<選ぶのが困っちゃう〜>の巻

ひで(以下H)「あきちゃん見た?トニー賞。やっぱり楽しかったわ 。」

あき(以下A)「あたりまえじゃない。アッシにとっては<トニー 賞>は一大イヴェントよ。見逃すはずないでしょ。」

トモミ(以下T)「あたくし踊りたくなちゃったわよ〜。<コンタク ト>って言うの?凄いわよね。それから<アイーダ>のヘザー・ヘドリー ってのかしら?あの顔。ものすごくインパクトのあるお顔してらっしゃっ て。向こうは違うわね。」

しろう(以下S)「僕なんかチンプンカンプン。全部英語だったでし ょう。全然分らなくって。」

H「えっ!?しろう君家のテレビって英語だけで放送されるの?驚いちゃ ったな〜。」

S「そんな事ないんですけどね。外国物の番組を見ると殆んど英語なんで すよ。だから何時もチンプンカンプンなんですよね。」

A「あんたさ、あんたん所のテレビね、もしかして片方のスピーカーが変 じゃない?」

S「そう言えば片方からしか聞こえないかもしれませんね。」

T「いやだ、あんた。それって外国語の方が聞こえるスピーカーだけが動 いてんのよ。」

H「だからだよ、英語だけだったっていうの。」

T「そろそろ買い替えた方がよろしいんじゃなくって。」

S「そうなんですかね。もうすぐボーナスも出る事だし、新しいの買っち ゃおうかな〜。」

A「ボーナス。いやな響きね。アッシ、ボーナスのない生活をして早17 年。この時期になると何かやなのよ。みんな浮かれててさ。」

H「何言ってるの。毎日がボーナスのくせしちゃって。」

A「そんなんだったら本当に良いんだけどね。」

H「ところでさあ、これでアメリカの賞関係は一応終わったのかしらね。 あきちゃんどうなの?」

A「そうね、これで終わったのかしら。これから来年に向かって映画、演 劇界は新たなスタートを切ったって所よ。」

T「そう言えばあたくしね、アカデミー賞を見ていた時に、これ見たい! って思ったのがあるんだけど、もう終わっちゃったかしらね。」

S「トモミさん、何なんです?」

T「ほらっ、え〜と、あれよあれ。」

H「あんたこの頃記憶力悪くなったわね。歳のわりにはちょっと早いんじ ゃないの。」

T「そうなのよね。で、あれだってば。」

A「トモミ、どんなのだった?何かしら覚えてるでしょ。誰が出てたとか さ。」

T「そうなのよ。あれよあれ。ほら、あきちゃんが大好きなあの子。マッ トがでんぐり返しとか何とか言う人。」

A「でんぐり返し?なんのこっちゃ、それ。」

H「あきちゃん、それ、きっとマット・デイモンの事じゃないの?」

T「あ〜、あ〜、それそれ。それよ。マットがでんぐり返しって。」

A「いやだ〜、トモミ。アッシのマット様を忘れるだなんて。」

T「何でも良いじゃない。忘れっちまった事なんだからさ。それえ、その マット・何たらかんたらっていう人の出てるの。あれ見たいのよ。」

S「それだったら<ドグマ>ですよ、きっと。親友のベン・アフレックと 一緒に出てるやつですよね。」

T「そんな名前じゃなかったと思うんだけどね〜。」

H「あれよ、トモミ。一緒に行ったじゃない、<グッド・ウィル・ハンテ ィング/旅立ち>。あれに出てた主役の二人。彼らじゃないの?」

T「違うのよね。あの男じゃなくて、もっとキリッってしてるあたくし好 みのタイプでね、去年のアカデミー獲った女優も出てんのよ。」

A「な〜んだ、トモミ。それだったら<リプリー>でしょ。昔アラン・ド ロンが演った。」

T「そうなの?じゃ、それだわ。<リプリー>って言うのかしら?」

A「そう、<リプリー>。アラン・ドロンが演った時は<太陽がいっぱい >っていうタイトルだったけどね。それのリメイク。やっぱりアラン・ド ロンのあの役を演れるのはアッシのマット様よね。」

