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(下段写真左から)早稲田大学教授:大高 保二郎(本展監修者)、大阪市立美術館 館長:蓑(みの)豊、読売新聞大阪本社取締役事業局長:白石 喜和、大阪市長:關(せき)淳一、スペイン大使館 公使参事官:セサル・アルバ・イ・フステル、読売テレビ事業局長:齋藤 敬(敬称略)
PRADO プラド美術館展−スペインの誇り、巨匠たちの殿堂−
〈記者発表会〉
■日 時:2006年4月26日(水)
■会 場:リーガロイヤルホテル大阪
■出席者:大阪市長:關(せき)淳一
     大阪市立美術館 館長:蓑(みの)
     読売新聞大阪本社取締役事業局長:白石 喜和
     読売テレビ事業局長:齋藤 敬
     スペイン大使館 公使参事官:セサル・アルバ・イ・フステル
     早稲田大学教授:大高 保二郎(本展監修者)
◎4月26日、新緑がみずみずしい中、大阪市北区のリーガロイヤルホテルに於いて『プラド美術館展』の記者発表会が行われ、展覧会の規模の大きさ、前人気を示すように大勢の報道関係者が集まりました。そんな中で關(せき)大阪市長、蓑(みの)美術館長の挨拶は、大阪市立美術館の開館70周年記念の最大行事として『プラド美術館展』を開催することの自信と喜びに溢れ、熱の入った力強さを感じさせるものでした。特に印象に残ったのは大高教授(早稲田大学/本展監修者)のスライドによる代表的な作品の説明で、各々の作品のエピソードや魅力を語りながら、画家たちがモチーフに取組む姿勢において新しい見方を示唆するものでした。
ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス、ベラスケス、ムリーリョ、ゴヤ・・・。
52作家81作品を一挙公開。
DE TIZIANO A GOYA, OBRAS MAESTRAS DEL MUSEO DEL PRADAO.
プラド美術館は世界有数の美術遺産を誇る美術館です。ただ、ルーヴル美術館や大英博物館といった網羅的な美術館とは趣が異なります。歴史と伝統のヨーロッパ芸術が最も輝いていたとされる時代の美術品を中心としたコレクションが特徴です。
◎大阪市長:關(せき)淳一

・昭和11年に開館した大阪市立美術館にとって開館70周年の記念の年にスペイン大使館、プラド美術館の協力を頂いて、多くの所蔵品の中から代表的なゴヤ、ベラスケスを始め、世界の人々を魅了する52名の作家81点を展示します。日本でも馴染みの深い名画を身近に鑑賞できる絶好の機会です。また、プラド美術館のファンも多いので期待されていると思う。日本とスペインが友好関係になることを併せて期待している。一人でも多くの来館者が大きな感動を持って帰って頂くことを期待している。(挨拶より要旨)
◎読売新聞大阪本社取締役事業局長:白石 喜和

・東京の折(2002年西洋美術館で開催)は、50万人が入場した。関西の人からご要望あったが、この度、西日本で開くことが実現、現在、東京都美術館で14万人が入場した。一日当たり、5663人、50万を越えて60万に向っている。プラド美術館のコレクションからティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス、ゴヤ、ベラスケスなど前回を上回る内容になっている。会期中、講演会、ミニコンサート、スペインフェアとしての大道芸等もあり、スペインと親しむ機会を利用して欲しい。(詳細は→ここから(挨拶より要旨)
◎スペイン大使館 公使参事官:セサル・アルバ・イ・フステル

・出席者に向って「皆様はどう思われるでしょうか。」展示されている作家はこの展覧会をどう思うでしょうか。それは、三つの言葉に集約されます。『誇り』『驚き』『感謝』です。まず『誇り』は世界最高のスペイン王室によって購入されたことです。次に『驚き』、それは作家はモチーフを選択出来なかったが、いま世界から絶賛されている。『感謝』の意味は外国の新聞社から展示されているとは夢にも思わなかったでしょう。当時の画家は日本という国の存在も知らなかった。今年はイエズス会フランシスコ・ザビエルの生誕500年にあたりますがザビエルはキリスト教は布教できなかったがキリスト教を知らしめた。プラド美術館を多くの方に知って頂きたい。ムーチョ(挨拶より要旨)
◎大阪市立美術館館長:蓑(みの)

・皆様のお力添えのもと本館の開館から数えて70年を記念して、世界を代表する美術の一つヨーロッパ絵画のベラスケス、エル・グレコ、ティツィアーノ、ルーベンス、ゴヤ等の展覧会を80日間開催します。プラド美術館は1819年に開館、日本では江戸時代の文政2年、ヨーロッパ絵画の宝庫として誇っている。個人的にも先に訪れている。スペインは食べ物等も日本人に人気がある。スペインの黄金時代の作者とその作品が一堂に会します。錚々たる巨匠達で、歴史に残る最高の作品を展示することが出来、大阪市民が見れる機会に多くの子供たちに感動を与えたい。(挨拶より要旨)
◎早稲田大学教授:大高 保二郎(本展監修者)

