YAMAHA XMAX
水冷４サイクル２５０ｃｃ
￥６４２、６００
特筆すべきはその車体の大きさ。私が普段使用しているＶＥＳＰＡ250ＧＴＳとほぼ同格。特に都会では重宝する大きさです。
取材協力
オートショップサチ
東京都江戸川区南葛西４−２−２
TEL 03-3689-4528
複雑怪奇なデジタルメーターは最近のバイクでは当たり前。左右のインナーポケットと大きなトランクで、そのままでも相当な容量を確保。これでトップケースを付けたら無敵ですね。スマートキーの使い方がわからずに最初は戸惑う。
乗ってみました
お仲間のお店、オートショップサチさんが試乗車を下したということで、乗らせていただきました。跨ってみると、すでに世界中のスクーターの基準とも言えるTMAXを思い起こさせる。ゆったりとしながらもスポーツ走行が頭をよぎるポジションは、ちょっと低く構えてヤル気にさせます。峠を攻めたら楽しそう。これは１２５のNMAXでも同じ印象で、すでにヤマハのお家芸とも言えるラインですね。尚、ちょっと選ぶときにネックとなる人が居るかもしれないのは、足つき性。こちらもTMAXを思い起こさせる少々高めな設定。当店のお客様のようにヨーロッパ車になれている人にとっては大きな問題にはならないと思いますが、国産しか乗ってこなかった人にとっては面食らう場面かもしれません。
世界共通の車体ということで、エンジンは３００ｃｃから日本仕様の２５０ｃｃになってます。そのせいではないと思いますが。スタートダッシュの良さは、さほど感じません。実際には十分な速度に達しているのですが、スピード感が無いのです。ピアジオやジレラなどのヨーロッパメーカーのモデルも、スタートダッシュより、ある程度以上の速度域でラクチンに走れるようにセッティングされたものが多いので、こちらもヨーロッパ基準と言えるのかもしれません。足回りや車体剛性の良さでスピード感が鈍るということも考えられます。普通のバイクと同じ構成の長いフロントフォークはTMAXと同じで大変安心感の持てるもの。さすがにリアはTMAXのようなスイングアーム独立タイプではなく、一般的なエンジンごと動くユニットスイングですが、スポーツ性能は相当高いと思われます。ディズニーランド周辺の大きなコーナーへ結構なスピードで突っ込んで行っても全く不安は無し。私のような暴走行為を予防するために小さな凹凸加工されているアスファルト舗装が多いのですが、そんな場面でもフレームや足回りの剛性不足を感じることもない。
乱暴に言ってしまえば「小さいTMAX」「大きなNMAX」です。日常使い、スポーツ走行、ツーリング。どれを取っても高いレベルの満足度でこなしてくれるでしょう。実際にABSやトラクションコトロールを使う場面はほとんど無いと思われますが、現在の基準で登場した今のバイク。コンパクトな車体とパワフルなブルーコアエンジンは、燃費も良いだろうし、積載スペースも十分と、至れり尽くせり。
敢えて挙げてみたマイナス要素部分も、選ぶ人が、コイツをヨーロッパ車だと思えるかどうかということだけかもしれません。すでに日本市場で売られるバイクは、日本メーカーのマークが付いていたとしても、そのほとんどが「日本仕様のヨーロッパ製品」だと認識することが必要だと思います。すぐに慣れるレベルの話です。