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 私、村上がメーカー、排気量、新旧など車種にこだわらず一般の人よりたくさんのバイクに乗れる立場を利用して、私なりの試乗インプレッシヨンを、語らせていただきます。皆さんのバイク選びの御役に立てればうれしいです。

 今回は、いよいよ本格導入開始のピアジオMP3に乗ってみました。スリーホイールのまったく新しい乗り物に話題騒然。成川商会さんの広報車両をお借りしたファーストインプレッションです。



PIAGGIO MP3 RL \965.000


右はオプションの大型シールド付き。



車体後部は同社のX-8そのままと思われます。収納スペースのシート下は後ろにフルフェイス一個、シート下にハーフが入れられます。トランクルームが貫通しているので長い物もOKです。



フロントのスイングロール機構も電子制御なので、インジケーターパネルはランプがいっぱい。

ハンドル左は普通のバイクとあまり変わらないものの、右側キルスイッチの下に付くスイングロックスイッチは大きな特徴。


フロントインナーの中央に光るシルバーのレバーがサイドブレーキ。大きなストロークでリアに付いた専用キャリパーを作動。


フロント2輪の奥はメカの塊。左右のホイールがいわゆる独立懸架なので段違いの場所は右の写真のような動きになります。


今までのバイクとは一線を画す革新的な乗り物MP3。3輪にした理由はどこにあるかと言いますと、一番は何といっても「安全性の確保」だと思います。車輪が3個になれば転倒という可能性がかなりの割合で小さくなります。

大きなホイールのバイクに比べて明らかに安定性の点で不利な小径ホイールスクーター。しかし、デザインの自由度やメットインスペースの確保というメリットは明らかで、こちらも捨てきれない。それなら小さいタイヤのまま安定性を確保する方法は何ぞや?という着眼点から生まれたのがこのバイクなのでしょう。




ファーストインプレッション
3輪ということから、大きな車体を想像されると思いますが、実際のサイズは国産の250スクーターより小振り。駐車スペースもマジェやフォルツァより大きく取る事はありません。

まず、またがった感じはまったく違和感の無い普通のバイク。イタリアのバイクにしては低いシート高で身長165cmもあれば充分。そして、そろそろと走りだしてみると、ここでもまったく普通のバイク。じゃあちょっとペースをあげて交通の流れに乗ってみてもやっぱり普通のバイク。あれ?と思うくらいに意外。

2輪のスクーターよりも重い車重ですが、加速がカッタルイということはありません。このあたりのセッティングは絶妙。普段GTS250を乗っている人が125LXを乗った時に、「遅い」とは感じても、「つまらない」と感じることが無いのと一緒です。

もちろん特徴が無いわけではありません。低速のときは倒しこみに少し抵抗を感じますし、ペースを上げていくと左右のフロントホイールが違った動きをしているのをほんのかすかに感じます。しかし慣れてしまえば3輪であることは忘れてしまう位のレベル。

交差点などを曲がるときのフロント接地感はさすがで、これなら相当ペースをあげても大丈夫でしょう。さすがにショー前日に私が壊すわけにはいきませんのでさほどには攻めませんでしたが、手ごたえは十分。

もうひとつ安全性に大きく貢献しているのが、ブレーキ。結果的にフロントは「ダブルディスク」となるわけですが、前が流れる危険性がほとんど無いので強力にできるのです。ピアジオのプロモーションビデオではジャックナイフしてるところが映っていましたが、慣れてくれば誰でもこんな技ができるようになるでしょう。



正直言うと海外のモーターショー情報や、インターネットでの画像などを初めて見たときに感じたのは「コレ物になるの?ちゃんとした製品で出てくるの?」でした。しかし、これほどの完成度で仕上げてくるとは思いませんでした。脱帽。



下はモーターサイクルショーで、トガワ氏が試乗している様子です。彼は元々、自身のGT200でもこれくらいの倒しこみをする人ですが、まったく新しい、まして人様のバイクを、乗ってから15秒でここまで攻め込めるのですから、その安心感が別物ということがお分かりいただけるかと思います。この後インストラクターには怒られましたけどね。

「結構楽しめるね、これ。」とは彼の弁。


図らずも、日本の法律のいわゆるグレーゾーンに位置してしまったこのバイク。自動二輪免許では乗れず、四輪普通免許が必要ということになってしまいましたが、いわゆる一般的なトライクとは全然違う乗り物ということをご理解いただき、ヘルメットは絶対に被って乗ってほしいものです。これは
「コケルことのできるバイク」です。


シティユース
「バイク届けてくれない?」
「じゃあ、乗って行っていいですか?」

っと、いうことで江東区豊洲から千代田区神田須田町まで、10kmに満たない距離ですが、街乗り体験をさせていただくことになりました。

ファーストインプレッションでお伝えしたとおり、発進その他の加速はちょっと重めながら、普通のスクーターと遜色の無い走りを見せます。操縦性も、本当に3輪であることを忘れてしまう。しかし、交差点でならんだ隣のライダーの視線で自分は変わったバイクに乗っているんだと実感させられます。

今回一番興味があったのが、オプションで取り付けた大型スクーリーンがハンドリングにどういった影響を与えるかでした。普通のバイクですと、もっと小型のスクリーンでも重心が変わってしまい、だいぶ違った感じになることが多いものです。

結果はどうかと言うと、一言で言ってしまえば「あにはからんや」でした。フロントのタイヤの数同様、スクリーンの存在をも忘れてしまう位のこの「普通度」はどうでしょう。倒しこみや切り替えしの重さが変わる事も無く、もちろんハンドルを取られることも無い。このバイクならではの性格と言っていいでしょう。

このバイクを納める時に一番心配していた、「バイクの免許を持たない人に乗せる不安」は、ここでもみごとに打ち砕かれたのでした。


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