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特別展『BIOMBO(ビオンボ)/屏風 日本の美』 |
−日本人の誇り
黄金の文化遺産− |
芸術の秋、大阪を金色にそして華麗に彩る。 |
紅葉のシーズン、今年の秋の美術イベントも今が盛り、大阪市立美術館では平安時代から近代までの100件の屏風の名品がきらびやかに豪華にそして芸術的に一堂に展示されています。 相撲の横綱の推挙伝達式や、歌舞伎役者の襲名披露そして結婚式など、日本の伝統的なシーンで活躍する金屏風ですが、そのルーツは、奈良・正倉院の《鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)》に始まることをご存知でしょうか。そのような由緒ある屏風が、最近、東京の落語家一家の離婚会見の場に使われたり、有名料理店の事件を評して、「商いも屏風も広げる程不安定になる」と上手い例えに使われたり、何故か頻繁に目に耳にします。屏風はコンパクトを旨に一瞬にして平凡な日常の場を晴れの場に変える不思議な調度です。『たちまち』と『変化』こそが屏風の最大のキャラクターと言えるでしょう。 美術館で100の屏風に囲まれてみませんか。
生まれてこの方あまり屏風に縁のない方も、尊いお方もこの機会にヨーロッパやアメリカの美術館からの里帰りの保存状態の非常に良い武者絵や、宮内庁三の丸尚蔵館から出品で狩野探幽筆の『源氏物語五十四帖屏風』をご覧になりませんか。武士の荒々しさと豪傑さ、平安貴族の雅な遊びの画面を見ていると、いつの間にか自分もその世界入っていることに気付くでしょう。まだまだあります。田植えや稲刈りを見ると百姓に、祇園祭を見ると引手や囃子方に、賀茂の競べ馬を見ると疾走する馬にまたがるジョッキーになっている自分がいます。南蛮図の前では馬上の騎士(ナイト)に、『関ヶ原の戦い』では、鎗を持って必死に戦っているかも知れませんね。切りがありません。あなたは100件の屏風の中の、どのシーンの主人公になれるでしょうか。
(STREET ARTNAVI 中田耕志) |
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●展覧会のみどころ |
●「BIOMBO」とは、「ビオンボ」あるいは「ビオボ」と発音し、ポルトガル語やスペイン語で「屏風」を意味します。日本の屏風が、近世初期の南蛮貿易で、輸出の品として盛んに海を渡り、西欧にもたらされていることを示しているといえます。
本展では、海外からの里帰り作品19件を含む約100件の屏風の名品(国宝2件、重要文化財22件)を展示します。江戸幕府がオランダ国王に贈った10件の屏風が初めて里帰りするほか、かつては一連の作品であり現在海外の美術館に分蔵されている屏風など、国内外の屏風の名品を一堂にし、日本の屏風の歴史を新しい視点から紹介し、国際交流の架け橋となった屏風を通じて、日本美術の魅力を再確認します。 屏風は風をよけたり、視線をさえぎる調度品として日本の生活空間の中で利用されてきました。その表面には華麗な色彩や墨の濃淡を用いてさまざまな絵が描かれ、美術品としても重宝されました。
屏風は大きな画面を持ちながらもコンパクトに折り畳むことができ移動が容易なことから、日本文化の中の多様な場面で多彩に花開きました。天皇の即位をはじめとした数多くの宮中儀礼でも重要な役割を果たし、貴族や将軍家の婚礼調度としても当時最高の絵師によリ新調されました。また出産の場では「白絵屏風」という特殊な屏風が使われ、臨終の時には屏風を天地逆さまに立てる「逆さま屏風」が行われました。 さらに日本の代表的な美術工芸品である金屏風は、中国や朝鮮、遠く欧米諸国へも贈答品として届けられました。ヨーロッパへ渡った屏風は「BIOMBO(ビオンボ)」と呼ばれるようになり、今日でもスペイン語やポルトガル語で使われています。屏風は国際交流の仲立ちを務めてきたのです。 本展は美術の歴史上、「屏風」の需要のされ方に初めてスポットを当てる画期的な試みです。この機会に日本が誇る黄金の文化遺産=屏風の世界をぜひお楽しみください。
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■特別展「BIOMBO(ビオンボ)/屏風 日本の美」−日本人の誇り 黄金の文化遺産− |
会場:大阪市立美術館 会期:2007年10月30日[火]〜12月16日[日] |
■ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン/TopPage/Page-1/Page-2/Page-3/Page-4/Page-5/Page-6 |
■取材日:2007年10月29日 掲載:11月23日 ART SCENE/Street Artnavi |
■取材・写真・Webデザイン:ストリート・アートナビ 中田耕志 |
※上記の説明、写真キャプションは展覧会報道資料、展覧会図録、同展説明会を参考にしました。 |
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▲展覧会の詳細は上の画面をクリック。 |
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