S「相手役はジュード・ロウ。アカデミーでは助演賞にノミネートされた よね。」

H「完全犯罪が最後でひっくり返るのよ。ビデオで見て面白かったよ。」

A「まあ、今度のは少しとらえ方が違うらしいのよ。アッシも楽しみにし てるんだけど。」

H「それより、やっぱ<ミッション・インポッシブル2>じゃないの?何 てったって、トム・クルーズが前作よりもっと逞しくてカッコイイらしい のね。」

A「前作もとっても面白かったしね。」

S「予告編見たんだけどスゴそうでしたよ。岩にぶら下がっちゃって。」

H「アクション・スターのトム・クルーズが誕生したって騒がれてるのよ 。」

T「あら。それも良さそうだわね。あたくしね、外国の方の鼻を見るとね 、触ってみたくなるのよ。トム・クルーズの鼻にも触ってみたいわね〜。」

A「何馬鹿な事言ってるのよ。ちょうどアッシがグアムに居る時に全米で 公開されたのよね。アッシが行ったグアムの映画館でも上映してたわ。」

S「じゃあ、あきちゃんはもう見ちゃったんですね。言わないで下さいよ 。今、誰と行こうか考えているんですから。」

A「残念でした。アッシね、<ミッション・インポッシブル2>は日本で もすぐやると思ってたから、ディズニーの恐竜映画<ダイナソー>を見て きちゃったのよ。」

H「何か言ってたよね、失敗したって。」

A「そうなのよ。CGの作品だったんだけど、子供の為の映画なのよ 。本当に失敗しちゃったわ。<ミッション・インポッシブル2>の方にす れば良かったって思っちゃったけど、後の祭よね。」

T「でも、その恐竜映画も面白そうじゃないの。夏休み映画なのかしら?」

A「年末の正月映画よ。でもアッシはあんまりお薦めしないけどね。」

H「これからのだと何がお薦め?」

A「これから本当にたくさんあるのよ。さっきの2つも良いんだけど、ア ッシの一番のお薦めは<サイダー・ハウス・ルール>だわね。」

T「<サイダー・ハウス>って事は林檎か何か作っている家の話しなのか しら?」

A「いいとこ突いてるわね、トモミったら。<ガープの世界>って映画、 覚えてるかしら。」

S「ロビン・ウィリアムスが出てたやつでしょ。」

A「そうそう。あれを作った小説家のジョン・アービングの小説の映画化 でね、孤児院を出て、林檎園で働く主人公の青春物語なんだけど、原作は とても感動する作品なのよね。」

H「<サイダー・ハウス・ルール>ってのはどんな意味なの?」

A「さっきトモミが言ってたけど、林檎園で働いている人達が寝泊まりす る小屋が<サイダー・ハウス>でね、そこに幾つかの規則みたいのが貼っ てあるのね。それが<サイダー・ハウス・ルール>なの。」

