<秋はやっぱり大人の雰囲気>の巻

あき(以下A)「いらっしゃい!」

しろう(以下S)「こんばんわ。」

ノリ(以下N)「ラ・ラ・ラ・ラ.....」

A「どうしちゃったの?ノリったら。何かあったの?」

S「いや〜、今日ねシャンソン聴きに行ってたんですよ、かいやま由紀さ んの。それで会場出てからずっとあの調子なんだから、困っちゃいます本 当に。」

N「だって良かったのよ。シャンソンて初めて聴いたんだけど、何かグッ とくるものがあってさ、いっぺんに虜になっちゃったわけよ。」

A「あらあら。まあ、その話しは後で聞くとして、飲物は何にしようか?」

S「僕はソーダセットで。ノリちゃんもこれにすれば?」

N「いいのかしら。それじゃ、しろう君のボトルからいただきま〜す。あ たしはトニックでお願いね。」

A「あいよっ!」

N「それにしても本当に良かった。あきちゃん見てよ、このプログラム。 いい曲ばっかりでしょ。」

A「どれどれ。いつものプログラムとはちょっと違って良い選曲よね。伴 奏はドンちゃんのグループなのね。」

S「彼って本当に聞かせ所を知っているというか、カッコイイ弾き方をし ますよね。」

A「そうなのよ。だからオバサマ達のファンが大勢いるのよね。」

N「だからか。黄色い声援が飛び交ってたもの。」

A「しろうちゃんシャンソン聴くのね。知らなかったわよ。それも由紀ち ゃんの。アッシもずっと前からのファンでね。今年もライブハウスに一度 出かけて聴いたんだけど、本当に素晴らしい歌い手さんだと思うわ。」

N「だけどね、しろうちゃんたら五月蝿いのよね、隣で口ずさんじゃって さ。」

S「いいじゃないのよ、好きなんだから。」

N「でもねえ、やっぱり迷惑。あたしはさ、由紀さんの唄にホロホロきて たっていうのに。」

A「で、どれが良かったの?あんた達。」

S「まず、オープニング。」

A「何だっけ?ちょっとプログラム見せて頂戴。ああ、いきなり<帰り来 ぬ青春>なのね。とっても素敵なアズナブールの曲。」

S「それがさ、その前にイントロみたいにして<想いでの夏>が入るんで すよ。」

A「すっごくお洒落じゃない。サマー・ノウズね、アッシも大好きな曲よ 。これってきっとドンちゃんのアイデアだわね。夏の終わりのコンサート だもの、きっと意識して作ったのね。流石はドンちゃん。」

N「あたしは、何と言っても<再会>ね。別れた元ダンナと再会した時、 あたし、あんな風に対応出来るかしら?2番の歌詞だと今の奥方が居るの よね、側に。あたし耐えられないわ。」

S「そこの所、歌詞を変えてましたよ、確か。自分には全く似ていないっ て唄ってたと思うんだけどな。」

A「ああ、あそこの歌詞ね。」

N「あきちゃんも良く知ってるのかしら?」

A「勿論、好きな唄だからね。あの訳詞はね、新宿1丁目にあるシャンソ ン・パブ<シャンパーニュ>のオーナーの矢田部さんがしたんだけど、2 番の歌詞は元の詞とはチョット違うのよね。」

N「どんな違いがあるのかしら?」

A「あの歌詞はさ、今の奥さんが側に居る事になってるけど、フランス語 の詞では、あの場所に奥さんは居ないのよ。今の奥さんを想像してるって 事になってるの。チョットの違いかもしれないけど、イメージ的には相当 違うわよね。」

N「そうなの。でも、あたしはあの歌詞が好きだわね。涙が出てきちゃう のよね、もう。」

S「ノリちゃんたらまた自分の世界に入っちゃった。」

A「暫くほっときましょ。それより他に良かったなって思ったのはないの ?」

S「ありますよ、勿論。2部でね、<愛のシャンソンメドレー>っていう 有名なシャンソンのメドレーがあったんですけど、その前に唄った<愛の ファンタジア>って曲。とても素敵な曲で好きです。ドンちゃんとのデュ エットも聴けて。」

