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■ストリート・アートナビ取材:Art Scene |
■会場:第29回 佐藤勝彦 展 −不可思議 なんと偉大なるいのち−(入場無料) |
■会場:吉美画廊 大阪マルビル2F 会期:2008年12月6日(土)〜21日(日) |
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銀杏が落とす黄色い葉が地面を絨毯のように敷き詰める。山茶花の濃いピンク色が冬色の中にそっと小さく彩りを添える。明日で締切る年末ジャンボ宝くじに何とか光明を見い出そうとする人が並ぶ。リーマンショックから始まった不況の連鎖雲が日本全体を重苦しく被う。 ●豪放さと無邪気さと…。
そんな中、12月6日から大阪マルビルの2階にある吉美画廊に於いて今年で29回目を迎えた『佐藤勝彦展−不可思議 なんという偉大なるいのち−』が我が道を行くかのように泰然と開催されている。暗雲の中にぽっかり開いた隙間から光が射すように眩しく作品達が別世界のもののように輝いている。
佐藤勝彦作品の印象は身体ごと描いたような豪放さ、大地にしっかり根付いた大木のような力強さ。そして春の園庭に咲く花々ような華やかな色彩と墨色の黒とのコントラスト。そして時にはそれらを摘み取り踏み倒す子どものような無邪気さ。
●自分の人生と重ねる。
描かれている絵と共に在る言葉は作者自身への戒めか、それとも目に見えない偉大なるものへの祈りの言葉か…。作品の前に立つお客様が言われた言葉、「絵と一緒に書かれた言葉を読んでいると、ふと自分が歩んで来た人生と重なるところがあり共感する…」と。決して押し付けがましくなく、さらりとした文章だが「不二山萬歳」は独峰としての美しさと気高さを尊びながら、二つとない命の大切さを伝えようとしている。また可愛い子犬の絵の周りに書かれた言葉「ただまかせて前へ出るしかない」は今の世の後ろ向きの姿勢に反省を促すヒントとちょっぴり勇気を与えてくれる。
●父から娘へとつなぐ。
佐藤勝彦氏は68歳、作家として円熟味を増すばかり。吉美画廊での個展は今年で29回を数えるから、代表者との付き合いは長く波乱の人生も共有しているはず、お互いの子供達が小さい頃から顔なじみ。いつの間にか成長した互いの娘達が仕事のやり取りをするようになった。今展は吉美画廊の娘が奈良のアトリエに行き、多くの作品から彼女の新鮮な目で選んだ“吉美セレクト”になっている。少し傾向が片寄っているかもしれないが娘さんのカラーが出ているはずだ。 |
文:ストリート・アートナビ
中田 耕志(2008年12月17日) |
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■第29回 佐藤勝彦 展
−不可思議 なんと偉大なるいのち− |
SATO Katsuhiko Exhibition(入場無料) |
■吉美画廊 Yoshimi Gallery |
■会期:2008年12月6日(土)〜21日(日) 水曜日定休 |
■ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン |
■取材日:2008年12月16日 掲載:12月17日 ART SCENE/Street Artnavi |
■取材・写真・Webデザイン:ストリート・アートナビ 中田耕志 |
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