STREET ARTNAVI 取材・制作
サンちゃんの気まぐれスケッチ
連載:No.20(記念号)
善住 芳枝展 ZENJU Yoshie Exhibition
会場:ギャラリー白
会期:2003年10月27日〜11月1日

-大阪・西天満に秋台風が上陸・・・

作品:Sei-ryu(青龍)と作者:善住 芳枝氏
子供のころからスポーツより描くことのほうが好きっだと語る、善住氏は京都芸大を卒業後、神戸の中学校で美術の教師となり現在に至る。団体に所属せず、作品の発表は個展を中心にほとんど毎年やってきた。
油絵専攻で西洋の方から絵に入ったが、普段見ているものが京都や奈良などの日本古来のものであるせいか、自分が描くもの、作ったものを見ていると日本のものがはずせないことに気付く。それが自然に出てくると話す。
和紙に『水墨』で描く龍も好きだが、今は『色』が好き。

作品:Sanvu(珊瑚)145.5×112cm oil on canvas 2003
あくまで碧く透き通った珊瑚礁に巻き上がる竜巻き、紅い熱帯の花を容赦なく巻き込み散らす。
作品:Aere(嵐)
145.5×112cm oil on canvas 2003
夜の嵐、いきなりの暴風に破壊されわけも分からず大勢の命が散る。
作品:Vongfong(すずめ蜂)
130.3×97cm oil on canvas 2003
稔りの秋に襲った大風、すずめ蜂も狂ったように集団で舞い上がる。黄金の穂も収穫を前に風前のともしび。
作品:Un-ryu(雲龍)
145.5×112cm oil on canvas 2003
嵐を呼び雨を降らす龍。善住なりの描き方。
作品:Linfa4(蓮)
60.6×41cm oil on canvas 2003
ま夏の朝、蓮池も美しく水しぶきがあがる。
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善住 芳枝 略歴/profile of ZENJU Yoshie
1964年 伊丹市に生まれる
1987年 京都市立芸術大学美術学部卒業
個展
1990〜93年 ギャラリー白(大阪)
1991年 ギャラリー古川(東京)
1995〜96年 ギャラリー白(大阪)
1998〜2003年 ギャラリー白(大阪)
1998年 第一生命ギャラリー(東京)
1999年 TeNBA-A(大阪)
2002年 シィ・プラス プラス ギャラリー(大阪)
グループ展
1988年 IBM絵画イラストコンクール(ABCギャラリー・大阪)
1989年 ART LINE'89−絵画脱出展
(大阪府立現代美術センター・大阪)
1992年 '92兵庫の美術家(兵庫県立近代美術館・神戸)
1994年 セルフィッシュなミューズ−利己的な芸術神
(ひらかた近鉄アートギャラリー・大阪)
1995年 現代美術7人展
(伊丹市立美術ギャラリー伊丹・伊丹)
1995年 ウイメンズ'95
(大阪府立現代美術センター・大阪)
1995年 第3回画廊の視点'95
(大阪府立現代美術センター・大阪)
1997年 VOCA展'97−新しい平面の作家たち(上野の森美術館・東京) '97兵庫の美術家(兵庫県立近代美術館・神戸)
2001年 21世紀の表現 ART IN ART JAPAN(姫路市立美術館・姫路)
2003年 現代美術の斬新な切口展(比良美術館・滋賀)
受賞
1997年 VOCA展'97[VOCA奨励賞]
コレクション 第一生命ギャラリー、伊丹市

10月の最後に暴れ龍を二度も見た。最初は大阪市立美術館で開催されていた、円山応挙の『雲龍図』そして、月末にギャラリー白で出会った善住芳枝の『青龍図』だ。片や中国絵画の影響を受けながら日本独自の写生画を切り開いた作品。勿論、比較のしようもないが、善住氏は神の化身としての龍を西洋の手法と水墨の勢いで現代美術として表現した。

善住氏の作品の80%は、キャンバスを寝かして、絵具を落したり、まいたり、或いはベニヤ板の小片でストロークを描いたり、或いは雑巾で「バーン」と行った時に出来上がっている。後の20%は立て掛けてから始まる。

タイトルの台風の名前は日本の台風名ではなく、インターネットで見つけたアジアの台風名だ。『Sanvu(珊瑚)』『Vongfong(すずめ蜂)』等は広大で蒼い大平洋やどこかオリエンタルな語感がある。

作品に取り組む時、形とか構成とかがあるわけではなく最初に色や配色はある。ときには不安を感じるが「えいやー」と描く。濁りを気にせず好き勝手な方向にストロークする。絵具があらぬ方向へ飛び散ろうがそういう情況の中で自分のテンションが上がるのを実感する。

訪れた男性に作品の印象を聞いてみる。
「キャンバスに向かって元気に描いている姿を連想する。」「色彩が豊富で、線と面のからみ合いが力強い、以前は線のからみが少なかったが自由奔放に、出て来い出て来いと行った感じで今回は従来にない色が出て来た。画面から掘り起こす。或いはひっぱり出している。」「絵を作るのではなく本人の持っている内面を引き出している」と的確に応えてくれた。
善住芳枝氏の作品は大作になればなるほど、例えばギャラリーの壁面の周囲全部に描く時その才能がほとばしり真に大風となり『雲龍』が生まれる。

写真・文:サンちゃん

取材日:平成15年(2003年)10月31日

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