|
【大 賞】「彩(いろどり)」130.3×193.9cm
筑摩 和香子(ちくま
わかこ) |
Grand prize [IRODORI]
CHIKUMA Wakako |
1986年生まれ。京都市左京区在住。
2009年 京都精華大学芸術学部造形科日本画コース卒業
京展市長賞
京都精華大学修士課程日本画専攻在学中 |
■ |
ハゲコウという鳥の頭部だけ皮膚が露出し、体は羽毛で覆われた形態の面白さや、黒々とした翼を広げたときの迫力に驚かされ、その量感を表現しようと制作にとりかかりました。 鳥は陸の生き物でありながらも、宙を舞いどこへでも飛んでいける。そんな二つの空間を知り、行き来する生命がのびのびと生きる世界を表現できたらという思いを込めました。 |
|
■審査員の感想、講評から抜粋(敬称略) |
・大賞を受賞された「彩」という作品は、対象物をじっくり見て、対象から醸し出してくる美しさを素直に表現できており、それが新鮮に映りました。(小西
通博) |
・大賞作品は本当に良い作品だと思いますね。非常に存在感も強く、作家の想いを追求した質の高い作品です。非常に力強い作品であり、こうした作品が出てくることは嬉しいです。作者が女の子とは思わなかったくらいですよ。(上村
淳之) |
・このまま、どんどん突っ込んで描いていったら、良い作品をさらに描いていけると僕は感じましたよ。絵画的概念に全くとらわれていない。伸びやかで自信を持って突き進んで表現している。それが非常に効果的に出ています。(上村
淳之) |
・本当に素晴らしい作品ですよ。今の僕たちが真似しようとしても真似できない若さゆえに描ける新鮮さにあふれています。() |
・大賞受賞者は現在学生さんですから今後の成長が楽しみですね。(岩倉 寿) |
・本当に楽しみです。大丈夫、いい形で育っていくと思いますよ。(上村 淳之) |
・若い人が大賞をとることは非常にいいことだと思いますし、多くの人たちにとって励みになる。若い人と年代の上の人とが影響しあいながら活性化されていくというのが松伯美術館花鳥画展の特徴だといえますね。学生などの若い人が他の年輩層の人たちと同じ土俵で勝負してパッと出てきて大賞をさらっていくというのは、展覧会が活性化していく大きな要素に成り得ると思います。(宮廻
正明) |
・大賞、優秀賞を受賞した作品は調子の高さというのかな、質の高さを各々持っているように思います。そういうものが評価されるというのは、松伯美術館花鳥画展の大きな特徴ではないかと感じました。(福井
爽人) |
|
|
-- |
|
【優秀賞】「生(せい)」158.0×158.0cm
前川 祥子(まえかわ しょうこ) |
Excellent prize [SEI] MAEKAWA Shoko |
1987年生まれ。京都府相楽郡在住。
2009年 第15回松伯美術館花鳥画展 入選
第35回春季創画展 入選
第36回創画展 奨励賞
京都精華大学芸術学部造形学科日本画コース在学中 |
■ |
流れゆく景色の色に大地の生命を感じ、そこに静かに立ち並ぶ幹や、散ってゆく前に赤や黄に染まる葉をとても美しく、気高く思います。 次の新しい季節へと生命を繋ぐ植物の呼吸を感じ、生命のあたたかさや儚さを表現しました。 |
|
|
-- |
|
【優秀賞】「君の知らない物語」193.9×130.3cm
小林 悟(こばやし さとる) |
Excellent prize [KIMINO SIRANAI MONOGATARI]
KOBAYASHI Satoru |
1985年生まれ。京都市右京区在住。
2007年 第7回佐藤太清賞公募美術展、日本画の部入選(以後09年)
2008年 第4回前田青邨記念大賞展入選
京展入選。
京都造形芸術大学大学院在学中 |
■ |
私は風景をよく描いています。なぜなら自然は色々な表情を見せてくれておもしろく、また様々な描き方も教えてくれます。そしてなにより自然を描いていると自然と一体になっているような時があり、自然からエネルギーを貰っている様な気がしています。その自然の呼吸や動き、そして神秘的な所などを少しでも表すことができたら良いと思いました。 |
|
|
-- |
|
【優秀賞】「夏の朝」130.3×193.9cm
楠瀬 和子(くすせ かずこ) |
Excellent prize [NATSU NO ASA] KUSUSE Kazuko |
1960年生まれ。京都市左京区在住。
1986年 京都市立芸術大学美術研究科日本画修了
1997年 京展 市長賞
全関西美術展二席 (以降98年一席、99年二席)
2002年 全関西美術展 読売新聞大阪本社賞
日展会友 |
■ |
日本画を始めてすぐの頃、きゅうりを描きました。その時大変難しかったことを思い出します。それから後、描きたいと思いながらなかなか描けず何十年も経ってしまいました。 今回、早朝にきゅうりを見た時の想いを大切に描いたつもりです。 |
|
|
-- |
|
【優秀賞】「誇り高く」129.3×192.2cm
小川 咲葉子(おがわ さよこ) |
Excellent prize [HOKORI TAKAKU] OGAWA Sayoko |
1988年生まれ。京都府相楽郡在住。
2009年 第35回京都春季創画展入選。
第36回創画展入選。
京都精華大学芸術学部造形学科日本画コース在学中 |
■ |
沈丁花。まだ寒さの残る春の庭で、どんなはなやかな花より早く咲いたその姿に、はっとさせられました。それは決して自慢や媚びではなく、自分たちの誇りだけを持って咲いているように見えました。 植物が私にみせてくれた色や形、香り、そしてそれ以上の美しさが、作品を見た人にも伝えられれば嬉しいです。 |
|
|