KYMCO Tersely S
空冷単気筒４サイクル
125cc ￥349,800（税込み）
150cc \359,700（税込み）
ヨーロッパ市場、特にイタリアでは絶対的な人気を持っているカテゴリー。ハイホイールスクーターと呼ばれ、大径ホイールが大きな特徴。加えてフロントスクリーンと荷台のトップケースも定番。このモデルはこれらの付属品も標準装備なのが嬉しいですね。ケースもバイクと同じキーで開閉、脱着が出来ます。写真の状態が標準。
今のバイクらしく、灯火類は全てLED。メーターもフルデジタルです。
シート下のトランクも大容量で２Lのペットボトルを2本入れてもまだまだ余裕。差し込み式の仕切りを取れば一升瓶も入ります。コーヒー用の湧き水を頂いてくるのが楽しみ。
前後とも電子制御のABS付きとこちらも現代的。
乗ってみると
まず、跨ってみると低めでフラットなハンドルは自然な感じ。ちょっと高めなシート高にびっくりする人もいるかもしれませんが、これも考えようによってはヨーロッパスタンダード。最近の国内メーカーも特に日本市場向けには作っていないモデルが多数存在するので、ある意味普通のことかもしれません。エンジンを掛けて走り出すと、スタートダッシュは効かず、ある程度スピードが乗ってきた所が一番快適。ヨーロッパ車はこういったハイギヤードセッティングが普通で、硬めのサスセッティングもあいまって、一段とイタリアっぽい。
１２５ｃｃは街乗りが多くなると思いますが、ロングランも楽しいですね。大径ホイールの安定感は抜群で、疲れも感じにくい。昔のハイホイールスクーターはフラットステップにするとフレーム剛性が足りなくて何となく頼りなさを感じながら走ったものですが、このバイクは極めてナチュラルなハンドリングで大変快適。大型バイクから乗り換えても全く違和感が無い。大変よく効くブレーキもあってコーナーリングがとても楽しいですね。特に下りの突っ込みは最高です。
あまりにフレームが良いのでちょっと調べてみました。以前より製造技術が上がったことが一番だと思いますが、このバイクは１５０ｃｃと共通な車体なのはもちろん、その上の３００ｃｃも存在していて、もしかするとそちらとも共通の部分が多いのかもしれません。１２５ｃｃと１５０ｃｃでは絶対に限界が来ない頑丈な車体と言えます。
遠乗りしてみる
湾岸３５７号、その先の16号と、とてもハイペースな国道も実に快適で流れに乗れる。 房総の最南端、野島崎灯台までは１５０ｋｍ。江東区から3時間で着いてしまいました。昨今、大流行の「カブおじさん各地に出没事件」に余裕で乗っかれます。
燃費は街乗りでは30km/Lオーバーですが、ツーリングに行くと40km以上走りました。
ヨーロッパ風の写真を撮りたくて寄ってみた鋸南町の石橋。素敵です。
私の大好きなTV番組、「秘密のケンミンショー」では、埼玉県北部の本庄、児玉、深谷などの地域を「ほぼ群馬」と呼ぶことがあります。私も群馬出身、身内が沢山そのあたりに住んでいて大いに納得するところですが、その言い方を借りれば、このバイクは「ほぼイタリア車」と言えます。台湾メーカーの中国生産ですが、アジアの雰囲気は微塵も無い。とてもオシャレで造りも悪くないし、安っぽさもありません。アジアではほとんど販売されていないようですし、イタリアではベストセラーです。個人的には１５０ｃｃがお勧め。一台あれば全て補え、ＶＥＳＰＡと同じに使えるメーカー3年保証は魅力的だと思います。