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■MILANO「ミラノ展」記者内覧会&開会式 |
会場:大阪市立美術館 会期:2005年9月6日[火]〜10月16日[日] |
■ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン/Page-1/Page-2/Page-3 |
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1595年、フェデリーコ・ボッロメーオがミラノ大司教となり、それまでのルネサンスの古典主義に発想を得たアカデミックな表現から、単純明解な造形表現へと革新的に転換、「ボッロメーオ風」と呼ばれる特徴的な絵画様式の誕生を促した。ボッロメーオに攘護された宗教画と並んで、肖像画や静物画も17世紀のミラノにおける特徴的な分野である。とくに静物画の分野においては、楽器を配した構図を好んで描いたエヴァリスト・バスケニスが際立った存在である。18世紀に入ると、ジャンバッティスタ・ティエポロらヴェネツィアから芸術家が重要な位置を占め、カナレットやフランチェスコ・グァルディといったヴェネツィアの画家たちの作品がミラノの収集家たちに愛好された。 |
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▲上左:ジュゼッペ・ロマーニ(?)
「籠を手にした老年の物乞い」1750年頃
油彩、カンヴァス 195×93cm ブレラ美術館
Pittore lombardo del XVIII secolo(recentemente attribuito
a Giuseppe Romani)/Vecchio mendicante con sporta
▲上中:ジョヴァンニ・バッティスタ・サッシ
「聖ラウレンティウスと聖カルロ・ボッロメーオをともなった聖母子」1747年
油彩、カンヴァス 283×164.5cm
ゴルジ・レダエッリ慈善協会、古文書・文化財部局
Giovanni Battista Sassi/Madonna con il Bambino e i
santi Lorenzo e Carlo Borromeo
▲上右:ロンバルディア地方の画家
「ルチア・ヴァルカレンギの肖像」1680年頃
油彩、カンヴァス 219.5×127cm
スフォルツァ城市立博物館、絵画館
Pittore lombardo/Ritratto di Lucia Valcarenghi |
▲下左:ロンバルディア地方で活動した北方の画家
「手に帽子を持った少年の肖像」1633年
油彩、カンヴァス 149×90cm
スフォルツァ城市立博物館、絵画館
Pittore nordico attivo in Lombardia
Ritratto di ragazzo con cappello in mano
▲下右:17世紀ロンバルディア地方の画家
「カ・グランダの中庭」1649年頃
油彩、カンヴァス 194×344cm
マッジョーレ施療院
Pittore lombardo del XVII secolo
Il cortile della Ca' Granda |
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1778年に落成したスカラ座は、ミラノの文化の象徴となった。この時期、ミラノはオーストリアとフランスの支配の間を揺れ動き、これを機にミラノはイタリアの国家としての独立を求める運動を先導する役割を果たすようになる。ナポレオンの支配下においては、
新古典主義の画家アンドレア・アッピアーニが首席画家となり、ナポレオンの数々の栄光を称える作品を描いて活躍、再びオーストリア
の統治下に戻ってからは、フランチェスコ・アイエツが透徹した明晰さを具えた肖像画やロマン主義があふれる歴史画を描いた。アイエツは、作家マンゾーニや音楽家ヴェルディらと交流、ミラノはイタリアの後期ロマン主義運動の中心となった。19世紀後半には、色彩分割描法
(ディヴィジョニズム)を用いてアルプスの風景を描いたセガンティーニもミラノに学んでいる。 |
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▲左上:ヴィンチェンツォ・ジェミト
「ジュゼッペ・ヴェルディの肖像」1873年
ブロンズ 65×60×68cm
市立リソルジメント博物館
Vincenzo Gemito
Ritratto di Giuseppe Verdi
▲左下:アンジェロ・インガンニ
「旧ドゥオーモ広場(コペルト)に面するフィジーニの列廊」1838年
油彩、カンヴァス 163×127cm
ミラノ博物館
Angelo Inganni
Veduta della piazza del Duomo con il Coperto dei Figini |
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▲上左:フランチェスコ・アイエツ
「ビエトロ・フランチェスコ・
ヴィスコンティ・ボッロメーオの肖像」1824年
油彩、カンヴァス 207×129cm
マッジョーレ施療院
Francesco Hayez
Ritratto di Pietro Francesco Visconti Borromeo
▲下:ジョヴァンニ・セガンティーニ
「水飲み場のアルプスの雌牛」1887年
油彩、カンヴァス 88×70cm
ミラノ市立近代美術館
Giovanni Segantini
Vacca bruna all'abbeveratoio |
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20世紀を迎え、ミラノはすっかり工業と金融の都市となった。
絵画においては、前世紀から続く色彩分割描法が肖像画や風景画、象徴主義的な作品にも用いられていたが、1909年には詩人マリネッティを中心に「未来派」が結成され、機械文明の持つ力強い運動表現が絵画や彫刻に取り入れられた。この前衛運動にはウンベルト・ボッチョーニやカルロ・カッラ、アキッレ・フーニ、マリオ・シローニら
多くの画家たちが共感を寄せ、静物画で知られるモランディも初期にはその影響を受けた。また、光沢ある金属といった工業素材を用いた彫刻家ファウスト・メロッティや、「非幾何学的抽象」の画家ルーチョ・フォンターナも20世紀のミラノを語る上で欠くことのできない芸術家である。 |
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▲左:アキッレ・フーニ
「市電から降りる男」1914年
油彩、カンヴァス 117.5×132cm
ミラノ市立現代美術館
Achille Funi
Uomo che scende dal tram |
▲手前:ファウスト・メロッティ
「彫刻 21番」1935年
ステンレス鋼 55×35×35cm
ミラノ市立現代美術館
Fausto Melotti
Scultura n.21 |
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■MILANO「ミラノ展」 |
会場:大阪市立美術館(天王寺公園内)会期:2005年9月6日[火]〜10月16日[日] |
■ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン/Page-1/Page-2/Page-3 |
■取材日:2005年9月5日 掲載:9月19日 ART SCENE/Street Artnavi |
■取材・写真・Webデザイン:ストリート・アートナビ 中田耕志 |
※上記の説明、写真キャプションは展覧会報道資料、展覧会図録、同展説明会を参考にしました。 |
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