仲間のご同業、BEAR SETAGAYAさんに試乗車が入庫中ということで、乗らせていただきました。
SWM GRAN MILANO400
4サイクル空冷単気筒４００ｃｃ
￥６９９、８４０（税込み）
空冷4バルブの４００ｃｃエンジン。エキゾーストは二本出しアップタイプのステン。ヤマハのＳＲと同じドライサンプ方式です。シート下にオイルタンクあり。
フロントは高剛性の倒立フォーク、リアはサブタンク付きツインタイプ。ブレンボのラジアルマウントブレーキが光ります。
当初は440ｃｃエンジンが輸入されいましたが、日本の免許制度に合わせて、現在は、ほぼ４００ｃｃ主流になったそうです。尚、注文で４４０の購入も可能だとのこと。
シンプルな二眼メーターと、レーシーで低く構えたセパハン。特徴的なテール周りはシンプルでかっこいいですね。このモデルにはタンデムタイプのシートも付いてきます。サイドカバーやフェンダー、シーカウルも含めて全てがスチール製と、こだわった作り。
乗ってみました
またがった感じはハンドルが低いモデルなので少し前傾。昔のホンダGB２５０を思い出すポジション。足つき性は、１７２ｃｍの私だと両足べったり。写真のお嬢さんは160cmですが、片足は余裕なので、慣れれば問題ないレベルでしょう。
二本出しサイレンサーの音は現代のバイクなので静かながら、リバースコーンの効果でパタパタと心地よい。走り出してみると「おお？これは？」とニヤリ。はっきり言って速くはありません。ごく普通の４００ｃｃ単気筒。ドロッと回るエンジンです。ドロッと回るって何だよ！！と言われそうですが、一般的な日本のエンジンとは根本的な部分で考えが違っていて、回転を上げてパワーを稼ぐのではなく、重いフライホイールの慣性で前へ進もうとする特性とでも表現したら良いでしょうか。これは同じ構成で、充分に低速型エンジンのヤマハSRともちょっと違う。低中回転を使っているにもかかわらず、いつの間にかスピードに乗っているタイプ。
このエンジン特性と、ヨーロッパ車独特のハイギヤードとの組み合わせは、なかなか興味深い。昔、ピアジオの空冷２ストエンジンに初めて乗った時にも感じた印象。現在でも販売しているハンドチェンジのベスパにも通じる、ヨーロッパ車独特の感性です。道を間違えて２４６号へ出てしまい、少しペースを上げてみましたが、流れに乗っても５速にはほとんど入らない。よそのお店のをお借りしているので、引っ張ってはいませんが、５０００回転くらいが一番気持ちいいところかもしれません。
足回りは、フロントサスの剛性が高すぎてゴツゴツと手にショックが伝わってきます。フロントのラジアルマウントブレンボも強力で、その気になればすぐにロックできそうです。率直に言って、サスもブレーキもこの車体にはオーバーグレードかもしれません。でも、カフェレーサーはこれでいいんです。これの方がかっこいいから。因みに同シリーズのその他のモデルではフォークは正立、ブレーキもスタンダードのタイプを採用しているようです。
まあ、若くて可愛い女の子が乗れば、なんでもかっこよくておしゃれに見えるという、反則技に近い写真を撮らせていただいたのは、たまたまBEARさんにＳＷＭを見に来ていたミズキちゃん。モーターサイクルショーにもコイツを見に行ったそうでお気に入り。若くもなく可愛くもないオジサンたちが、このカフェレーサーを粋に乗りこなすには多少の努力とセンスが必要ですが、このバイクのユーザー層を想像すれば、ＳＲ４００を渋く乗りこなしている人やVESPAに乗っている人なども、その範疇に入ってくるのかなと思います。キックも付いていない４００なので乗るのに難しいことは全くありませんが、本当はちょっと無理していても、平然を装って乗ってもらいたいですね。
タンクは２２Lと大容量。おそらくリッターあたり２０ｋｍ以上は走るでしょうから４００ｋｍは堅いということになります。ロングランに出ても一回入れるかどうかというところですね。スクランブラーやツーリングモデルもラインナップされていますので、好みでチョイスできそうです。