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孤高の画家の原風景「ゴッホ展」ゴッホ美術館/クレラー=ミュラー美術館所蔵
会場:国立国際美術館(大阪・中之島)会期:2005年5月31日[火]〜7月18日[月・祝]
ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン/Page-1/Page-2
取材日:2005年5月30日 掲載:6月2日 ART SCENE/Street Artnavi
新緑が鮮やかな5月30日、『ゴッホ展』の開会式が国立国際美術館(大阪・中之島)で大勢のお客様が出席し華やかな雰囲気の中で行われました。それに先立ち主催者側から記者発表・報道内覧があり展覧会の概要の説明と事前公開がありゴッホの心ときめく作品をじっくり観覧しました。既に東京会場では行列のできる展覧会として人気を博しましたが、本会場でも一般公開の初日の朝から入館待ちの列が出来るほど『日本人はゴッホ好き』を証明しました。その魅力とゴッホの天才と云われる由縁を見つけアートシーンとして掲載しました。(STREET ARTNAVI)
今回のゴッホ展は、画家の故郷、オランダが誇るゴッホ美術館とクレラー=ミュラー美術館の特別な協力によって実現したもので、暗い色彩による写実的な初期の絵画からまばゆい色彩による晩年の絵画まで、短い活動期間に次々と変貌をとげたゴッホ(Van Gogh 1853-1890)の絵画の流れを、両館の優れたコレクションを通してたどることができます。
また、今回の展覧会は、ゴッホの作品を、狂気の画家といった孤立したものとしてではなく、美術の歴史の一部として見直そうとする試みでもあります。ゴッホの傑作約30点のほか、ゴッホが影響を受け交流のあったミレー、セザンヌ、モネ、ゴーギャンなどの作品約30点、日本の浮世絵、さらに彼の制作環境をしのばせる当時の書物や雑誌など約60点を通して、ゴッホの創作活動の背景にも迫りながら、見る人に伝説的なイメージとは異なる、新鮮な「ゴッホ」が一つの存在として浮かびあがってくる展示になっています。

画家になる以前のゴッホを特徴づけるものは、宗教への情熱です。当時のオランダは、牧師たちが詩を書き文学や美術を論じるなど、宗教が文化の中心でしたし、父親は牧師でした。ゴッホはそうした環境の中で、本を読み、絵を見ていました。1869年16歳で美術商で働き始めますが、宗教への強い関心から、1976年23歳で辞めてしまいます。その後、牧師になることを望み、神学部を受験しようとしたり、ベルギーの炭坑で伝道活動をします。しかし、過度の情熱のため人々には受け入れられず、1880年27歳で、宗教を重くひきずったまま、画家となることを決意します。

画家になったゴッホはオランダ国内を移動しながら、各地の労働者の姿を描きました。エッテンでは農民を、ハーグでは街の労働者を、ニューネンでは織工を選んでいます。労働者を描いたのは、ミレーやイスラエルスなどの他の画家の作品や、産業革命後という当時の社会情勢や、宗教・文学の影響からです。1870年代のヨーロッパでは、農民の生活をテーマにした絵画が流行していて、美術商で働いていたゴッホは、そうした作品を見る機会に恵まれていました。苦境の中でも黙々と働き続きる織工を描いた作品は、ゴッホが考える芸術制作の比喩(メタファー)として見ることができます。

1886年3月初め、ゴッホがパリで最初に訪れたのは、ルーヴル美術館でした。パリに来るまで親しんでいたのが、レンブラントやミレーのような、暗く沈んだ色彩による絵画であり、パリはゴッホにとって前衛芸術の舞台ではなく、歴史的芸術の宝庫だったのです。しかしパリで生活するうちに変わり始めます。花の静物画などを通じて色彩の研究を行い、明るい色彩と奔放な筆触を用いて、移ろう光や大気を描く印象派の手法を、都市の風景で試します。また、ベルナール、シニャック、ピサロ、ゴーギャンなど、前衛的な絵画との交流を深めてゆきます。

ゴッホは読書家で、小説や美術の理論書を熱心に読んでいました。オランダ時代は、ドイツ系の文学作品に親しんでいましたが、パリ時代になると、フランス系の自然主義文学を中心に読むようになります。自然主義の作家たちは、当時目覚ましい進歩を遂げていた自然科学と実証主義の方法を活用し、同時代をテーマに客観的記録としての小説を創造しようとしていました。彼らの小説は、伝統的な価値観が支配していたゴッホの内なる闇に光を与え、近代的な価値観をもたらしました。
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取材日:2005年5月30日/掲載日:6月2日
取材・写真・Webデザイン:ストリート・アートナビ 中田耕志
※上記の説明、写真キャプションは展覧会報道資料、展覧会図録、同展説明会を参考にしました。
※作品写真提供:国立国際美術館

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