|
■NHK大河ドラマ特別展「天璋院篤姫展」 |
会場:大阪歴史博物館 会期:2008年(平成20年)4月19日[土]〜6月1日[日] |
■ストリート・アートナビ:展覧会シーン/Top-Page/Page-1/Page-2 |
|
トップ頁 |
|
-- -- |
|
|
|
●本展では、天璋院の装束・手回り品を中心に和宮所用の品も展示。雅な品々を通して、大奥での日常や二人の姿に想いを馳せていただきたい。 |
|
|
第三章:江戸城大奥 |
■
家定(いえさだ)没後、敬子(すみこ)は落飾(らくしょく)して天璋院(てんしょういん)と号しますが、若き将軍家茂(いえもち)の養母として、また大奥の総取締りとして、引き読き重責を担うこととなりました。 文久2年(1862)、家茂の正室として皇女和宮(こうじょかずのみや)が入輿(にゅうよ)します。いわゆる公武合体(こうぶがったい)のための降嫁(こうか)でした。この時、家茂・和宮は17歳でした。天璋院は若き二人の後見人的立場となりましたが、当初和宮との関係は微妙なものでした。朝廷の威光を背負った和宮の立場や、京・江戸の御風違いに起因するお付きの女中同士の反目等が、二人が歩み寄ることを妨げたのです。 しかし、聡明な両者は徳川家の置かれた危機的状況も手伝ってか、時を重ねるごとに歩み寄り、激動期の江戸城大奥で3千人とも言われる女性たちを束ねました。 |
|
|
|
|
-- |
|
|
|
●本展では、最幕末の政治情勢を徳川家を軸に検証し、それに対する天璋院の動向を明らかにする。自らの信念に従って行動する天璋院の姿に触れていただきたい。 |
|
|
|
|
第四章:幕府瓦解(がかい)〜徳川家存続への思い〜 |
■幕末の動乱の中、将軍家茂(いえもち)は挙国一致(きょこくいっち)して時局にあたるため、3度にわたり上洛します。天璋院はその間、和宮(かずのみや)とともに将軍不在の江戸城を預る事実上の主(あるじ)でした。 家茂が大坂で陣没し、替わった15代将軍慶喜(よしのぶ)は幕府権力の強化をうかがいますが、雄藩(ゆうはん)連合政権を目論む天璋院の実家薩摩(さつま)藩と激しく対立。その対立は次第に修復不能となり、世上は一気に倒幕(とうばく)へと傾斜します。 慶応4年(1868)1月、戊辰(ぼしん)戦争が始まり、自らの実家である薩摩藩が主力となった軍勢が江戸へ進撃するという悲劇的状況の中、天璋院は徳川家存続のため一貫して毅然とした態度をとります。そして官軍隊長へ宛て、必死の覚悟の嘆願書が差し出されたのです。 |
|
|
|
|
-- |
|
|
●本展では、江戸城開城後の天璋院の姿をたどり、彼女が一命を賭して願った徳川家の存続・発展の過程を概観します。 |
|
|
|
|
エピローグ:明治の天璋院 |
■慶応4年(1868)4月10日、天璋院は江戸城をでます。無念の思いの天璋院でしたが、その後田安亀之助(たやすかめのすけ)(のちの徳川家達(いえさと))に徳川宗家の相続が認められ、駿河(するが)府中70万石が与えられました。徳川家存続の重責を果たしたのです。 天璋院は、その後も旧幕臣の精神的後見人として徳川家を支えていきます。また、まだ幼い家達の養育には特に力を注ぎ、徳川家の行く末に確かな道筋を築きました。
明治15年(1882)、家達は天璋院の計らいにより結婚します。翌明治16年、自らの役割を全うし安堵(あんど)したかのように、その生涯を閉じました。
●断髪後の気骨溢れるその眼差しは、徳川家の行く末か、はたまた郷里の原風景であったのだろうか。 |
|
|
|
|
|
寄稿文:『天璋院篤姫展を観て』酒匂溪香(さこう・けいか) |
●器の大きさは、ずいぶん異なりますが、篤姫様と同じく薩摩おごじょ(女性)であることと、友人がNHK大河ドラマ「篤姫」の薩摩ことば指導を担当していることで「天璋院篤姫展」には、とても興味があり、以前から是非観たいと思っていましたので楽しみに出かけました。
