公募展 第16回 松伯美術館 花鳥画展
会場:松伯美術館 [SHOUHAKU ART MUSEUM] 
会期:2010年210日[水]〜37日[
ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン(授賞式・講評会)
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公募展 第16回 松伯美術館 花鳥画展 授賞式
公募展 第16回 松伯美術館 花鳥画展 授賞式
公募展 第16回 松伯美術館 花鳥画展 授賞式
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【大 賞】
「彩」筑摩 和香子
「彩」筑摩 和香子
【優秀賞】
「生」前川 祥子
「生」前川 祥子
「君の知らない物語」小林 悟
「君の知らない物語」小林 悟
「夏の朝」楠瀬 和子
「夏の朝」楠瀬 和子
「誇り高く」小川 咲葉子
「誇り高く」小川 咲葉子
グランプリ(大賞)は筑摩和香子さん
アフリカハゲコウを描いた23歳の学生。
 春の陽気を思わせるこの2月10日に松伯美術館に於いて、公募展 第16回 松伯美術館 花鳥画展の授賞式がありました。
主催者、審査員、来賓、美術館関係者、報道関係者そして式の主役である受賞者と入選者らが誇らしく参列する中、花鳥画展を代表して松伯美術館館長の上村淳之氏の挨拶が始まり花鳥画の意義と応募作品全体の感想と講評、そして受賞者への励ましの言葉がありました。

 次に授賞式が執り行われ、大賞に輝いたのは、アフリカハゲコウを描いた作品『彩(いろどり)』の京都市在住の筑摩和香子さん、京都精華大学の大学院生で上村淳之氏から表彰状と賞金200万円の目録が授与されました。優秀賞の4名も同様にそれぞれ上村淳之氏から表彰状と賞金50万円の目録が手渡されました。入選者は20名。今回選ばれた25点の作品が第1展示室から第3展示室に展観され、早速に一般入場者の称賛の眼差しと感嘆の声を浴びていました。
 今回で16回目になるこの公募展は、『花鳥画の真にあるべき姿を考え、模索する50歳以下(第9回までは40歳以下)の若い作家達の育成と伸長を意図に』、昨年9月以来、作品を一般公募していたもので、この1月11日に締切り、この間に全国から96点の応募があり、上村淳之氏を始め現在日本画壇で活躍する高名な先生方6名の厳正な審査の結果、大賞・優秀賞が票の多いものから順番に決められました。
尚、今年度は大和文華館が改装中で、「文華ホール」が使用できないため、受賞作品を含む入選作品数が10点減らされ25点が選ばれ2月10日から3月7日まで松伯美術館のみで開催されます。
特別展示室には上村松園の『花見』『楊貴妃(ようきひ)』、上村松篁の『丹頂』、上村淳之の『鴫(しぎ)』が飾られている。何れの作品も上村家三代の画家の名品です。中でも『丹頂』は先頃NHKテレビで放映されたもので、雪景色の中、雌の鶴が首をかがめ休んでいる姿と首を伸ばし周りを警戒している雄の鶴の雌雄一対が展示され花鳥画の空間の取り方、粋(すい)を教えずして指し示しているようでした。

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「作品講評」
授賞式に引き続き行われた講評は審査員の上村淳之氏、岩倉 寿氏、小西道博氏の3名が参加され、主に上村淳之館長が中心に各展示作品を前に1点ずつ作者とその場の参加者に分りやすく手短に批評された。短い言葉の中に各々の作品の長所、また考慮する点を適確に話され小気味のよい時間だった。
上村淳之氏の講評全体に流れる基本的な考えは、描く対象をじっくり見つめ入り込み、空間や時間を共有し、流れる空気や温度さえ共に感じる境地に身を置くことで、対象との一体感が生まれる。そこから一生懸命に描くことではじめて作品に存在感とリアリティー、季節感のあるものが出来るということ。
また、ほとんどの絵に余白がない、花鳥画はそれを要求している。象徴表現が日本文化の根幹にある。物を見て客観的な美しさを表現、その上に造形性が要求されるという言葉が心に残りました。
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中央着物姿の清水千晶さんの作品『結実』は
中央着物姿の清水千晶さんの作品『結実』はまだ青いミニトマトが画面いっぱいに鈴生りに実っている作品、暑い日射しに誘われて姿を現わした銀とかげが画面の右下に小さく描かれていて目立っていたが、批評では「とかげは必要ない」とばっさり。
とかげはもしかしたら清水さんの分身かもしれない。
中央洋服姿の前川祥子さんは
中央洋服姿の前川祥子さんは去年の第15回では入選、そして今回は「優秀賞」に選ばれた。作品『生』は、秋から冬にかけての茂みの木々と色付いた葉の重なりを描いている。批評は、上村淳之氏が「作者がわりあい慣れ親しんだ場所、森が茂っている所で育ったことが伝わってくる」、岩倉 寿氏が「生の豊かさを感じる」、小西通博氏が「昔から自然と親しんでいる」とそれぞれから一言があった。
ドライフラワーや実際の花を作者自身で
ドライフラワーや実際の花を作者自身で縦長に画面構成して左右に余白を持たせた作品『花めく』の制作意図をマイクを持って上村淳之さんに具体的に説明する増本寛子さん。批評は「だから弱い、面白いけど存在感が薄い。」「ボディがあっても骨がない。」という言葉だった。
大賞作品展示風景
展示風景
展示風景
展示風景
展示風景
展覧会によせて

「松伯美術館花鳥画展」は当館の開館と同時に始まり、今回16回を数えるに至りました。

 16年を振返り、過去の大賞・優秀賞を東京、名古屋に巡回し、更なる発展を目指しております。

 花鳥画というジャンルが東アジア独時の文化として発展し、今日尚、欧米には生まれてこない原因を視察する時、自らその固有文化の在りようを知る事が出来る。

 一木一草に神仏の宿りを感知し、自然に対する敬虔な姿勢の中で生まれたもの、そして人間のあるべき姿を教えられ、知り得た空間を具現化する事で芸術として機能するものでありましょう。

 自然の偉大さを知れば知る程、謙譲となり、つつましい姿勢は品位、品性を生む事となる。

 自己主張を過大に、然も目新しさを新鮮と錯覚する事の多い今日、選ばれた作品を通して、芸術の在りようを認識する一つの機会となればと願っております。

松伯美術館館長 上村 淳之

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公募展 第16回 松伯美術館 花鳥画展
会場:松伯美術館 [SHOUHAKU ART MUSEUM] 
会期:2010年210日[水]〜37日[
ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン(授賞式・展示作品講評)
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取材日:2010年2月10日(水) 掲載日:2010年2月16日(火)
取材・写真・Webデザイン:ストリート・アートナビ/Street Artnavi 中田耕志
※上記の説明、写真キャプションは展覧会報道資料、展覧会図録を参考にしました。

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