artnavi.net：ストリート・アートナビ取材「小幡友貴展　～祈りのとき～　展覧会シーン02/OBATA Yuki Exhibition/会場：シティ・ギャラリー」PAGE-02 会期：2007年10月15日［月］～20日［土］

■OBATA Yuki Exhibition「小幡友貴展　～祈りのとき～」MIND OF PRAYER

会場：CITY GALLERY シティ・ギャラリー　会期：2007年10月15日［月］～20日［土］

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流水の向こうに飛天がすんでいる。
中国を経て、西洋に憧れ今、日本に回帰する。

「飛天遊泳図」小幡友貴　2006年作。
遠目には、光琳模様と云われる尾形光琳の描く、国宝『紅白梅図屏風』の流水が画面全体に描かれているように見える。ところが画面に近づくと今度はそこには天女らしき者の姿が見えてくる。仏を讃える飛天、花を手向ける、仏に散華する。空中を飛び回るのではなく、水中を遊泳する飛天が現れた。

作者独自の飛天が水中を遊泳する。
作者は飛天を描くにあたり、法隆寺の図録や天寿国繍帳（てんじゅこくしゅうちゅう）の断片、国立東京博物館で見た昔の飛天を参考にした。奈良・薬師寺三重塔の水煙や或いは遠く中国・敦煌（とんこう）の莫高窟（ばっこうくつ）の飛天を調べ比較した。そして時代や地域によってその姿や表情、構図が変化することを知り深く飛天に魅入られながら閃きを得た。
「飛天遊泳図」は自分なりの飛天を描こうと、構図や配色を納得するまでエスキースを何十回も繰り返しながら全体の構想を固めた。気持ちの上では颯爽と飛ぶ飛天ではなく、どんよりとした異空間で泳いでいる、遊んでいる姿を描きたかった。
「飛天遊泳図」は風雪に耐えた古いマチエール、説明のない空間が直感的で飛天の本質を極めながらユニークで新しい飛天図を描いている。作者小幡友貴が汗をたっぷり流したことを物語っている。感覚で作っている作者の姿も見えてくる。世界に充分学んだ日本のアーティストが今、自らの中にモチーフを見つけ自己実現と世界に発信しようとしていることに感銘を受けた。

STREET ARTNAVI　中田耕志

■OBATA Yuki Exhibition「小幡友貴展　～祈りのとき～」

・会場：CITY GALLERYシティ・ギャラリー

・会期：2007年 10月15日［月］～20日［土］

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■取材日：2007年10月20日　掲載：12月15日　ART SCENE/Street Artnavi

■取材・写真・Webデザイン・文：ストリート・アートナビ中田耕志

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