国立国際美術館 開館30周年記念展/30年分のコレクション
The 30th Anniversary : Collection of the National Museum of Art, Osaka
会場:国立国際美術館 [大阪・中之島] 


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会期:2007年1218日[火]〜2008年211日[月・祝]
ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン(報道内覧会/記者発表/記念式典/開会式)
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22.新たなる潮流−多様化する日本の現代美術
22.New Trends: The Diversification of japanese Contemporary Art
22.新たなる潮流−多様化する日本の現代美術
22.New Trends: The Diversification of japanese Contemporary Art
 名画に自らが入り込む自写像で知られる森村泰昌をはじめ、1980年代から現代まで国内外で活躍を続ける日本の美術家を中心に構成しました。抽象的であるよりも具象的傾向が強く、それぞれの物語が力強くあるいはひそやかに展開しています。
このセクションの主な出品作家:森村泰昌「肖像(ファン・ゴッホ)」、石原友明「I.S.M.(スカート)」、舟越 桂「銀の扉に触れる」、小林孝亘「Forest」、今村 源「2006-6 ダイブ」、横尾忠則「トライアングル・エナジー」、福田美蘭「モノクロームで印刷された花の静物画」、やなぎ みわ「アクアジェンヌ イン パラダイス II」、内藤 礼「死者のための枕」、「ヤノベ ケンジ「アトムカー(黒)」、伊藤 存「picnic」
※上の作家 やなぎみわと森村泰昌両氏の作品が、2008年(平成20年)1月26日〜3月23日迄、大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室で開催される『写真の美術 美術の写真』展で展示される、その案内ポスターを両氏の作品で大きく飾られている。
22.新たなる潮流−多様化する日本の現代美術
22.New Trends: The Diversification of japanese Contemporary Art
人にはひとの感じかた。
 3年前の2004年12月に国立国際美術館が中之島に移転して来た。竹をイメージした外観の造形性に圧倒された。地下1階にその根元があり空に向かって伸びている。国立国際美術館の前身は竹やぶを造成して作った万博記念公園の中にあったことを設計者のシーザー・ペリ氏は知っていたのだろうか。建築は未来に送るメッセージ、美術館のコレクションと共に受け継がれる。グランドオープンの記念特別展は『マルセル・デュシャンと20世紀美術』。記念の意味と美術館の認知のための集客は理解できたが、それ以降も『中国国宝展』『ゴッホ展』と続けて大型展が開催された。そして忘れていた頃、やっと待望の国立国際美術館のコレクションだけで全館を埋め尽くすという快挙が実現した。
 国立国際美術館は万博記念公園時代から通算して30年になる。最初の記念すべきコレクションは大阪ガスの寄贈品で『ジョアン・ミロの陶板壁画《無垢の笑い》』であった。今から8年前、美術館がまだ不便な万博記念公園にあった頃、世の中は平成大不況のどん底の中で、ある画廊のオーナーが自ら閉廊する時、ストリート・アートナビを新発信し始めた筆者に電話口でこう言った。「なんで、壁画のテーマが“笑い”か解るか?・・・大阪には笑いが必要なんや、生きて行くのは辛いから。なんで画廊があると思う?・・・画廊や美術館はせわしない都会のオアシスや!」美術商としての長年の経験から生まれたそんな言葉を最後に電話が切れた。ジョアン・ミロのポスターを部屋に飾っているが、その『無垢の笑い』を中之島の新しい国立国際美術館で見る度にそんな事を思い出す。
 現代美術って何だろう、現代アートを端的に説明できるはずも無く、まして芸術を言葉で表わすことができたらどんなにか楽であろうか。でもでも“そんなの関係ネェ、関係ネェ”。作品を前にして人それぞれの見え方や感じ方が違うから面白い。この展覧会シーンの取材のため、カメラと三脚を持って展示会場に入る。地下3階から見るように案内する係員の言葉に従って、現代彫刻作品を最初に見た、芸術も確かに進化すると思った。気に入ったアングルを写真に収めながら、23章に区分されたこれぞ国立国際美術館のお薦めコレクションを次々と見せて頂く。絵画、版画、彫刻、写真などが約400点も展示されている。地下2階の最終章の部屋《新たなる潮流−多様化する日本の現代美術》のやなぎみわ氏の写真作品《アクアジェンヌ イン パラダイス II》に昔に見た小磯良平作品の「バレリーナ」と同じ清楚で新しい表現世界の魅力を感じた。展示会場を去る頃には今迄味わったことのない喜びと興奮を覚えた。人の営みはこれほどまで切なく息苦しいものなか、そして素晴らしいものなのか。現代美術と国立国際美術館に栄光あれ。

文・ストリート・アートナビ 中田 耕志

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国立国際美術館 開館30周年記念展/30年分のコレクション
The 30th Anniversary : Collection of the National Museum of Art, Osaka
会場:国立国際美術館 [大阪・中之島]
会期:2007年12月18日[火]〜2008年2月11日[月・祝]
ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン(報道内覧会/記者発表/記念式典/開会式
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『30年分のコレクション』国立国際美術館 館長 建畠 晢(たてはた・あきら)
『国立国際美術館の30年』国立国際美術館 学芸課長 島 敦彦
取材日:2007年12月17日 掲載日:2008年1月23日
取材・写真・Webデザイン:ストリート・アートナビ/Street Artnavi 中田耕志
※上記の説明、写真キャプションは展覧会報道資料、展覧会図録、記者内覧会を参考にしました。

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