特別展「BIOMBO(ビオンボ)/屏風 日本の美」−日本人の誇り 黄金の文化遺産−
会場:大阪市立美術館(天王寺公園内)会期:2007年10月30日[火]〜12月16日[日]
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「日吉山王(ひえさんのう)・祇園祭礼図屏風」
六曲一双 室町〜桃山時代 (16世紀)東京・サントリー美術館蔵
※10/30(火)〜11/25(日)展示
一隻には近江坂本の日吉大社山王祭礼の神輿船渡御(しんよふなとぎょ)を、もう一隻には京都八坂神社の祇園祭、山鉾巡行と神輿渡御の先祭(さきのまつり)・後祭(あとのまつり)を描く。二つの異なる祭礼を組み合わせた珍しい屏風。筆致はやや荒いものの、人物の姿態や表情は生き生きと描写されており、画風からは土佐光茂工房周辺を想定できる。

上:「日吉山王・祇園祭礼図屏風」部分 東京・サントリー美術館蔵

海外からの里帰り作品19件を含む約100件の屏風の名品(国宝2件、重要文化財22件)を展示。
第1章の主な出品作品
国宝《山水屏風》六曲一双、平安時代(11世紀後半)、京都国立博物館蔵 ※11/27(火)〜12/16(日)展示
重要文化財《日月山水図屏風》六曲一双、室町時代(16世紀)、大阪・金剛寺蔵 ※12/4(火)〜12/16(日)展示
重要美術品《四季花鳥図屏風》狩野宗秀筆、六曲一双、桃山時代(16世紀)、大阪市立美術館蔵 ※12/4(火)〜12/16(日)展示
重要文化財《石山寺縁起絵巻》室町時代滋賀・石山寺蔵 ※(巻四)10/30(火)〜11/25(日)展示、(巻五)11/27(火)〜12/16(日)展示
第1章:屏風の成立と展開
第2章:儀礼の屏風
第3章:BIOMBOの時代
     屏風に見る南蛮交流
第4章:近世屏風の百花繚乱
第5章:異国に贈られた屏風
第6章:海を越えた襖絵と屏風絵

上:「日吉山王・祇園祭礼図屏風」部分 東京・サントリー美術館蔵 

第1章:屏風の成立と展開
屏風の歴史はいつから始まるのでしょうか?
現存する日本の屏風は、正倉院の《鳥毛立女屏風》にはじまります。それ以降に制作された平安時代、鎌倉時代の屏風のほとんどが失われ、正倉院の遺品をのぞけば、中世以前に制作された屏風は、《山水屏風》の数例が現存するのみです。展示の冒頭では、《山水屏風》の貴重な作例を紹介するとともに、室町時代に成立した六扇全体をひとつの画面としてとらえ、且つ左右で一対となる「六曲一双」という様式が確立されました。なかでも、《日月山水図屏風》は、大画面をいかした優品といえるでしょう。
 また、金屏風は室町時代の朝貢品の中でもとくに重要視されました。《四季花鳥図屏風》は、戦国時代の武将が明の皇帝に献上するために狩野元信に描かせた金屏風を髣髴とさせます。金地を背景とした屏風は近世に至るまで描き継がれ、多くの名品が生れました。
重要美術品「花鳥図屏風」伝秋月等観筆 六曲一双 室町時代 (16世紀)東京・サントリー美術館蔵
※10/30(火)〜11/18(日)展示

画面両端に松の巨木を配し、中央に種々の花鳥を描く。いわゆる伝雪舟筆「四季花鳥図屏風」の系譜に連なる作品。雉子、燕、雁、叭々鳥(ははちょう)などは、先行する花鳥図屏風にしばしば登場する姿で描かれ、おそらく同一粉本(ふんぽん)から派生した図様を下敷きにしていると思われる。筆者は薩摩出身で雪舟に学んだ秋月等観と伝承される。
左:「花鳥図屏風」部分
東京・サントリー美術館蔵

左:「京洛月次風俗図扇面流屏
風」
(きょうらくつきなみふうぞくずせんめんながしびょうぶ)六曲一隻 室町時代 (16世紀)光円寺蔵
※10/30(火)〜11/11(日)展示
川面を背景に多数の扇面を散らし、その風情を楽しむ扇面流しの趣向の屏風。現状、配置された二十四枚の扇面はおおよそ都の年中行事や名所を表現している。正月の左義長(さぎちょう)から五月の賀茂競馬(かもくらべうま)、六月の祇園祭山鉾巡行まで、歳の前半の行事が描かれ、失われた一隻と併せて月次(つきなみ)風俗を表わしたことがわかる。

上:重要文化財「巌樹遊猿図(がんじゅゆうえんず)屏風」式部輝忠筆
六曲一双 室町時代 (16世紀)京都国立博物館蔵
※10/30(火)〜11/11(日)展示

いわゆる「牧谿国猿(もっけいざる)」と呼ばれる手長猿が、樹木や岩石の上にさまざまな姿態、独特の表情をもって描かれる。筆者の式部輝忠は伝歴不明の謎の画家だが、きわめて個性的な作風を示す一連の作品を遺している。「猿づくし」とも言うべき特殊なモティーフの扱い方で一双の大画面を構成する式部の独自性を示す作品。右:「巌樹遊猿図屏風」部分
京都国立博物館蔵

上:重要文化財「厩図(うまやず)屏風」六曲一双 室町時代 (16世紀)東京国立博物館蔵
※10/30(火)〜11/11(日)展示

厩図という画題は、馬のもつ神聖かつ繁栄のイメージが制作の背景にあったものと思われる。本図は駿馬(しゅんめ)を描くにとどまらず、厩舎(きゅうしゃ)の手前に馬の世話をする人や将棋をさす人などの風俗描写を伴う作例。左隻には日本猿が描かれるが、これは馬を病気から守ると信じられたためのもの。
左:「厩図屏風」部分 
東京国立博物館蔵

展覧会の詳細は上の画面をクリック。
■特別展「BIOMBO(ビオンボ)/屏風 日本の美」 −日本人の誇り 黄金の文化遺産−
会場:大阪市立美術館 会期:2007年10月30日[火]〜12月16日[日]
ストリート・アートナビ取材:展覧会シーン Top-Page/Page-1/Page-2/Page-3/Page-4/Page-5/Page-6
取材日:2007年10月29日 掲載:11月23日 ART SCENE/Street Artnavi
取材・写真・Webデザイン:ストリート・アートナビ 中田耕志
※上記の説明、写真キャプションは展覧会報道資料、展覧会図録、同展説明会を参考にしました。

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