・プラド美術館はスペインの王室コレクションが基盤、ハプスブルクとブルボン王家が中心。それはベラスケス等の宮廷画家を中心とするスペイン派、ティツィアーノ等のヴェネツィア派、ルーベンス等のフランドル絵画と分けられる。スペインの現地の新聞が「現在、東京にプラドの支店ができた。名作がプラドの壁からはずされて消えてしまった、半年もなくなる。」と記事にしている。ハプスブルク王室コレクションは1819年(文政2年)に始まるが、当時の美術館は 今日のように庶民的なものでなく、サロン的雰囲気の贅沢な趣味であった。ダリやピカソも訪ねて鑑賞している、画家達の脳みそをかなり大きく揺さぶった美術館。スペインの内戦の時、中立国のジュネーブに疎開した。1939年大プラド展(スイス)を開催。内戦中にピカソが館長職に付き、その後にゲルニカを描いた。もし館長職をやっていなかったらゲルニカは生まれなかったかも。(挨拶より要旨)
・出品作品の説明(スライドを使って)
◎ティツィアーノ「皇帝カール5世と猟犬」1533年
人物の存在感が素晴らしい、ヨーロッパを股に掛けて戦った皇帝。スペイン王家の貴重な作品。
◎サンチェス・コエーリョ
「王女イサベル・クララ・エウヘニアとカタリナ・ミカエラ」
1575年
フェリペ2世の二人の王妃、宮廷の肖像画でリアルな表現、人物の配置は絶妙。
◎エル・グレコ「十字架を抱くキリスト」1597/1607年
グレコの代表作、天を仰いだドラマチックな表現、ブルーと赤のコントラスト。
◎スルバラン「ボデゴン」1658/64年
各々の物の材質感を描いている。
◎ベラスケス
「道化ディエゴ・デ・アセド、“エル・プリモ”」
1635-44年
ベラスケスはフェリペ4世の肖像画家であるが道化たちの肖像画も国王に劣らず情熱を傾けて描いている。ある距離をおいて客観的に描いている(慈愛を持って描くのではなく)。人物を描けば彼の右に出るものはないと言われる最高の画家。作品は荒っぽく描いているが、ある距離を持つとリアルに描かれている。
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◎ルーベンス「ヒッポダメイア(ディダメイア)の略奪」1637年
豊満な肉体とダイナミズム。ルーベンスは工房作でできているのが多い中、完全なルーベンス一人だけの作品。ヨーロッパ人の好みの本質が分かる。
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◎ムリーリョ「貝殻の子供たち」1670/75年
人間の心を癒してくれるのも絵画の効用。愛らしい少年達、難しい説明の要らない宗教画。難しい宗教画をやさしい絵に置き換えるのがムリーリョの資質。(左の少年はイエス・キリスト、右の幼い少年は洗礼者ヨハネ、手前は神の小羊。上部は天使達。)
◎ティツィアーノ「アモールと音楽にくつろぐヴィーナス
〈ヴィーナスとオルガン奏者〉」
1555年
日本では以前なら地下鉄ポスターや公の場で許されない。見ようによってはきわどい官能的な絵。王や皇太子が見る時は、特別室(リザーブされた部屋、一番奥の隅っこにある)を作って見ていた。猥雑をさけるためヴィーナスは天使の方を向けている。16世紀の後半はまだ節度があった。オルガンは調和、ハーモニーを表す。背景はアルカディア(理想郷)を描いている。
◎メングス
「大公女マリア・テレサ・デ・アウストリア」
1771年
新古典主義をスペインに移植した。緻密に正確にモデルを描いている。(シルクの衣裳、鳥かごのオームなど)
◎ゴヤ「魔女の飛翔」1797-98年
ゴヤは上昇志向の強い人。民間では魔女伝説が信じられていた。支配階級の愚かさを描く。世俗的なものではなく人間とは何かとかではなく「深い闇」を見つめる。オスーナ公爵家のために描いた。
◎ゴヤ「アブランテス公爵夫人」1816年
オスーナ公爵夫妻の娘が描かれている。音楽と花のミューズで見立ての肖像。筆触分割の手法。(一本の線で描くのではなく印象派に先がけてタッチを残している。)
◎ベラスケス「ヴィラ・メディチの庭園、ローマ」1630-34年
ベラスケスのイタリア旅行中の作品、純粋に写生で描いた風景。大阪会場で夏に見ると蝉の声が聞こえてきそう。小品ながら味わい深い。

「関連イベント」→詳しくはここから
大阪市立美術館開館70周年記念 プラド美術館展
Masterpieces of the Museo del PRADO
会場:大阪市立美術館(天王寺公園内)
会期:2006年 715日(土)〜1015日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
夜間開館:7月〜9月の毎週土曜日は19:00閉館(入館は18:30まで)
主催:大阪市立美術館、読売新聞大阪本社、読売テレビ、
    国立プラド美術館、美術館連絡協議会

観覧料 当日 前売り・団体
一般 1,500円

1,300円
高大生

1,100円

900円

※団体は20名以上。中学生以下・障害者手帳等をお持ちの方は無料。
おもな前売券発売場所
電子チケットぴあ(Pコード686-593)、ローソンチケット(Lコード58641)、
CNプレイガイドほか各主要プレイガイド、コンビニ、イープラスなど
お問合せ:06-6771-4874 大阪市立美術館
ホームページ:http://www.city.osaka.jp/museum-art/
気軽になにわコール 電話 06-4860-7285(24時間 年中無休)
ホームページ:http://prado2006.jp/

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取材・写真・Web Design:2006年4月26日/掲載:5月8日
ストリート・アートナビ 中田耕志
※上記の説明、写真キャプションは展覧会報道資料、記者発表会を参考にしました。

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