<夏はやっぱり怪談>の巻

てつ(以下T)「あれじゃ詐欺、詐欺だよね。」

あき(以下A)「何変な事言ってるのよ。何かあったの?」

T「イヤー、今ね、<花>を観て来たんだけどさ、ゲストが出ないんだよ ね。日替わりで出るって書いてあるのにさ。」

A「アッシも初日に行ったんだけどゲストは出なかったわね。でも、てつ さ、よ〜くチラシ見たの?ちょっと正ちゃん、そのチラシ取ってあげて。」

正ちゃん(以下S)「は〜い。これですね。てつ様どうぞ。」

T「ほらほら。{日によって出演するゲストの方々}って書いてあるじゃ ん。」

A「だからさ、出ない日もあるんじゃないの?」

S「そうですよね、{日によって}だからね。」

A「そうそう。日替わりでって一言も書いてないわよ。」

T「え〜。これって日替わりじゃないんだ。紛らわしいなあ、こんな書き 方。」

S「そうですよね。これじゃ間違えちゃう人も多いでしょうね。」

A「でも、ちゃんと見なくちゃ。面白い芝居も台無しになっちゃうでしょ 。」

T「そうなんだよね。最初はさ、何時出てくるのかなって感じで待ってた んだけど、何時までたっても出てこない。それでもって終わっちゃったん だからさ、え〜って言う感じだったんだよね。」

A「あんた、それじゃゲストを観に行った様な感じじゃない。アッシは結 構楽しめたけどね。時間も短かったしさ。まあ、ゲストが出た時はどうな るのかなっては思ったけど。」

T「そうでしょ。だからさ、ゲストが出なかったからさ、.....。」

S「諦めるしかないんじゃないですか。それともなきゃまた観に行くとか ね。」

A「そうよね、また観に行けばいいじゃない、まだまだ演ってるんだから 。」

T「もう一度観ても良いんだけどさ、また出なかった時の事を考えるとね 、それより他の何かに行きたいよね。あきちゃん、何かないの?これは、 って物。」

S「オイラも聞きたいです。何かありますか?」

A「まあ、夏って言えばTUBEなんだろうけど、アッシの場合はユー ミンよね、やっぱり。2年に一度、今年の場合は3年になっちゃったけど 、やっぱり逗子で聴くユーミンは最高!」

T「どこがいいのかな?俺にはさっぱり解りませ〜ん。」

S「でも、一度位は見たいですよ。オイラも機会があったら見に行きたい ですよね、ユーミン。」

A「アッシもね、逗子以外は行かないのよ。スキーをするんだったら苗場 にも行くんだけど、しないじゃない。どっちにしてもユーミン聴くんだっ たらリゾート、リゾートで聴かなきゃね。てつはあんまりコンサートとか 行かないんだっけ?」

T「ん〜ん、そんなにはね。でも夏木マリの<印象派>だけは欠かさず行 ってるかな。俺にはああいう大人の雰囲気がいいんだよな。」

S「毎回テーマが違うんですよね、確か。」

A「そうだったわよね。何時も何日もやってないから、ついつい見逃しち ゃってるのよね。今回は何がテーマなのかしらん。」

T「今度のはね<声明>なんだ。」

S「しょうみょう?何だっけ?聞いたことあるんだけど。」

A「ほら、お経に節をつけて唱うやつ。あれでしょ?面白そうね。」

S「あ〜、あれか。面白そうですよね。どんななんでしょうか?ところで あき様、ユーミンが2年に一度なら、これも忘れちゃいけないんじゃない んですか?2年に一度なんだから。」

A「そうそう。DONちゃんとオカピーの<DUO2000>ね。 今年はどんな曲が飛び出すやら。てつは行ったことあるっけ?」

T「勿論。今年も行くつもり。あきちゃん、チケット扱ってたっけ。」

A「当然ありますよ。前売は当日より500円安いから予約してくれれば 取り置きしておくわよ。」

T「じゃあ、2枚取って置いて。」

A「あいよっ!」

S「ねえ、ねえ、あき様、内田有紀って見ないと思ったらこんな所にいた んですね〜。こりゃビックリだわ。」

A「つかの劇団でしょ。そういえばそろそろ始まるのよね、蒲田行進曲。」

T「今回を以って完結するんじゃなかったっけ?」

S「そうみたいです。これを読むと今度は銀ちゃんが階段落ちするみたい ですね。」

T「今からじゃチケット難しそうだよな。」

A「当日券出るんじゃないの?紀伊国屋でしょ。出るわよきっと。」

T「並んでみるかな、久しぶりに。でも夢にうなされそうだね。いくら並 んでも自分の一人手前で売り切れちゃうみたいな。」

A「夢にうなされるで思い出したけど、フィリップ・ジャンティ・カンパ ニーもそろそろよね。」

S「なに?それ。」

A「ちょっと難しいかもしれないけど、要は<夢の具現化>なのね。」

T「難し過ぎない?それって。」

A「大丈夫よ。ちょっと幻想的な舞台だけど、マリオネット、 マジ ック、 ダンス、 マイムとそれぞれが独創的なパフォーマン スなんだけどユーモアがあるからアッシは退屈しなかたけど、こういうの って結局は趣味の世界じゃない。でもたまにはいいんじゃないかしら、摩 訶不思議な世界も。」

