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スペイン卒業旅行:萩原美子の旅と美術館紀行
制作・Webデザイン:ストリート・アートナビ/掲載:2004年12月5日
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旅の回想編:1 旅の回想編:2 美術館編:1 美術館編:2
〈プラド美術館編〉PART:1
 絵を見ることが大好きな私にとっては、やはりこの旅でのメインイベントはプラド美術館でした。緑の多い公園のような場所に、存在感たっぷりに構えていて、「どうぞお入りなさい」と低い優しい声で招いてくれているような外観でした。

 前回のヨーロッパ旅行で西洋美術の魅力に惹き込まれ、色々な本を読んだり、美術史の授業をとったりして、以前よりも知識を得ている私にとって、本物を目の前にして歴史背景や画家の生涯を考えることは、とても濃密で意味深い時間でした。感激と興奮だけでなく、絵を見ながら落ち着いてじっくりと考えることができるようになったと思います。

 一番楽しみにしていたのが、ヒエロニムス・ボスの作品群でした。細部まで徹底的に見たり、絵の意図するモチーフやヒントを発見したりすることが好きな私にとって、後期ゴシックを代表する画家の彼の作品は絶好の鑑賞相手なのです。その中でも「快楽の園」はなんと見応えのある絵でしょう!?30分ほど眺めていてもとても見飽きませんでした。意味深なだけでなく、絵から漂ってくる不気味さと、それと隣り合わせのかわいさが好きです。500年も前にこの絵を描いた人がいるなんて信じられない!そして、500年たった今でも、しかも異国で生まれた私さえも、こんなに心を揺さぶられるってすごいことです!!時間も場所も関係なく、人に訴えかけることができる「絵」の素晴らしさを改めて実感しました。

 次にエル・グレコです。神聖な雰囲気や人物の迫力をつくり出す筆触に圧倒されました。でも私が1番ビックリしたのは絵の中の人物の瞳です。「十字架を背負うキリスト」のキリストの瞳を見たとき、一気に鳥肌が立って、自分の周りの空気と時間が一瞬止まったんじゃないかっていうくらいドキッとしたのです。あの瞳にはきっとグレコの解釈や意志が乗り移って今も生きているんだ、と思いました。

 そしてもちろんプラドと言えば、ベラスケスとゴヤです★二人の絵は予想以上に作品数があり、一つ一つがこれまた予想以上に大迫力なので、驚きと感動の連続で心が疲れてしまったくらいです!(萩原 美子 続き→

▲バルセロナ、モンジュイックの丘。(右が私)
いっぱい笑っていっぱい感動した3人の卒業旅行☆

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