2.北海道赤十字センターへの質問状

 

2.1.質問状(1997年4月12日)

2.2.その返答(1997年4月17日)

 

2.1.質問状

 

1997年4月12日
北海道赤十字血液センター御中
北海道セクシュアル・マイノリティ協会 HSA札幌ミーティング
代表 中條敏巳  三上貴子
〒065 札幌市東区北18条東3丁目14-109  電話・FAX 011-742-7719

質問状

 私たちHSA札幌ミーティングは、札幌を中心に活動しているセクシュアル・マイノリティ(同性・両性愛者、トランスセクシュアル、半陰陽)の権利獲得、セクシュアル・マイノリティについての正しい知識の普及、セクシュアル・マイノリティの孤独の解消とネットワーク作りのために、1989年に設立された市民団体です。当会は、国連にNGOとしてオブザーバー参加しているILGA(国際レズビアン・ゲイ協会)にも加盟している、ローカルエリア・ボランティア団体です。
 さて、今回突然このようなものをお送りしましたのは、貴センターが行っている献血事業において、献血者に対し配布している「献血いただいた方にお願い!」(同封させていただきました)の中に記載されている内容について、当会の意見及び質問をお伝えするためです。この配布物の中に記載されている「エイズ感染の可能性のある方」は、同性愛者やエイズに対する著しい無理解や偏見があるだけでなく、同性愛者やHIV感染者、エイズ患者への社会的な差別を助長するものである、きわめて有害な内容が含まれていると考えております。つきましては、以下の質問及び意見に対し4月17日(木)午後7時までに、当会にFAXにてご返答をお寄せください。 

1.内容に「異性との性的接触」には「不特定」という限定がつけられているにもかかわらず、「同性との性的接触」にはその限定がありませんが、これはなぜなのでしょうか。

2.そもそも性的接触によるHIV(エイズウイルス)の感染は、感染する可能性のある特定の集団(HighriskGroup)が存在するのではなく、コンドームの使用しない肛門性交等の危険な行為(HighriskBehaviour)によって、感染するということが科学的にも明らかであるにもかかわらず、特定のセクシュアリティーの性行為を「エイズ感染の可能性がある」と決めつけているのはなぜでしょうか。

3.このような内容の文書を、献血という広く一般市民に参加を募っている事業において配布し、社会的な偏見や差別を扇動しているという責任をどのようにお考えでしょうか。 

以上の質問に対するご回答をいただいた上で、貴センターの今後の献血事業の在り方について、直接事業責任者と話しあう機会をもちたいと思います。日程等については後日相談いたします。

 

2.2.その返答

 

平成9年4月17日
北海道セクシュアルマイノリティ協会 HSA札幌ミーティング
代表 中條敏巳 三上貴子 様

「献血いただいた方にお願い!」について(返答)

 血液センターが問診票の中に、エイズ感染の危険がある方を献血者から排除するべく質問を載せ、また電話での自己申告を要求しているのは、厚生省並びに日赤本社の指示によるものであり、北海道独自のものではありませんから、貴殿の質問ないし抗議は血液事業を総括している日本赤十字社に対してなさるようお薦めします。
 なお、担当は以下のとおりでございます。 

担当 日本赤十字社血液事業部 血液安全課

住所 〒105東京都港区芝大門1ー1ー3

  電話番号 03ー3437ー7509

  FAX  03ー3459ー1560

  北海道赤十字血液センター 献血部長 中瀬 俊枝

※なお、その後どのように本社から指示されているかというのを、中瀬さんという方に直接聞いてみたんですが、簡単にいえば、95年7月1日のPL法の改正によって、輸血の必要な患者さんにより安全な血液を供給するために、この項目を復活させたということでした。

 


advocacy#1-material#1.1.1. / material#1.1.2. / material#1.1.3.
advocacy#0(introduction) / advocacy#1(blood donation scandal) / advocacy#2(mental health) / advocacy toppage
analyse interminable startpage / preface / profiles / essays / links / mail