S「観たい気もするけど、ちょっと恐いですね、オイラには。」

T「俺もだな。摩訶不思議な世界は寺山で十分ってとこかな。」

A「寺山もあるわよ。え〜と、何処だったかしら。寺山修司展があるのよ ね。」

S「これじゃないですか?ほら。」

A「そうそう。これよ。<テラヤマ・ワールド/きらめく闇の宇宙>」

T「行ってみよう、これは。J.A.シーザーが会場の演出をするみた いだし。」

A「シーザーが演出するとなると今までの寺山についての展覧会とはひと つ違うでしょうね。アッシも行かなきゃ。」

S「寺山も良いんですけど、もっと夏らしいものないんですか?」

T「正ちゃん、夏らしいと言ったらやっぱり怪談だやね。歌舞伎でも行っ たら良いんじゃないの。」

S「歌舞伎か。」

A「8月は<四谷怪談>だったと思うけど。アッシも行こうかなって考え ている所なのよ。」

T「あれ?あきちゃんさ、歌舞伎はなんかあって当分の間行かないって言 ってたんじゃなかったっけ?」

A「そうなのよね、啖呵切っちゃったじゃない。観に行きたくても行けな くてさ。」

S「何でそんな意地張ってるんですか?」

A「単純なんだけどね、ほら、歌舞伎って夜の部が始まるの午後4時半じ ゃない。そんな時間に行ける人っていないと思わない?それでもって国に 保護されてるでしょ。それが許せないのよ、アッシには。だから、これっ て松竹の問題なんだろうけど、役者の中からそういった時間などの問題提 起をしてかなきゃ本当の意味で世界に誇れる芸術にはならないんじゃない かって思ってるわけね。だって観たくても観る事の出来ない人が多い訳だ からさ、あの時間だと。」

T「でも、8月は3部構成だから3部が始まるの6時だもんな。これだっ て少し早いけどまだいいよ。」

A「そうね、それに夏っていう演目だしさ、正ちゃんも行ってきたら?」

S「やっぱ夏はお化けですよね、行ってみようかな。」

T「日本のお化けって結構怖いじゃん。夏にはいいよな。人間は少しゾク ってする感覚を味わっておかないとダメらしいね、良くはしらないんだけ どさ。」

A「ゾクってするんでも、いきなり 恋人がゴジラです、なんて紹介されたらゾクってなんてものじゃないわよ ね。」

S「何、いきなり言ってるんですか?暑さであき様もとうとう..... 。」

A「違うわよ。離風霊船の芝居の話しよ。<ゴジラ>っていう芝居。かつ て岸田戯曲賞をとった作品で今回は新演出での上演なのよ。」

T「なんか、迷っちゃうよな、いろいろ薦められるとさ。でも参考になっ たよ。てなとこで俺は帰ろうかな。お勘定お願い。」

A「あいよっ!ありがとね。」

T「じゃ、おやすみ。」

S「お休みなさ〜い。ねえ、あき様、ちょっと頼みがあるんですけど。」

A「なに?」

S「クーラー、少し寒いんです。温度上げてもらえますか?」

A「あら、寒かった?早く言ってくれればいいのに。正ちゃん、怪談じゃ なくてもブルブル震えてたのね。」

S「そうじゃないんですけど、今日は何だか朝から調子がいまいちなんで すよ。」

A「あら、それってもしかしたら夏風邪かもよ。早く帰って寝たほうが良 いんじゃないの?」

S「はい、そうします。それじゃオイラもお勘定して下さい。」

A「あいよっ!気を付けてね。それじゃまた。お休み。」

S「お休みなさ〜い。」


おわり

*登場人物は全て仮名です。


今回紹介した芝居等
1)<花>
	ザ・スズナリ		8/6まで

2)<松任谷由実>
	逗子マリーナ		8/4・5・7・8

3)<夏木マリの印象派>
	シアターX		8/30〜9/3

4)<DUO2000>
	中野ゼロ小ホール	8/20

5)<蒲田行進曲・完結編/銀ちゃんが逝く>
	紀伊国屋ホール		8/11〜20

6)<フィリップ・ジャンティ・カンパニー>
	PARCO劇場		8/6〜13

7)<寺山修司展>
	小田急美術館		8/2〜20

8)<8月納涼歌舞伎>
	歌舞伎座		8/2〜26

9)<劇団離風霊船のゴジラ>
	本多劇場		8/23〜27

以上です。何か観に行ってみませんか?



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#25 "おとぎ話には夢がある"の巻
#24 "選ぶのが困っちゃう〜"の巻
#23 "自戒の念を込めました"の巻
#22 "ロマンチストは誰?"の巻
#21 "涙でサ・ヨ・ナ・ラ"の巻
#20 "至福の時ってどんな時"の巻
#19 "あなたは誰に?"の巻
#18 "これからはアジアの時代かな?"の巻
#17 "待ち人来らず"の巻
#16 "感動するって素晴らしい"の巻
#15 あきのN.Y.お芝居観て歩記 ′99 vol.2
#14 あきのN.Y.お芝居観て歩記 ′99 vol.1
#13 "分りやすいって素晴らしい"の巻
#12 "芸術の秋だよね"の巻 その2
#11 "芸術の秋だよね"の巻 その1
#10 "夢をみようよ"の巻
#9 "暑い時は映画館"の巻
#8 "劇場へ行こう!"の巻
#7 "戦争はおそろしいよね"の巻
#6 "あんたも漫画がすきなのね"の巻
#5 "あんたの涙は.....?"の巻
#4 "安心が一番"の巻
#3 "本当に生はいいんだから"の巻
#2 "小さいことはいいことだ"の巻
#1 アキのニューヨークお芝居観て歩記