3.その他厚生省側の資料

 

3.1.「いわゆるAIDS第一号患者」に関する山崎委員長コメント(平成8年9月24日)

3.2.新しい献血制度の推進について
(1986年4月5日 薬発第307号 各都道府県知事宛て厚生省薬務局長通知)

3.3.献血時における問診の強化等について
(1986年1月24日 薬発第10号 各都道府県衛生主管部(局)長宛て厚生省薬務局生物製剤課長通知)

 

3.1.「いわゆるAIDS第一号患者」に関する山崎委員長コメント(平成8年9月24日)

 

 本日、エイズサーベイランス委員会において、「いわゆるAIDS第一号患者」について検討し、次のような結論に達した。

1 (社会的動き等も含めた「いわゆる一号症例」の評価)

 現在から振り返ってみるに、当時の論文発表、新聞報道等も勘案すると、昭和59年に厚生省AIDS調査検討委員会に最初の症例報告がある以前に、既にAIDSと疑わしい症例の論文発表等があったが、その後の調査で多くはHIV抗体検査が陰性であった。中にはHIV抗体陽性者であることが判明した例もあるが、これらの症例に関しては「厚生省HIV感染者発症予防・治療に関する研究班」の調査の中に含まれていることがわかった。
 しかしながら、今回は同委員会に報告されたものについてのみ検討を加えることとした。

2 (当時の診断基準について)

 昭和60年当時、厚生省AIDS調査検討委員会においては、昭和59年3月に厚生省後天性免疫不全症候群(AIDS)の実態把握に関する研究班が作成した「AIDSの臨床診断の手引きAIDSの免疫学的診断の手引き」に基づき、報告のあった症例の検討が行われていたが、当該手引きは、AIDSの病態の解明が進められている中で作成されたものであり、

1.免疫学的検査結果及び日和見感染症等臨床症状の有無により判断し、現在の診断の基準のようにHIVのウイルス学的検査結果が明記されていないこと
2.正確な診断を行うために必要な具体的な合併疾病名、検査に関する数値基準を示していないこと

等、現在の基準と比べて不十分なものであったと言わざるをえない。

3 (厚生省AIDS調査検討委員会への報告事例の検討)

 昭和59年当時、厚生省AIDS調査検討委員会に報告があった症例につき、いわゆる順天堂大学症例、帝京大学症例を含む最初の7例につき検討したところ

1.最初の4症例については、日和見感染症が存在しない例、T/Ts比が低下していない例、HTLVV抗体検査結果が不明又は記載されていない例などであったことなどから、当時AIDSでないと判断されたことは妥当である
2.5番目に報告があった順天堂大症例、6、7番目に報告があった帝京大症例については、それぞれ日和見感染症が存在する、T/Ts比が低下している、HTLVV抗体、LAV抗体検査が陽性である等の理由により、同委員会で「AIDSである疑いが極めて濃い」と判断されたことは妥当であるとの結論に達した。

4 (総合的評価)

 したがって、当時のAIDSに関する医学的知見に乏しい状況の中で、AIDS調査検討委員会の判断は、当時の判断としては妥当であったと考えられる。
 AIDS患者については、当委員会への報告順で考えれば、いわゆる順天堂大学症例が報告の第一例目であり、また、当委員会への報告例の中での発症順で考えれば、帝京大症例の方が古いことになる。


「第1号患者」認定時期の動き

昭和58年 6月 徳島大症例が日本小児科学会徳島地方会で発表される。(同年7月12日に新聞報道された2名については、平成元年3月頃に1名はHIV感染者であることが、1名はHIV感染者でないことが判明)
7月初旬 徳島大症例が四国医学会で発表される。
7月 5日 報告例6死亡
7月12日 徳島大学2症例が新聞に掲載される。
7月18日 厚生省後天性免疫不全症候群(AIDS)の実態把握に関する研究班が報告例6を「ステロイドホルモンを使用しており、また、カポジ肉腫も認められていないのでAIDSとはいえない」と認定。
7月30日 LANCETに高知医科大学グループ論文「ATLV IN JAPANESE PATIENT WITH AIDS」が掲載。(後にHIV感染者でないことが判明)
8月16日 高知医科大学症例が新聞に掲載される。
昭和59年 3月 厚生省後天性免疫不全症候群(AIDS)の実態把握に関する研究班が「AIDS臨床診断の手引きAIDSの免疫学的診断の手引き」を発表
「血友病患児の免疫学的検討」及び「補充療法中の血友病患者にみられるT細胞サブセットの機能異常」が掲載された「厚生省特定疾患『免疫不全症候群』に関する調査研究班昭和58年度研究報告書」が出される。(後者の論文に掲載された14症例のうち、数例がHIV感染者であることが後に判明)
9月28日 第1回AIDS調査検討委員会
  議題 今後の委員会の進め方について
11月10日 報告例3.死亡
11月27日 報告例7.死亡
11月29日 第2回AIDS調査検討委員会
  議題 検査機関の選定について
12月28日 新潟県より報告例1.及び2.についての調査票受理
昭和60年1月 7日 東京都より報告例3.についての調査票受理
1月17日 東京都より報告例4.についての調査票受理
2月21日 第3回AIDS調査検討委員会
  報告例1.否定(後にHIV感染者でないことが判明)
  報告例2.否定(後にHIV感染者でないことが判明)
  報告例3.検討継続
  報告例4.否定(後にHIV感染者でないことが判明)
2月22日 東京都より報告例5.についての調査票受理
3月22日 第4回AIDS調査検討委員会
  報告例3.否定(HIV感染者であったかどうかは不明)
  報告例5.(いわゆる順天堂大症例)「AIDSである疑いが極めて濃い」
        (後にHIV感染者であることが判明)
4月 2日  東京都より報告例6.及び7.についての調査票受理
5月30日 第5回AIDS調査検討委員会
  報告例6.(いわゆる帝京大症例)及び7.「AIDSである疑いが極めて濃い」
        (後にHIV感染者であることが判明)