A「あら、ドンちゃん、唄ったのね。」

S「そうなんですよ。優しい歌声で、由紀さんともピッタリでした。あと <別れの詩>、それに<逢いたい>。」

N「分る。あたしもその2曲は好きだった。あたしね、<別れの詩>って 、ここで聴いたことがある様な気がするんだけど、あきちゃんあったかし ら。」

A「アッシも好きな曲だもの。たまにかけるシャンソンのテープの中でミ レイユ・マチューが歌ってるのよ。」

N「あ〜それで、聴いた事があると思ったんだわ。それにしても<逢いた い>って曲にはビックリすると同時に感激したわね。しろうちゃんもそう でしょ。」

S「本当にノックアウト状態でした。だって『あいたい』って言葉だけで 曲が進んでいくからね。」

A「『あいたい』にも色々あるからさ。逢いたい、会いたい、合いたい.... 。」

N「イヤ〜ン、もう。また涙が出てきちゃうじゃないのよ〜。」

S「アンコールの<歌ある限り>も含めて秋に相応しい、本当に素敵なコ ンサートでしたね。」

A「しろうちゃん、本当に好きなのね、シャンソン。」

S「そうなんですよ。シャンソンが好きというより歌が好きなんでしょう ね、きっと。この秋も何か大人の雰囲気で過ごせるコンサートに行きたい ですね。」

N「いいじゃな〜い、大人の雰囲気って。」

A「まず、新宿近辺にあるシャンソンのライブハウスに行ってみたら?」

N「ライブハウスも良いわよね、もっと身近で聴けるもの。何処にあるの か教えてよ。」

A「まず、<QUI>(キ)っていうシャンソニエが3丁目にあるでし ょ。それからさっき言った<シャンパーニュ>が1丁目に。ちょと離れる けどドンちゃんも時々出ている<蟻ん子>が四谷3丁目にあるし。」

S「けっこうあるんですね。ジャズのライブハウスには何度か行った事が あるんですけどね。」

A「ジャズだったら、ブルー・ノート東京で、マイケル・フランクスやピ ーボ・ブライソンのライブが今月あったと思うけど。」

N「マイケル・フランクス、良いわね。<アントニオの唄>、もう最高! それにピーボ。あんな甘い声で囁いてもらいたいわよね、そう思うでしょ 。」

A「前にね、本当に小さな所で聴いた事があるんだけど、ピーボ・ブライ ソンたらさ、客席に降りてきて一人一人、全員と握手、そしてキッス。サ ービス精神の塊だったわよ。」

N「こことは大違いだわね。」

A「何か言ったかしら?」

S「まあ、まあ。ところでお台場に何か出来るって聞いたんだけど、知っ てます?」

A「<TRIBUTE TO THE LOVE GENERATION>の事かしらね。この秋オ- プンだとは聞いてるけど。確かラルフ・ターナーだったかしらね、ギタリ ストの。」

N「素敵なネーミング、そのライブハウス。こういうのに弱いのよあたし って。」

A「分るわよ、あんたの事だもん。」

S「日本のアーチストでは誰かいますか?」

A「大人の雰囲気を感じるとなると、そうね〜。長谷川きよしや松崎しげ る、それにタバコの煙とお酒が似合う浅川マキなんかもライブハウスでや るはずよ。」

S「全然分らない人達ばかりだけど、分らない人のライブも行ってみたら 良いかもね。あきちゃんの推薦だしね。」

N「あたしには懐かしい人達ばかり。大人の雰囲気ね。それぞれ全くジャ ンルは違うけどあたしは好きね。特に秋だもの。長谷川きよしかしら。ね え、あきちゃん。」

A「アッシは時間があったら全部行きたいんだけどね、なかなか難しいわ ね。」

S「全部行ってたら大変だよ。お金と時間、両方と相談しなきゃ。」

A「大人の雰囲気を味わうにはやっぱりそれなりに時間もお金も必要だわ ね。それだったらいっその事ここで飲んでればいいじゃない。」

N「ほらほら余計な事言うから。まあ、そういう事で、大人の雰囲気のこ の店でもう1杯作ってもらおうかな。」

S「じゃあ僕も。」

A「あいよっ!」


おわり

*今回紹介したコンサートなどは

1)かいやま由紀         9/11
          仙台電力館ホール
2)マイケル・フランクス 9/11〜16
          ブルー・ノート東京
3)ピーボ・ブライソン  9/25〜30
          ブルー・ノート東京
4)ラルフ・タナー    9/20〜23
         お台場TRIBUTE TO THE LOVE GENERATION
5)長谷川きよし     9/16
         府中の森芸術劇場
6)松崎しげる      9/19〜20
         スウィート・ベイジル139
7)浅川マキ        9/24
         新宿ピット・イン

以上です。皆さんも何か行ってみては如何ですか?



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