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 私、村上がメーカー、排気量、新旧など車種にこだわらず一般の人よりたくさんのバイクに乗れる立場を利用して、私なりの試乗インプレッションを、語らせていただきます。皆さんのバイク選びの御役に立てればうれしいです。

 今回は、ITALJET渾身のスポーツスクーター Dragster(ドラッグスター)です。慣らし運転を終えたオーナーと富士山周辺ツーリングに行ってきました。
 

ITALJET Dragster
4サイクル水冷単気筒DOHC
125cc ¥770,000(税込み)
200cc \814,000(税込み)



エンジンはこのクラスでは非常に珍しいDOHCの4サイクル単気筒水冷方式。乗っているとシート下からカムの音が聞こえてきて良い感じです。




イタルジェットの真骨頂、フロントのハブステアはエルフやビモータなどに採用されている方式で、レーサーや大排気量車でも稀な先端技術。トラス構造のフレームも太くなって力強い。












シート下は小さなスペース。現在はETCと折り畳めるリュックを入れているオーナー。ガソリン容量はちょっと小さ目で山に入る前には満タン。










イタルジェットが一度生産をやめてから幾度となく絵に描いた餅だけが発表されては立ち消えしてきました。その多くはジレラランナーの水冷2サイクルを搭載した以前のモデルのフレームに現代の4サイクルエンジンを積んだもの。以前のドラッグスターはフレームの剛性がエンジンパワーに負けてしまい、コーナーでヨレる乗り味も話題で、当時はそれも味としてとらえられ人気でしたが、重くて大きい4サイクルエンジンを無理やり載せても、まともに走るわけがないと感じておりました。思った通り夢は実現せず幾年月。そして今回のモデルが発表された時も「大丈夫?また幻?でもフレームは太くて頑丈そうだし、今までのとは違うか?」と半信半疑。しかし、数年経ち、ちゃんと形になって出てきたのでびっくりです。当初の予定よりだいぶ遅れたものの、しっかり量産体制に入った模様で、それだけでも評価されるべきだと思います。


跨ってみると
車体は写真のイメージよりコンパクトにまとまり、PCXやNMAXに近い大きさ。跨ってみると低めでフラットなハンドルとシートの距離感は丁度良いスポーティなポジション。多分、合計で30分以上は乗らせてもらったと思いますが。少し乗っただけでは尻の置き場が決まらず。
シート高もさほど高くなく、昔のランナー位かと思われます。最近、国内メーカーも海外向けモデルを国内に振り分けているだけで、特に日本仕様に設計されてなく、足つき性の悪いモデルが多いのですが、イタリア風味のシート高が普通になってきました。車体が動かない状態でフロントをロックさせ、ハンドルを前に押して体重をかけてみても全く沈まないハブステアの面白さ。


乗ってみる
初試乗は富士吉田と河口湖周辺の一般道。乗る前にオーナーからは「右と左で曲がり方が違う。」のお言葉。昔のドラッグスターもそうでしたがハブステアの癖が出るのか?と思って乗ってみる。直進安定性が良く、実はショートホイールベースのスクーターに乗っているということを忘れてしまいそう。真っ直ぐな道でちょっと不良になってローリングさせてみると、確かに右に曲がろうとする時には反対側よりちょっと「ヨッコイショ。」という意識が必要でした。ただし、言われなければ気づかない人もいるかもしれないレベル。工場から出てきてそのままのサスは硬めで、ギャップの跳ね返りも感じる。

エンジンはツインカムらしく低速トルクというより、回転を上げて行ってパワーを出すタイプ。180ccとしては十分なパワー。並走してましたが、高速も100km/h前後で巡行できるようです。やはり一般的な150ccクラスよりは遥かに速い。シート下から「ギュイーン」とカムの音が聞こえてくるのがDOHCの証。良い雰囲気です。

東名御殿場から山中湖、富士山をぐるりと一周してから富士吉田でうどんのお昼。その後、大月へ出て小菅村から奥多摩へ。奥多摩周遊道路でワインディンも乗らせてもらいました。この頃にはすでに左右の曲がり方の癖も体で補ってしまい、すっかり忘れておりました。コーナーリングはラインを決めてスパっと入り込むタイプ。後輪に荷重をかけて曲がる大型バイクのような乗り味です。もちろん現代のABS付き前後ブレーキはとても良く効いて何の不安も無い。フレーム剛性も不安なくヨレを感じることはありません。スポーツ走行が楽しいですね。このバイクは、まだ工場から出てきてそのままの状態なので、サスのセッティングもイタリアの大男に合わせてあると思われます。大型バイク経験者が乗れば200のスクーターを振り回すのは簡単なことで、多少、そのバイクの癖みたいなものが多少あったとしても何の問題もなく自然に乗りこなしてしまうと思います。そのままでも充分楽しい。帰ってきてからしばらく考えてみると、サスのをセッティングを変えてみるだけでも大分違った乗り味になるのではないかと思いました。今のままでスポーツバイクとして乗ることもできるし。振り幅の大きいサスを、少し柔らかいセッティングにしただけでも大分性格が変わったものになるのではないでしょうか。

今回は比較のためにVESPAで同行し、二人でとっかえひっかえして乗り比べ。伝統的でジェントルな乗り味と革新的でエッジの立った切れ味。言ってみればVESPAも普通のスクーターとは一線を画す「VESPAという乗り物」。このドラッグスターも、その真逆に位置する「ドラッグスターという乗り物」と言えると思います。




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