 


3.2.新しい献血制度の推進について
(1986年4月5日 薬発第307号 各都道府県知事宛て厚生省薬務局長通知)

 

 新採血基準(採血及び供血斡旋業取締法施行規則の一部を改正する省令(昭和61年厚生省令第1号))の施行については、先に通知したところであるが、本年4月より従来から実施している200ml献血のほか、新たに400ml献血及び成分献血の導入による新しい献血制度を推進するとともに、本事業の円滑な推進を確保するため、400ml献血及び成分献血の推進普及事業、献血者の健康増進事業、献血者登録制度推進事業、献血推進基盤整備事業等を実施することとしているので、貴職においても、新しい献血制度の推進について特段の御配慮をお願いする。
 また、血液代金自己負担金支給事業については、昭和49年度より実施してきたところであるが、昭和61年3月31日限りこれを廃止したので、御了知願いたい。
 なお、これに伴い、昭和49年5月15日薬務局長通知薬発第432号「血液代金支給要綱について」は廃止する。
 おって、昭和61年3月31日までに輸血を受けた者については、なお従前の例によるものとするが、これらの者に係る血液代金支給の申請及び支給手続きについては、速やかに行われるよう御配慮をお願いする。

 


3.3.献血時における問診の強化等について
(1986年1月24日 薬発第10号 各都道府県衛生主管部(局)長宛て厚生省薬務局生物製剤課長通知)

 

 近年、わが国においてもAIDS患者の発生状況等に新たな局面が見られることに鑑み、今般、別添(写)のとおり日本赤十字社に対し通知したので、この趣旨を十分ご理解のうえ関係者への周知方について特段のご配慮を煩わしたい。

 

(別添写)

 献血時における問診の強化等について
(1986年1月24日 薬発第9号 日本赤十字社血液事業部長宛て厚生省薬務局生物製剤課長通知)

 献血事業の推進につきましては、日頃から格別のご高配を賜っております。
 さて、血液製剤によるAIDS(後天性免疫不全症候群)感染の防止については、献血時における問診の強化(昭和60年10月23日薬生第92号厚生省薬務局生物製剤課長通知「献血時における問診の強化等について」)及び全ての献血血液に対するAIDS抗体検査の実施(昭和61年9月18日薬発第775号厚生省薬務局長通知「献血血液に対するAIDS及びATL抗体の全数検査実施について」)などにより、血液製剤の安全性の確保を図ってきているところであります。しかしながら、我が国においてもAIDS患者の発生状況等に新たな局面が見られることに鑑み、献血血液の安全性確保に、より一層万全を期す必要があります。
 そこで、今後、更に献血に対する国民の深い理解と協力を得られるよう十分配慮するとともに、献血時における問診事項に新たに左記項目を追加し当該項目に該当する者についても献血を見合わせることとするよう早急な措置をお願いします。
 なお、この措置について貴管下各血液センター及び関係者への周知方について特段のご配慮をお願いします。

     記

 エイズ患者・保因者又はその疑いのある者との性的接触があった者。

(注)これらの者及び男性同性愛者等AIDSハイリスク・グループがAIDS抗体検査を希望する場合は、最寄りの保健所等で相談するよう指導すること。

 

(参考)
     お願い

○次の項目の中に該当するものがある場合は医師にお申し出下さい。

@肝炎(黄疸)にかかったことがありますか。
A6ヶ月以内に急性肝炎の患者と接触がありましたか。
Bいままでに梅毒・マラリア・結核・心疾患・腎炎・糖尿・アレルギーにかかったことがありますか。
C病気で輸血を受けたことがありますか。
Dいままでに特別の病気にかかったことがありますか。
E現在何か病気にかかっていますか。
F現在服用中のお薬がありますか。
G特に危険な職業に従事していますか。
H最近6ヶ月以内に海外旅行をしましたか。

○次の項目に該当する方は、献血できませんのでご了承下さい。

I1ヵ月以内に採血された方。
J6ヶ月以内に妊娠・出産・流産した方。
K6ヶ月以内に大手術を受けた方。
L72時間以内に抜歯をした方。
M次にあげる予防接種を受けた方。
  24時間以内のインフルエンザ・日本脳炎・コレラ・破傷風
N男性同性愛者、両性愛者及びこれらの人と性的接触があった方。
O麻薬、覚醒剤を使用している方及びこれらの人と性的接触があった方。
Pエイズ患者・保因者又はその疑いがある人との性的接触があった方。

注 NOPの方で検査を希望する方は最寄りの保健所等でご相談ください。

 


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