美しい婚礼道具、衣裳、愛用品、大奥や将軍ゆかりの品々が展示され、特に書状や歴史資料は篤姫の人柄に思いを馳せ、生涯を辿るのにとてもよい展覧会だったと思います。 中でも心に残ったのは、婚礼道具、官軍隊長宛書状、そして和歌短冊「秋懐旧」でした。 まず入口で迎えてくれる「貝合道具」
これは、婦女の貞節を象徴する代表的な婚礼調度品なので、一年七ヶ月という、あまりにも短い将軍との結婚生活を思うと、悲哀を感じずにはいられませんでした。その他の婚礼道具も、豪華であればあるほど、悲しく見えました。 次に、徳川の家名存続を嘆願した「官軍隊長宛書状」
「当家之土となり候は勿論・・・・」の件は、篤姫の心の内を思い目頭が熱くなりました。また、資料に釈文はもちろんのこと、口語訳が添えられている親切には感謝いたしました。 最後に、天璋院筆の和歌短冊「秋懐旧」
「思ひ出語りいてつつさらにまた御かけ忍ふの秋そかなしき」・・・亡き夫を偲んで詠んだのでしょうか。養父島津斉彬の使命を帯びた結婚、その夫は病弱で奇行が目立ったと伝わっていますが、「敬子(すみこ)と家定(いえさだ)の仲がよく世継の誕生さえ期待されている様子・・・」と図録の資料で知り、短すぎる結婚生活の中に、たとえわずかであっても、心穏やかに過ごした時間が与えられていてよかったと、安堵の思いでした。 今展は、同郷の好(よしみ)で思い入れが深く、美術品を観るというよりも、篤姫の人間性に触れる展でした。篤姫が、もし男性であったならば、薩摩の歴史も日本の歴史も違っていただろうと思いつつ・・・ いずれにしても、波乱万丈の生涯に「まこて、おやっとさあごわした!」(ほんとうに、おつかれさまでした)と心から言いたい。 また併せて、大河ドラマの舞台も薩摩から江戸に移り、純情可憐な‘あおい’さんが、いかに手腕を奮い、大奥を束ねて‘葵’を守っていくのか、その変貌に期待したいです。 酒匂溪香(さこう・けいか) :現代書道家・鹿児島県出身 兵庫県在住
◎次回個展予定:
イラストレーターとのコラボ展
会期:2008年8月22日〜30日
会場:ギャラリー縄(しょう)大阪市中央区南船場
◎最近の主な展覧会:
2007年10月『酒匂溪香 書展』「酒・クスシキモノ」:酒ミュージアム・酒蔵館)
2006年10月『酒匂溪香 書展』「マツリ酒」:酒ミュージアム・酒蔵館)
2005年10月『酒匂溪香 書展』「酒楽【さけほがい】」:酒ミュージアム・酒蔵館)
2004年10月『酒匂溪香 書展』「酒の香・墨の香・心の香」:酒ミュージアム・酒蔵館) |
◎薩摩ことば指導:西田聖志郎氏がNHK大河ドラマ『篤姫』第36回から、江戸幕府老中 板倉勝静役で出演が決定しました。楽しみですね。 |
|
|
|
|
▲展覧会の詳細は上の画面をクリック。 |
|
|
■NHK大河ドラマ特別展「天璋院篤姫展」 |
会場:大阪歴史博物館 会期:2008年(平成20年)4月19日[土]〜6月1日[日] |
■ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン/Top-Page/Page-1/Page-2 |
■取材日:2008年4月18日 掲載:4月25日 ART SCENE/Street Artnavi |
■取材・写真・Webデザイン:ストリート・アートナビ 中田耕志 |
■寄稿文:『天璋院篤姫展を観て』酒匂溪香(さこう・けいか) (現代書道家・鹿児島県出身 兵庫県在住) |
※上記の説明、写真キャプションは展覧会報道資料、展覧会図録、同展説明会を参考にしました。 |
|
New▲展覧会シーン/2005年〜2008年 画面をクリック |
|
|
|
|
|