S「確かアカデミー賞では助演男優賞を獲ってましたよね。」

H「しろうったら以外に詳しいじゃない。」

S「ええ、映画大好きなんですよ。」

T「あら、じゃあいろいろ教えていただこうかしら。」

S「僕で良かったら聞いてください。」

T「そうなの。じゃあこの作品はどうかしらね。」

S「とっても良心的な作品だと聞いています。まだ見てないんで何とも言 えないんですけど。」

A「とっても良さそうよ。アッシはもう見る事にしてるんだけどね。」

H「ほかには?」

A「そうそう、忘れない内にもう一つ。<ボーイス・ドント・クライ>。 もうアッシ達には必見の映画よ、これ。」

S「<性同一性障害>の主人公に訪れる悲劇で、実際の話しらしいんです よ。」

T「<性同一性障害>ねえ。なんか難しそうだわね。」

H「これは僕も見たかったのよ。あきちゃんもアカデミー賞の予想の時、 主演女優は絶対にこの人が獲るって言ってたしね。ヒラリー・スワンクっ ていったっけ?」

A「本当にアカデミー獲ったしね。予告編を見た時も全く女性だと気づか なくって。」

H「悲しすぎるって聞いたんだけどね、どうなのかしら?」

A「そうかもしれないわよ。でも、アッシ達は特に眼を逸さないで見なく っちゃね。」

T「難しそうだけど見に行った方が良さそうじゃないの。」

S「僕も絶対に見に行こうと思っているんですよ。」

H「そう言えばアカデミー賞獲れなかったデンゼル・ワシントンの<モン ・スーン>だっけ?それもそろそろよね。」

A「<ハリケーン>。<ザ・ハリケーン>ね。これも面白そうね。確かこ れも実話だったと思うけど。」

S「そうみたいです。主題歌をボブ・ディランが歌っているんですよ。」

T「新曲なのかしらね〜。まだ達者だったんだ。」

A「残念ながら新曲じゃいと思うけど。確かアッシが学生時代に聴いた覚 えがあるわよ。」

H「でも良い曲なんでしょうね。もしそうだったら。」

A「もう忘れちゃったけど、映画見て確認しなくちゃ。」

S「デンゼル・ワシントンがとっても良いらしいんですね。」

A「アッシはね、この監督が好きなのよ。ノーマン・ジェイソンって言う んだけど。」

T「<月の輝く夜に>の監督なの?それじゃあたくしも大好きな監督だわ よ。それに<夜の大捜査線>だったかしら?」

A「トモミも昔良く見てたのね、映画。」

T「今でも見るんだけどね、何時も誰と行こうかな〜なんて思っているう ちに終わっちまうのよ。選ぶのが困っちゃうのよね、あたくし位になると 。」

H「はいはい。いいわよね、トモミは。いろいろ選ぶ子がいてね。でも、 また久しぶりに一緒に行こうよ。どう?」

T「よござんすよ。でもこれだけいろいろあると映画の方も選ぶのにひと 苦労な事だわね〜。」

A「一緒に行く子も、映画も<選ぶのに困っちゃう〜>って所かしら?」

S「羨ましいな。僕なんかも困ってみたいものです。」

T「何言ってるのよ。思ってもいないくせに。」

H「本当だよ。逆選びに困っちゃう〜でしょ、しろうの場合は。」

S「やだな、いじめないで下さいよ。」

A「いじめちゃなんかいないわよ。みんな羨ましいのよね、しろうの若さ が。ね、そうでしょ。」

T「まあ、そんな所ね。」

全員「あっはっはっはっは。」


おわり
*今回紹介した映画は
1)ドグマ   →7月より
2)リプリー  →7月下旬より
3)ミッション・インポッシブル2→7月8日より
4)サイダー・ハウス・ルール→7月1日より
5)ボイズ・ドント・クライ→7月8日より
6)ザ・ハリケーン  →公開中
です。どうぞ、足を運んで下さいね!



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#23 "自戒の念を込めました"の巻
#22 "ロマンチストは誰?"の巻
#21 "涙でサ・ヨ・ナ・ラ"の巻
#20 "至福の時ってどんな時"の巻
#19 "あなたは誰に?"の巻
#18 "これからはアジアの時代かな?"の巻
#17 "待ち人来らず"の巻
#16 "感動するって素晴らしい"の巻
#15 あきのN.Y.お芝居観て歩記 ′99 vol.2
#14 あきのN.Y.お芝居観て歩記 ′99 vol.1
#13 "分りやすいって素晴らしい"の巻
#12 "芸術の秋だよね"の巻 その2
#11 "芸術の秋だよね"の巻 その1
#10 "夢をみようよ"の巻
#9 "暑い時は映画館"の巻
#8 "劇場へ行こう!"の巻
#7 "戦争はおそろしいよね"の巻
#6 "あんたも漫画がすきなのね"の巻
#5 "あんたの涙は.....?"の巻
#4 "安心が一番"の巻
#3 "本当に生はいいんだから"の巻
#2 "小さいことはいいことだ"の巻
#1 アキのニューヨークお芝居観て歩記