の的。ワンプッシュオープンのグローブボックスは料金所をスムーズに通過できて便利です。
実は、尻が痛くなるのではと、ちょっと心配していた固めのシート。全く問題無く、ラクチンそのもの。「お殿様座布団」です。
右は当店の壁の花、”心地よさ”の4番バッター、トライアンフボンネビル。GTと通じるものがあるとおもいますが、トラよりGTの方が、確実に、速く、かつ安全に、走れます。
今回、久々に”心地よさ”を感じました。田舎道をマイペースで走る気持ちよさを、しばらく忘れていたように思います。たった200ccのオートマエンジンなのに、帰り道は「高速に逃げよう」とうい感覚が全く起きません。これなら、一人でどこまででも走れそうです。しかも苦痛を感じずに。
往復250km程走りましが、計算してみましたら、燃費は27.5キロ。モノコックボディの恩恵で、いつの間にか結構なスピードで走っていることが多いのですが、極めて良好な数字です。
※ 最近、ちょっと意地悪の癖がつきまして、マジェのアンチャンたち見かけると、わざと信号であおって、青に変わったとたんブッチギリ。相手が首を傾げるのを見るのが快感になってしまいました。バカオヤジ。
皆さんとツーリングに行ってきました。 6/22
前回のソロに続き、今回はスポーツスクーター軍団と一緒にツーリングに行ってみました。首都高、中央高速経由で奥多摩のワイディングに初挑戦です。
スピードや、パワーはランナーに充分付いていけることは判っていたのですが、ワインディングは初めての挑戦です。
そんなに心配もしてませんでしたが、思ったとおり、峠も充分楽しめます。独特のフロントサスの動きは、ちょっとオーバーステア気味で、「クルン、クルン」とコーナーを曲がってくれます。腰砕けになる感じは全くありませんし、何より一番心配していたバンク角も充分です。チューンドランナーの皆さんに無理して付いくことはあきらめ、亀さんチームの皆さんを先導するレベルでは全く問題無く、今回はどこも接地せずに楽しく走れました。
今回、高速道路も皆さんのペースに合わせてみました。中央高速談合坂付近、東京方面の下り坂では、130km/hまで出してみました。しかし、その状態を保ったり、それ以上がんばったりするにはちょっと勇気が必要です。フロントサスの剛性とキャスター角のせいだと思われますが、直進安定性を維持するには、歯を食いしばる必要があります。
私はあくまでも、限界性能がどのへんなのかを見極める必要があるので、ちょっと無理もしますが、普通の「平和的レベルでの使用」を考えれば、必要にして充分な性能と言って良いでしょう。オトナの乗り物なんですよね、これって。
一般的な「オトナの走り」をすれば、自分だけの「牧歌的世界」に浸れること請け合いです。
こんなお客様もいらっしゃいました。
プロの格闘家、野地竜太選手。
あの、ムサシとも互角に戦ったという、猛者です。私、失礼ながら、格闘技はほとんど見ないので存じ上げなかったのですが、たまたま格闘技ファンの常連さんが店に居て、ご本人が帰ったあと大騒ぎです。
「今の人よく来るの?」「何度か修理で来てくれたよ。今日はGT買ってくれた。」「あの人ノジだよ、ノジ。」「え?誰それ?」知らないというのは恐ろしい…。今度から見て、応援します。
LINK
当店常連十河氏のホームページです。
とっても写真がきれいなプロの技をご覧あれ。
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